りんどう法律事務所のブログ

2016.09.05

小説「きいろいゾウ」を読みました ~ 夫婦は色々。悩みも色々。~

西加奈子さんの小説「きいろいゾウ」を読みました。

 

 

まさに「夫婦の形」を描いた小説です。

 

 

2006年3月初版第一刷されたものなので、もう10年以上を前の小説ということになります。

 

 

パートナーのこと、夫婦のことについて、色々思うところがある人もそうでない人も、是非一度読んでみてほしいなと思う小説です。

 

 

 

背中に鮮やかな鳥の入れ墨を背負った小説家の「ムコ」と少し心臓の小さい「ツマ」夫婦の物語です。

 

 

 

不思議な世界観、リズムを持ちながら暮らす非常に繊細なこの夫婦の話をメインにしながら、主人公たちの周りには色々なカップルが出てきます。

 

 

 

認知症が少し進んだ妻と二人で暮らす老夫婦。

登校拒否の孫を預かることになった、都会から田舎に越してきた夫婦。

その孫に、熱烈に「好き」という感情を溢れさせる小学生の女の子。

DV夫と暮らす妻。

重度の障がいを持った子とその母親、その母親の20歳年上の夫。

 

 

 

このように挙げていくと、どの登場人物もが「大変な状況にある人」のようにも思うかもしれませんが、小説では決してそのようには描かれていません。

 

 

私たちは、毎日たくさんの言葉を耳にします。

テレビやラジオから耳にすることもあれば、友人との会話で耳にすることもありますし、電車内での隣の人の会話がたまたま耳に入ってくることもあるかもしれません。

 

多くの言葉を毎日聞いているわけですが、全ての言葉に感銘を受けたり、考えさせられたりするわけではありません。

 

 

 

 

なんともない時に耳に入ってくる言葉に、ドキリとすることはないかもしれませんが、

 

同じ言葉でも、異なる状況で耳に入ってくれば、その瞬間は、すごく胸にささることもあるかもしれません。

 

 

 

この小説に出てくる言葉の多くも、もちろん、私たちが日ごろ耳にする言葉です。

 

 

でも小説の世界に入ったとき、普通の言葉なのに、自分にズシッとのしかかる言葉に出会うかもしれません。

 

 

 

「ツマ」は動物や植物と話せるようで、少し不思議な世界もあったりしますが、もし苦手でなければ、一度読んでみていただけたらと思います。

 

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.08.24

小説「ペテロの葬列」を読みました ~ 夫婦の話は、本当に難しい ~

宮部みゆきさんの小説「ペテロの葬列」を読みました。

 

 

刊行されて数年経っていますし、ドラマ化もされているので、すでに読まれた方もおおいかもしれません。

 

 

このブログでも、他の弁護士が触れているかもしれませんが・・・。

 

 

個人的には、なんとも終盤が衝撃で。このブログで触れざるを得ない心境です。といっても、物語のメインである「事件」とは何ら関係のない話になってしまいますが。

 

 

 

 

【ネタバレがあります。まだ小説「ペテロの葬列」を読んでいない方はご注意ください】

 

 

 

というのも、主人公は、妻を愛し娘を愛する温和な男性なのですが、妻が浮気をしてしまい、物語の最後で離婚をします。

 

 

小説のメインテーマである事件とはかなりかけ離れた話をすることになり恐縮ですが、離婚事件や親族事件を積極的に扱う当事務所の弁護士として、この結末は個人的にはかなりの衝撃でした。

 

 

この仕事をしていると、理路整然と説明できないのが人生であり、夫婦でもあると思うことはしばしば。そう思っています。

 

 

夫婦の数だけストーリもあります。

 

 

傍から見れば、理不尽な話であっても、夫婦当事者間がそれで円満なのであればそれもまた素敵な夫婦であったりします。

 

 

この仕事をしていて、ある程度のことには動じないようになりつつある私ですが、しかし、この小説の結末には非常に驚いてしまいました。

 

 

夫婦だからこそ、なんでも話し合えればいいなという理想はあるものの、しかし、現実は独り相撲。

 

一人で期待し、一人で「良かれ」と思い行動し、一人で「なんでわかってくれないの」なんて思うことはしょっちゅうです。

 

 

 

 

主人公の妻にも、もしかしたらそんな思いがあったのかもしれません。

 

 

 

 

 

婚姻に至る経緯に色々あった杉村家ですが、しかし、夫婦の会話の中からは、特に問題は感じなかったのですが・・・。特に妻側に何か思うところがあるとは・・・。

 

 

だからこそ(私からすれば)突然の展開に驚いてしまいました。

 

 

 

とはいえ、主人公もこの離婚を受けて、新たな人生への道に向かって準備をしている姿が描かれ、物語は終わりを迎えます。

 

 

 

 

夫も妻もそれぞれが、後から振り返り、結婚そしてこの離婚がすごく意義のあるものとなっていればいいな、そう思って小説を読み終えました。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2016.07.12

「特別養子縁組」は、何が「特別」なのでしょうか?

この7月からスタートするドラマで、特別養子縁組を題材したものがあるようです。

 

 

この「特別養子縁組」という言葉、みなさんは聞かれたことがあるでしょうか。

 

 

よく言われる普通の「養子縁組」とは少し異なるのです。

 

 

 

 

民法817条の2は、次のように定めています。

 

「家庭裁判所は、次条(民法817条の3)から第817条の7までに定める要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組を成立させることができる。」

 

 

 

普通の「養子縁組」は、縁組をしたからといって、実方の血族との親族関係は終了しません。

 

しかし、この「特別養子縁組」は、実方の血族との親族関係が終了するのです。

 

 

これは、子やその周りの人にとって、かなり強い効果と表現することもできます。

 

 

それぐらい「特別」なので、この特別養子縁組を成立させるためには、様々な要件を具備する必要があります。

 

 

その①

 養親となる者は、配偶者のある者でなければなりません。そして、原則として、夫婦の一方が養親とならないときは、他方も養親となることはできません(民法817条の3)。

 

その②

 養親となるものは、原則として、25歳以上でなければなりません(民法817条の4)。

もっとも、夫婦の一方が25歳に達していれば、他方が20歳に達していれば養親となることは可能です(同条但書)。

 

その③

 原則、養子となる子が6歳未満でなければなりません(民法817条の5)。

もっとも、その子が6歳になる前から養親となる者に監護されている場合には、8歳になるまでであれば、養子となることは可能です(同条但書)。

 

その④

 原則、養子となる者の父母の同意が必要となります(民法817条の6)。

 もっとも、父母がその意思を表示することができない場合や、父母による虐待、悪意の遺棄など「養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合」には、父母の同意は不要となります(同条但書)。

 

その⑤

 父母による監護が著しく困難であったり、父母による監護が不適当であるといった「特別の事情」がある場合に、「子の利益のために特に必要がある」ということが必要となります(民法817条の7)。

 

その⑥

 実際に、養親となる者が養子となる者を6か月以上の期間監護をしたその状況を考慮して、特別養子縁組を成立させるかそうでないかが判断されます(民法817条の8)

 

その⑦

 特別養子縁組の成立のためには、家庭裁判所の審判が必要となります。

 

 

 

 これらの要件が具備され、そして家庭裁判所に認められれば、戸籍上も「子」として扱われ、実親との親族関係も終了するのです。

 

 つまり、その子を取り巻く法的関係は、実子とほぼ同じようになるということができます。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.07.06

裁判所には「夏季休廷」があります。

気付いたら、7月になっていました。

 

月日の経つ速さが年々増している気がします。先日、このことを依頼者の方と話していたら、「年齢とともに加速するのよ」と言われてしまいました()

 

数年前にも、他の方から同じお話しを聞いたのを思い出し、そして実感。

 

 

確かに、年齢とともに一年のスピードが速まっているように思います。仕事や日々の生活が忙しくなっているからそう感じるのか、もしくは、何年も過ごしていくと「その1年」の重みが軽くなってしまうのか・・・。

 

 

いずれにしても、一年、ひと月、一週間、一日を大切に過ごしていきたいなとも思ったところです。

 

 

 

 

さて、この仕事で「夏」と言えば、気になるのが、「夏季休廷」です。

 

「夏季休廷」。つまり、裁判所の夏休み期間です。

 

 

夏休み期間といっても、裁判所が全部お休みになるわけではなく、裁判所自体は様々な業務をしておりますが、この夏季休廷期間には、手続期日はあまり設けられません。

 

 

このため、通常、ひと月に1回程度の間隔で設けられていく手続期日が、この夏季休廷期間中は入らないために、少し先になってしまうことがあります。

 

7月に設けられた期日の次は9月になってしまうこともあります。

 

 

 

7月に入ると、次回の期日を決めるにあたり、そろそろこの「夏季休廷」の影響が出てきています。

 

 

訴訟を起こしても、第一回期日が9月に指定されるということもあります。

 

 

ご相談者の中には、「ようやく決意できた。手続きを進めたい」と思っても、この夏季休廷期間により、実質的に手続きが進むのが2か月先という場合もあるので、驚かれる方や困惑される方もおられます。

 

 

しかし、逆に言えば、この期間に、弁護士として事案をしっかり検討できるということもあったりします。

 

 

 

 

学生の頃は7月の声を聴けば、「もうすぐ夏休み」と思い、夏を実感したものですが、この仕事に就いてからは、7月に入り次回期日を調整する際に、「夏季休廷期間」という言葉を耳にし、そして夏を実感するようになりました。

 

 

季節を感じる瞬間も、人それぞれなのでしょうね。

 

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

  

2016.07.04

百田尚樹さんの小説「夢を売る男」を読みました。 ~このやり方、詐欺にあたるのか、あたらないのか~

百田尚樹さんの「夢を売る男」という小説を読みました。

 

 

 

 

【ネタバレの可能性があります。まだ「夢を売る男」を読まれていない方はご注意ください】

 

 

 

 

読み始めると、どうやら主人公は、非常に暑苦しい外見のようですが、なかなかの敏腕編集長の様子です。

 

 

それが、小説を読み進めると、本を出したいという夢を持っている人たちを騙す阿漕な編集長であることが明らかとなっていきます。

 

 

 

読んでいて、出てくる登場人物のみんなが、少し「呆れてしまう」ような人物ともいえ、

この本は一体どの方向に進むのかと気になり始めます。

 

 

 

でも、何故か、最後は、この主人公が熱いハートを持っているハートフルな編集長という様相を呈します。

 

 

 

不思議な作品ですね。主人公に対して抱く気持ちが徐々にそして結果的には大きく変わって行くのです。

 

 

 

 

作中には、「百田何某という作家」という記述で、作者である百田さんを思わせる記述があり、そして、その「百田何某」は、なかなか主人公にこき下ろされたりもしていて、作者の遊び心も窺えます。

 

 

 

ほんの少しですが、訴訟や弁護士も出てきて、個人的に楽しませていただきました。

 

 

 

最後になりましたが法律問題について少し。

 

 

 

個人的には、主人公が勤める会社がしていることは、きっちり考えれば法的には「詐欺」に当たり得るのではないかと感じます。

 

 

刑法246条1項は、

「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する」

と定めています。

 

 

主人公が勤める会社のやり方が、この「人を欺いて財物を交付させた」と言えるのか、言えないのか、読みながら考えてみてもらえたら、法律に携わる者として少しうれしいです。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士の法律事務所)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

 

2016.06.20

ドラマ「グッドパートナー」最終回を観ました。 ~ 夏目弁護士は代理人になれるの?~

ドラマ「グッドパートナー」最終回を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「グッドパートナー」最終回をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

事務所移籍に悩む夏目弁護士。

 

そんな中、咲坂弁護士、夏目弁護士と家族ぐるみの付き合いをしている名木夫妻の妻・裕子さんが、神宮寺事務所を訪ねてきます。

 

裕子さんは、夫と離婚がしたいので両弁護士にその代理人になってほしい、そして裕子さんが立ち上げた株式会社花凛の顧問弁護士になってほしいと依頼をします。

 

 

夫は飲食業である名木ダイニングを営んでおり、名木ダイニングは神宮寺法律事務所と顧問契約をしています。

 

このため、咲坂弁護士も夏目弁護士も、弁護士倫理上、裕子さんの依頼に応じることはできません。

 

でも、裕子さんの「夫は私の起業に反対していた」という発言に、裕子さんを応援したいという気持ちが高まる夏目弁護士。

 

裕子さんの応援をしたい、そして「プライベートな都合」が理由となって、神宮寺法律事務所を退所することになった夏目弁護士。移籍して早々、裕子さんの代理人に就任します。

 

 

ただ、ここでちょっと言いたいのです!

 

事務所を移籍したといえども、名木さん(夫)の咲坂弁護士と夏目弁護士は元夫婦。そして、裕子さんの相手方となる名木ダイニングは、夏目弁護士がいた神宮寺法律事務所の顧問先。

 

このような関係では、いくら移籍したとしても、裕子さんの代理人になることは差し控えなければなりません。夏目弁護士の気持ちはわかるのですが・・・。

 

私も個人的には、依頼者の方を思うと代理人に就きたいと思うのですが、ただ、もし事務を遂行していくなかで、依頼者の方が「この人は夫の気持ちも汲んでいるのではないか」と疑心暗鬼になってしまうかもしれません。依頼者の方にそんな不安を抱かせるかもしれないことは弁護士として避けるべきだとも思うのです。

 

 

とはいえ、ドラマは離婚とは違った展開へ。

 

裕子さんの離婚への思い、起業には、とあるプロダクション経営をしている男性が関わっていましたが、その男性が、実は裕子さんをだましていたことが発覚。

 

裕子さんはこれをきっかけに、自分のことや夫のことを冷静に考えるようになったのかもしれません。

 

裕子さんの真意に気付いた夏目弁護士と咲坂弁護士は、裕子さんと夫が話し合う機会を設けます。

 

最初は戸惑う裕子さんでしたが、夫の話を聞き、思い直すことになります。

 

夏目弁護士と咲坂弁護士に感謝をする夫婦。

 

結論を見れば、確かに、弁護士倫理とかの問題ではなさそうです。結果的には利益が対立したわけではないですし。

 

 

というか、夏目弁護士と咲坂弁護士がしたことは、弁護士として、というよりは、友人として行ったことなのでしょうね。まさに「グッド・ジョッブ」です。

 

 

名木夫婦のやりとりを終えた後、向き合う夏目弁護士と咲坂弁護士。二人とも弁護士バッジを外し、「人間として」の話をします。頑なだった心が解れた二人。またみずきちゃんと3人での生活を選択します。

 

 

もともと離婚後も一緒に仕事ができていたのですし、仕事でのやりとりもお互いを意識していたもの。愛情がなくなったようには見えませんでしたものね。であれば、みずきちゃんと3人で生活するのが、この3人にとってはすごく自然なことなのかもしれません。

 

 

この仕事をしていて、自分自身が思うことですが、

人間である限り、色々と遠回りもしますし間違いをしてしまうこともあります。

そんな時でも、間違いを間違いでなかったとするプライドよりも、もっと自分や周りを大切にすることにプライドをかける方がずっと素敵なことですよね。

 

咲坂弁護士、素敵でした。

 

 

 

最後に余談ですが。

 

先日このブログで、弁護士バッジについて記載しました。その補足にもなります。

 

咲坂弁護士と夏目弁護士が弁護士バッジを外すシーン。私には、それぞれ外し方が違ったように見えたのですが、皆様はどうでしたか?

 

 

実は、弁護士バッジ、男性用と女性用で、ピンの部分の構造が異なります(これも時代により変わっているのかもしれませんが、少なくとも私が弁護士登録をした時は異なりました)。

 

男性は、ネジのようになっており回す感じで外すのですが、女性は、基本的には、ブローチタイプか刺す構造のピンタイプかを選ぶようになっています。

 

この違い、女性のスーツには、バッジを付けるホールのないジャケットが少ないからなのかもしれません。

 

ドラマを見ていて、咲坂弁護士と夏目弁護士のバッジの外し方が少し違うように見えたので、ちょっと触れてみました(細かい話ですみません)。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士の法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.06.13

ドラマ「グッドパートナー」第8話を観ました。 ~ 法廷でネット検索???~

ドラマ「グッドパートナー」第8話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「グッドパートナー」第8話ご覧になっていない方はご注意ください】

 

やっぱり、前回は、第一回口頭弁論期日だったのですね。

 

裁判官の特徴を知っていった夏目弁護士が、裁判官の反応から「負けそう」と思ったとのこと。

 

訴訟の中で、土井垣設備は、施設の所有者であることを認めました。であれば、民法717条に基づく責任追求は筋として通る話になります。

 

ただ、裁判官の中では、1億4000万円という損害額に納得がいかないようでした。

 

土井垣設備側の主張は「せいぜい損害はあったとしても4500万円」(被告側本人は4500万円さえも支払うつもりはなかったようですが)。

 

そこで、損害の範囲を広げようと考える咲坂先生。営業再開後も戻らない業績を損害に含めることにします。

 

でもそこで問題は、修理を終えた旅館のその後の業績の悪さは、「爆発事故」のせいなのか、そうでないのか。

 

被告側の反論は、「業績が戻らないのは、営業努力のせいや天候不順のせいだ」と反論。

 

営業努力をしてきたことの立証は、これまでの営業活動のやり方を証拠とともに説明することで可能として。

 

「天候不順は関係ない」という立証に悩む一同

 

というのも、

 

「ある」ことは証明できても「ない」ことは証明できない。「ない」ことの証明は、「悪魔の証明」とも言われているのです。

 

しかし、結婚詐欺(ただし未遂)から回復した猫田弁護士のアドバイスにより、しらかぜ荘と同地域の宿泊施設の稼働率をすべて調べて、しらかぜ荘にのみ、天候不順では説明できない稼働率の悪さが発生していることを立証。

 

結果、3億円の賠償金額で和解成立となりました。

 

 

宿泊施設の稼働率をすべて調べた神宮寺法律事務所の熱意はすごいと思いますが、ただ、実際、この調査に協力してくれる旅館ばかりなのかどうか・・・。

 

また、その地域の観光組合や旅館組合である程度の情報は十分に収集できるのではないか、と個人的には思ったりしました。

 

 

でも、その熱意が、裁判官に通じたという面も、もしかしたらあるのかもしれません。

 

 

今回は法廷でのやりとりが描かれていましたが、これは実務とは結構離れている印象です。

 

まず、法廷で、その場でネット検索ということはまずありません。証拠は基本的に書面化して事前に提出しなければなりません。

 

また、法廷で、互いに初めて聞くかのような主張がなされていましたが、基本的に、裁判の進め方は、期日の前の証拠や主張を事前に書面にし相手方や裁判所に渡します。

 

なので、証拠調べなどではなく、通常の期日なら、裁判官や相手方が「初めて聞く」というような証拠や主張が出されることはあまりありません(全くないわけではないですが)

 

テレビ画面やパソコン画面を使った説明も、基本的にはありません。できるだけ書面化して事前に提出することになるので。

 

ドラマでは、よく法廷のドキドキ感を演出するために、法廷で様々な言い合いをしているシーンがありますが、実際の民事事件では、証拠調べ手続き等でない限り、そこまでのやりとりはありません。

 

なので、依頼者の方が同行された場合、驚かれる方もおられます。

 

 

証拠をみつけ、法的主張を調べ、そして主張することも大事ですが、許された方法の中で、いかに裁判所を説得するか、それも弁護士として大切な仕事だったりするのです。

 

 

次回最終回。夏目弁護士は移籍するのか・・・。咲坂弁護士との関係は?

 

最終回を楽しみにしたいと思います。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.06.08

ドラマ「グッドパートナー」第7.話を観ました ~第一回期日?本人尋問?~

ドラマグッドパートナー」第7話を観ました。

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「グッドパートナー」第7話を観ていない方はご注意ください】

アソシエイトの熱海弁護士は、同級生の島津君の父親のお葬式に参列。

そのお葬式の場で、島津君は焼香にきた人を殴って怪我をさせてしまいます。

 

 

 

島津君の家は、伊豆で温泉旅館「しらかぜ荘」を営んでいますが、そこで爆発事故が発生。原因は温泉汲み上げ施設の不備。

 

同施設の管理は、土井垣設備という会社に依頼していましたが、この会社が定期点検を怠っていたのです。

 

しかし、管理会社の刑事責任は認められず。警察は、点検をしていても事故は防げなかったと判断。

 

この事故によりしらかぜ荘が負った損害は1億4000万円に及びましたが、土井垣設備は負担せず。結果、しらがぜ荘は経営難に。過労がたった島津君の父親が倒れ、そのまま亡くなったのです。

 

そのような事情があって、島津君は焼香に来た土井垣設備の社長を殴ってしまったのです。

 

 

傷害事件に関して土井垣設備の社長の代理人として、岬&マッキンリーの岬弁護士が、熱海弁護士に連絡をしてきます。岬弁護士の提案した示談金は100万円。

 

不承不承、示談をした熱海弁護士。刑事告訴をしないという約束を条件に、ある程度の示談金を支払うことになったものと思われます。

 

 

この傷害事件をきっかけに、爆発事故が気になりだした咲坂先生。

爆発事故についてしらかぜ荘の代理人になることを決意します(やっぱり熱い弁護士なのです)。

 

実は、爆発事故の責任問題については、すでに代理人を立てて話し合っていましたが、しらかぜ荘の社長は「土井垣さんとの付き合いは長い」といって強く責任追及をしてきませんでした。

 

しかも、土井垣建設には、地元の有力者である国会議員がバッグについています。

 

そして、警察は、土井垣建設の刑事責任を認めなかった・・・。

 

そんな背景から、しらかぜ荘の代理人になっていた地元の弁護士も、強く主張をしてこなかったようです。(それが弁護士の判断としてどうなのかという問題はありますが)。

 

ただ、諦めきれない神宮寺法律事務所の一同。

 

夏目弁護士は、民法717条【土地工作物等の占有者及び所有者の責任】の責任追及を提案します。

この民法717条の規定は、一般的な不法行為責任よりも、土地の工作物の占有者や所有者の責任を重く認めるもので、特に、所有者に対しては、無過失責任、つまり過失がなくても責任を追及できる規定なので、刑事事件で「責任なし」となっている土井垣設備にも責任を追及できると考えたのです。

個人的には、同施設の所有者・占有者がだれかという点は、かなり争点になりそうな気がするのですが・・・。

 

 

熱い思いを胸に訴訟提起をした咲坂弁護士たち。

 

第一回期日を迎えます。緊張した様子の弁護士たちとしらかぜ荘のおかみさん。

 

法廷での様子を心配していた神宮寺法律事務所のみんな。事務所で待っていた咲坂弁護士に連絡をした夏目弁護士は一言「負けた」・・・。

 

 

 

うーん?どういうことなのでしょう。

 

裁判は始まったばかりと思ったのですが・・・。

 

それとも、あの法廷でのやりとりは、もうすでに期日を重ねて、本人尋問だったのでしょうか。

通常、あまり第一回期日に本人が来ることは多くありませんし、第一回期日で、相手方と面と向かってやりとりをすることもあまりありません。

 

本人が法廷にきていたということは、本人尋問だったということなのか・・・。

 

それにしても、判決言渡しはまだのはずです!

 

うーん、気になります。次回が気になります!

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

2016.05.23

ドラマ「グッドパートナー」第5話を観ました。~セクハラは、弁護士と一緒に戦いましょう~

ドラマ『グッドパートナー』第5話を観ました。

 

【ネタバレがあります。ドラマ「グッドバートナー」第5話をご覧になっていない方はご注意ください。】

顧問先の桂総合病院の依頼でセクハラについての研修を行う咲坂先生。

そこでの事務長の様子が気になります。

 

聞けば、新人ナースが、病院きってのエース医師からセクハラ被害を受けたと申告しているとのこと。

 

事務長がナースから聞き取ったセクハラの内容は、

手を握る、体を密着、「二人で温泉に行こう」いきなりキスされそうになる。

 

これはセクハラですね。

 

事務長によれば、これまでもこのようなケースは何度もあり、そして今まではナースが辞めて行ったそう。

 

 

夏目先生も加わり調査に乗り出す神宮寺法律事務所のメンバー。

 

夏目先生がさらに聞き通った被害者の話では、エース医師のセクハラはかなり深刻な程度。

 

さらに、過去に被害にあったナースたちに話を聞くうちに、このエース医師の行いをこのまま見逃すわけにはいかないと判断します。

 

しかし、セクハラ事件の難しさは、「ハラスメント」であることの証拠です。

 

セクハラの中には、パワハラと言えるものも多く含まれており、つまり、上下の圧倒的なパワーバランスの違いの下で被害が発生していることも多くあるのです。

 

そんな状況で、証拠を集めることはなかなか難しいといえます。

 

実際、一人の女性がセクハラを訴えても、周りの人が会社側、上司側についている状況の中では、その訴えを基礎づける証拠収取は難しく、そして主張を続ける気持ちもどんどん失われてしまいます。

 

結果、被害者側が辞めて、会社側としては「問題解決」としてしまうこともないわけではありません。

 

そういうセクハラ問題をなんと解決させるため夏目先生がとった行動は、一人一人のナースと話しをすること。

 

そして、夏目弁護士はナース一人一人から話を聞き、全員の退職願いを預かります。

 

結果、エース医師は、被害にあったナースに謝罪をし(謝罪といえるのか・・・)、辞職することに。

 

 

今回のドラマ、夏目弁護士の活躍がメインでしたが、個人的には、事務長のあの勇気ある声が、事件解決を導いたのだと思います。となれば、事務長にあのような勇気を与えた咲坂弁護士の活躍も、やっぱり相当なものだと思います。

 

様々な力の差の中でなされるセクシャルハラスメント。それを容認する企業側。そんな企業を相手に声を出すというのは、ただでさえセクハラ被害で悩んでいる人にとっては大きなストレスでもあるはずです。

 

だからこそ、このような案件では、弁護士は、その人の話にしっかり耳を傾き、そして最後までその人とともに歩む強い覚悟が必要です一人では、精神的にきついことだって、私たち弁護士とともにチームを作る、そうすればできることはぐっと増えるはず。

 

そう信じてこの仕事をしていたりします。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.05.16

ドラマ「グッドパートナー」第4話を観ました ~弁護士として話?人としての話?~

ドラマ『グッドパートナー』第4話を観ました。

 

今回は、少し前に実際に報道された事案を彷彿させる内容です。

 

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「グッドパートナー」第4話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

ビジネスシューズ一本で成長した鳥飼シューズ株式会社。今は、会長である父親と社長である息子が、その経営方針で揉めています。

 

息子である社長は咲坂弁護士に「会長を解任する。会社から出て行ってもらう。」と方針を説明。一方、父親である会長は、ボス弁に「自分が社長に戻る」と言います。

 

どこかの家具小売業の会社であった話に似ていますね。

 

神宮寺法律事務所は、会長が社長の時代からの顧問事務所。ボス弁は、会長との付き合いも長く、社長についても子供時代からよく知っているということで、この状況を改善させようと悩んでいます。このため、ボス弁は、「この親子を仲直りをさせろ」と咲坂先生に指示。

 

咲坂弁護士は両社の言い分を汲んだ和解案を作成しますが、会長も社長もこれを拒否。

 

ついには、社長から顧問弁護士を解任された神宮寺法律事務所。

 

それでも、やっぱり解決したい咲坂弁護士は、会長の代理人になる弁護士を神宮寺法律事務所側が用意し、会長の見方となって社長と戦うことという作戦を考えます。(神宮寺法律事務所が会長の代理人になることは、「利益相反」にあたり弁護士法で禁止されています。

 

同社の44%の株を占める個人投資家を見方につけようと、会長の記者会見を設けることにし、そのリハーサルを神宮寺事務所の全員の協力で行うことに。

 

会長が記者会見をすること、そのリハーサルをしていることを聞き付けた社長は、こっそり会場の傍で会長の話を聞きます。

 

咲坂弁護士が用意した記者からの想定問答に応える会長は、その質問に戸惑い怒りながら、ついには真意を話します。

 

「あいつ(息子)が、この会社をぶっ壊すと言った、私が血のにじむ思いをして作った会社を、簡単に壊すとは言ってほしくない」。

 

咲坂弁護士の作った想定問答は、これまで息子と話をしてこなかった会長にも責任があるのではと、会長にじりじり迫ります。

 

咲坂弁護士は、会社のために何が大切かを考えるように、そして親子として何が大切かを伝えたかったのです。

 

会場の外でこの模様を聞いていた社長も、会場に入り、会長の前で自分の本音を話します、

 

「父親のようにはできないという不安があった」。そして、「自分にも意地があったのだ」と。

 

会長の本音を知った社長は、咲坂弁護士の和解案を受け入れることにしましたが、息子の本音を知った会長は、自分が退任することを決意。

 

息子を信じ、ついに覚悟を決めたのでしょう。

 

親子だから難しいこともあります。

 

でも、そこはやっぱり話し合いによる解決しかないのかもしれませんね。

 

お互いの気持ちをきちんと話すことができれば、親子だからこそできる「仲直り」もあるはずだ、と実際にも思うことはたくさんあります。

 

 

咲坂弁護士はそこを伝えたかったのでしょうね。

 

 

咲坂弁護士は、いつも人として話をするとき、弁護士バッチを外します。あれはあれで、「何を話すのだろう」と依頼者や相手方が耳を傾けてくれるきっかけにもなるのかもしれませんね。

 

ただ、弁護士は、いつも「弁護士」という立場だけで物事を考えるわけではありません。

 

まずは「人としてこの問題をどう思うか、どう感じるのか」は大切にします。そこに法律を使って解決していく、それが弁護士の仕事だと思うのです。

 

咲坂弁護士は、だからこそこの親子喧嘩を解決したかったのだと思います。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.05.10

ドラマ「グッドパートナー」第3話を観ました。 親権者について再度協議するという条項ってあり?

ドラマ「グッドパートナー」第3話を観ました。

 

残念ながら第2話は観ることができず・・・。今回は、第3話について書かせていただきます。

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「グッドパートナー」第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

猫田弁護士の顧問先・ヒューガクラウドは、株式上場を目指していますが、最近取引先のサンデーメディアサービスが暴力団関係企業であることが発覚。

 

このままでは株式上場のための審査が通らない可能性があるため、ヒューガクラウドは、猫田弁護士に、サンデーメディアサービスとの契約を解除してほしいと依頼。

 

ヒューガクラウドとサンデーメディアサービスとの間の契約書には、「反社会的勢力排除の条項」があり、仮に、一方当事者が反社会的勢力と関係があることが明らかとなれば、同契約は解除できる旨の定めがありますが、

 

問題はサンデーメディアサービスが暴力団関係企業であることを立証できるのかどうか。

 

最近は各種契約書にこの「反社会的勢力排除の条項」を入れることが多くなりました。当事務所でご依頼により作成させていただく契約書にも入れるようにしています。賃貸借契約書等にも定められているケースが多く、よくみかける条項になりつつあります。

 

さて、困った猫田弁護士は、咲坂弁護士に応援を要請。といえども、咲坂弁護士がそう簡単に引き受けないことを知っている猫田弁護士は、咲坂弁護士が自分の子ども・みずきちゃんの親権問題で危機感を抱いていることを利用し、「家庭裁判所調査官をやっていた知り合いを紹介する」と約束して、咲坂弁護士の協力を獲得します。

 

 

少し話が逸れますが、咲坂弁護士と夏目弁護士は、離婚の際に、みずきちゃんの小学校卒業時に再度親権者について協議する約束をしていたそうです。

 

 

この約束、個人的にはかなり驚いてしまいました。咲坂弁護士たちのこの取り決めは、余程、相手に対して信頼を抱いていないとできないことです。

 

実際、仮に咲坂弁護士たちのような定めをしていたとしても、もし子ども小学校卒業時に、一方当事者から協議を求めても、現親権者がこれに応じなければ、戸籍上、親権者は現親権者のままとなります。

 

これを変更させようとすれば、裁判所に対して親権者変更の申立をすることになるでしょうが、これも「当事者間では小学校卒業時に再度協議するという約束があった」と主張するだけでは、裁判所は親権者変更を認めないのではないでしょうか。

 

あくまでも「協議する」だけの約束であって、親権者を変更する約束でもないですし、一度決まった親権者を変更させるのは、容易なことではないことが多いのです。

 

離婚当時も人として信頼できる相手であっても、離婚後のそれぞれの環境の変化とともに、離婚後の「協議」の約束が守られなくなるケースはあったりします。

 

咲坂弁護士と夏目弁護士は、離婚するときでさえ良好な関係であり、それぞれを信頼していたということの表れではないかと思うのです。一緒の職場で働き続けることができるわけですね。

 

(とはいえ、実務で、いくら相手を信頼していても、咲坂弁護士たちのような取り決めはお勧めできません

 

さて、話をドラマに戻します。

 

猫田弁護士らは、ヒューガクラウドの「経営判断」を理由に、サンデーメディアサービスに解約の申し入れを行いますが、相手は応じません。

 

咲坂弁護士が、10年前の雑誌の記事を示して同社が暴力団関係企業であると主張しますが、サンデーメディアサービス側はこれを明確には認めません。

 

そんな中、神宮寺法律事務所に、みずきちゃんを隠し撮りした写真が送られてきました。サンデーメディアサービス側からの嫌がらせと思われるその写真。

 

神宮寺法律事務所一同は、頭を抱えます。

 

そんな状況で、咲坂弁護士が考えた一手は、ボス弁の一言にヒントを得たもの。

 

咲坂弁護士は、顧問会社に「ネットショッピング事業」から撤退を提案するのです。

 

サンデーメディアサービスは、ヒューガクラウドのネットショッピングに関する映像等を作成する業務を請け負っていたため、同事業からの撤退は、すなわちサンデーメディアサービスの仕事がなくなることを示します。ネットショッピング事業からの収益が25%を占める同社では、まさに痛みを伴うものですが・・・

 

「清廉な会社」こそが大事だ、収益はこれからでも目指していけるという咲坂弁護士の話に、ヒューガクラウドの社長は決心。

 

覚悟を決めたこの解約申入れに対して、サンデーメディアサービス側も「今後はヒューガクラウドからは利益は見込めない」と判断し、解約申入れに応じることに。

 

無事解決となりました。

 

 

 

それにしても、みずきちゃんと食事をした夏目弁護士が、みずきちゃんが眠り、咲坂弁護士が帰宅した後、咲坂家から帰るシーン。なんだかとても切なかったです。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18島根ビル3階

06-6364-7778

 

 

2016.05.02

ドラマ「99.9%」を観ました。

ドラマ99.9%」第3話を観ました。

 

興味はあったのですが、なかなか観る機会がなく、ようやく3話にしてこのブログで触れることができます。

 

ネタバレがあります。まだドラマ「99.9%」第3話を観ていない人はご注意ください。】

 

 

今回の事件は、窃盗

吉田さんという女性が、勤務している会社の金庫から1000万円を盗んだという容疑で起訴されました。吉田さんの幼いころに離れ離れになった末期がんを患う母が、娘のために弁護を依頼。

 

まず事件の概要を整理しましょう。

 

①会社の金庫の暗証番号を知っていたのは、社長、専務そして経理をしていた吉田さん。金庫の暗証番号は社長がひと月に1回変更をします。変更した暗証番号を他の二人に知らせる際は、メモに4けたの数字を二つ書き、そのメモを他の二人に見せます。二つの数字を足したものが暗証番号となります。

 

②社長は大阪へ、専務は栃木へ出張に行く日、金庫にはお金(1000万円)がありました。

 

③社長と専務が出張から帰った翌朝、社長が金庫を開けたところ、金庫にお金がないことが発覚。事件発覚。

 

この状況で、警察、検察官が吉田さんを犯人と考えた根拠は以下のものだと思われます。

 

㋐金庫を開けられる3人のうち、吉田さん以外は出張に行っており、社長と専務が不在の間に金庫を開けられたのは吉田さんのみであること。

 

㋑吉田さんの鞄から1000万円が入っていた封筒が、自宅からは現金1000万円がみつかったこと。

 

㋒吉田さんの給与は月18万円程度であり、1000万円を貯めることは困難であると思われること。

 

 

状況的には、厳しいところですが・・・。

 

深山弁護士の調査で、吉田さんが2年ほど前から風俗の仕事をしていたこと、吉田さんがお金を貯めていたのは、お母さんと住む家を買いたかったからということが分かります。

 

これで、吉田さんが犯人ではと疑われる上述の㋒と、㋑のうち吉田さんの自宅に1000万円があった理由を潰すことができます。

 

また、深山弁護士は、被害者である会社に行き、金庫を実際に見たり、社長たちから話を聞くことができました。(これは、実際はなかなか難しいところですが。)そこで、先ほど記載した①の事実が分かります。

 

この時、社長から、金庫の暗証番号がかかれたメモを受け取ることもできました(実務であれば、検察側がすでに預かっている証拠だと思うのですが、なぜかまだ社長が持っていましたね)。

 

 

そんな中、吉田さんは、母親に会いたいという理由で、本来はやっていない罪を認めて早く外に出ることを希望します。

 

罪を認めて保釈をするか? 無罪を主張するか?非常に難しい選択となります。

 

しかし、果して罪を認めたら本当に早く外に出ることができるのか?やっていない罪を背負うことが果して本当に依頼者の利益になるのか?

 

依頼者の中には、裁判手続きやその後の影響など、初めて経験することばかりのなかでじっくり考えられない方ももちろんおられるはずです。弁護士だからこそ、色々な視点で考えること、説明できることがあると思うのです。それらをできる限りじっくり説明をすることも弁護人の仕事なのではないか、そう思うのです。

 

所長の言葉。さすが重みがありましたね。

 

迷った立花弁護士ですが、しっかり吉田さんに説明をし、そして公判では無罪を主張することに。

 

公判では、暗証番号を記載した社長のメモに書かれた数字には癖があり、社長以外の人は、実際には事件当時の暗証番号を分かっていなかったこと、社長が1000万円を使用したものと思われることを裁判官に印象づけることができました。

また、社長は、実際には出張に行っていなかったこと(つまり、事件当時金庫を開錠できたこと)も明らかとなります。

 

これで、吉田さんが疑われた理由の㋐を潰すこともできたのではないでしょうか。

 

判決言渡し日、吉田さんは見事無罪となりました。

 

判決言い渡し後、すぐに母親が入院している病院にかけつけた吉田さん。無事、親子の再会を果たすこともできました。

 

個人的には、「もう少し早く保釈請求できなかったのか?」「社長の証人尋問が終わった後に保釈請求をすれば、認められたのではないのかな?」なんて気になってしまいましたが、

 

吉田さんとお母さんが再会できたので、本当に良かったですね。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2016.04.25

ドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」第1話 ~弁護士費用の定めた方~

ドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」第1話を観ました。

 

 

今回は、弁護士が主役のドラマが2作(私の知る限りですが)あり、できたらこのブログでも取り上げたいなと思っていました。

 

もう1作の刑事弁護を取り上げたドラマについても機会があれば取り上げたいと思っておりますが、

 

まずは、「グッドパートナー 無敵の弁護士」を。

 

 

ドラマを見てみると、弁護士の咲坂さんと同じく弁護士の夏目さんは、同じ事務所で働くライバル関係。そして、どうやら元夫婦。二人の間には一人娘がおり、今は父親の咲坂弁護士と暮らしています。

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「グッドパートナー 無敵の弁護士」第1話を観ていない方はご注意ください。】

 

 

 

さて、企業法務としてバリバリ仕事をこなしている(?)様子の神宮寺法律事務所の一同。どうやら企業法務専門の弁護士は「クールさ」も必要なようです(笑)。

 

 

さて、そんな中、咲坂弁護士に、著作権侵害を理由に1億円の損害賠償請求をされた小規模デザイン事務所からの依頼が。

 

 

契約書などを確認すれば勝つ見込みは低そうな様子ですが、咲坂弁護士は、和解を目指さず、請求棄却を全力で目指します。

 

 

確かに、請求金額1億円の事件で和解を目指したところで、賠償金額を「0円」に近づけるのは現実的ではありません。依頼者の現状を考えれば、「請求棄却」を目指すということになるのかなと思います。

 

が、証拠関係としては「勝ち目」がなさそうな様子(このあたり、ドラマでは証拠の照合があまりなかったので、実際のところどうなのかの判断は難しいところですが)。

 

 

そこで、思いついた咲坂弁護士。

 

 

大企業の原告側の代理人が大規模大手事務所であることを逆手にとり、原告側の弁護士費用が高額になるよう、訴訟の長期化、複雑化を目指したのです。

 

 

弁護士費用の算定の仕方として、①着手金、報酬金を明確に定める方法と、②タイムチャージ制といって、1時間●万円等と定め、弁護士が業務をするのにかかった時間分の請求をする方法があります。

 

 

①と②のどちらにするのかは、事前に弁護士と依頼者の方との間で取り決めをすることになるのですが、ドラマの原告側代理人はこの②の方法を取っていたのです。

 

 

咲坂弁護士からの相次ぐ反訴。反訴がある以上、原告代理人も対応は必要となります。自然と弁護士費用はどんどん掛かってしまいます。

 

 

咲坂弁護士はそこを狙ったのです。

 

 

それにしても、原告側の弁護士費用、すごく高額になっていましたね。

 

 

しかし、実際のところ、あそこまで費用がかかるかどうかとなると微妙なところではないでしょうか。

 

あそこまで高額になるのであれば、弁護士と依頼者との間で弁護士費用について再協議の場が設けられるのが普通ではないかと思うのです。

 

 

それから、もう1点、気になることが。

 

反訴を提起すれば裁判所に納める費用が掛かります。被告側の会社の現状を知った以上、できるだけ負担を軽くしたいと思うのですが、裁判所に納める印紙代が積み重なると、被告側にもじりじりと負担がのしかかるのでは・・・。

 

個人的にはこの点も気になったりしました。

 

 

とはいえ、ドラマの結末は、「全面勝訴」(判決ではないのですが、内容としては作戦通り)。

 

 

咲坂弁護士の熱いハートも見ることができましたし、すっきりとした結末でしたね。

 

 

 

元夫婦の会話の中には時折、元夫婦ならではの不平不満なども描かれており、夫婦もののドラマという要素も見受けられました。

 

 

次回を楽しみにしたいと思います。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2016.03.30

ドラマ「マネーの天使」最終話を観ました。 ~訴えの取り下げに同意すべきか否か~

ドラマ「マネーの天使」最終話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」最終話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

次々相談者が訪ねてきているメキシコ料理店。そして竹内さんの就職も決まったようで、新しい局面を迎えている面々。

 

 

ただ、竹内さんが就職した会社は、「超」が付くほどのブラック企業の様子。その原因は、竹内さんが所属する部署の部長にあります。

 

 

部長の、他の社員に対する理不尽な言動を見逃せなかった竹内さん。ついに部長に意見を言い、部長からクビの宣告を受けます。

 

 

竹内さんは、円さんのアドバイスを得て出社を継続し、正式に「クビ」とはならなかったものの、部長からの嫌がらせを受けてしまいます。

 

 

一方、メキシコ料理店店長は、相談者から「お礼」といってお金を受け取ってしまい(店長が請求したわけではないのですが・・・)、そのことで殿村弁護士から非弁行為を主張されてしまいます。

 

 

そんな中、竹内さんは、会社から2500万円もの損害賠償請求訴訟を提起されてしまいます。請求の原因は、竹内さんが取引先に暴言を吐いたため会社の重要な商談が潰れ、会社に損害が生じたという内容。

 

もちろん、この請求の原因は虚偽の内容ですが、部長は、竹内さんに会社を辞めさせる目的でこの訴訟を提起したのです。

 

 

非弁行為を言われている店長には相談できない竹内さん。裁判手続きを弁護士に依頼する経済的負担を思うと、弁護士にも相談できず悩みます。

 

 

そんな時、みんなから「すがさん」と呼ばれている男性が「訴訟は本人でもできる」とアドバイスしてくれ、竹内さんは、そのアドバイスに従って本人訴訟を行うことにします。

 

 

とはいえ、相手は会社。竹内さんに有利な証言をしてくれる人はみつかりません。

 

 

そして会社側から請求された証人は、竹内さんの直属の上司。実は、この上司を庇って竹内さんは部長から「クビ」と言われてしまったのですが、上司は、会社に有利な証言を始めます・・・まさに「万事休す」の竹内さん。

 

 

ところが、上司は突然証言を翻し、これまでの部長の悪行を法廷で証言します。

 

 

実は、この上司、竹内さんや店長の言葉、そして「すがさん」の背中を押す一言で、法廷で真実を話す決心をしたのでした。

 

 

(後に発覚するのですが、この「すがさん」こそが円さんのお父さんなのでした!)

 

 

訴訟は、当然、急展開を見せます。

 

 

と、ここで突然ですが、実務のお話を

 

ドラマでは、円さんが「裁判長は原告に取り下げを促すでしょう」と発言しており、店長らは「これで大丈夫」と思ったことでしょうが、

 

 

私だったら、原告の訴えの取り下げには同意せず、原告の請求を棄却する判決を求めるかなと思います。

 

訴えが取り下げられれば、上司の証言も記録に残らない可能性があります。それよりは、今後のために、上司の証言を記録に残し、そして、理由がきちんと書かれた判決を受け取る方法を選びます。

 

原告の請求を棄却する判決が出てそれが確定すれば、もう同じ事実関係を主張した訴訟を起こされることはないでしょうし、詳細が判決書に記載されるわけではないとしても、今回の裁判が起こされた背景や部長の言動がある程度判決書に書かれれば、今後のためにもなるかもしれません。

 

ドラマでは、訴訟の手続きがある程度進んでいたので、訴えの取り下げは、被告の同意がなければできません(民事訴訟法261条2項)。

 

なので、私だったら、仮に原告が訴えを取り下げたいと言ってきても、同意はしないだろうなと思いました。

 

 

ともあれ、ドラマでは、部長が降格処分を受け、竹内さんや上司も仕事に励んでいるということなので、良かったですね。

 

 

店長の「非弁行為」についても、殿村弁護士の守秘義務違反発覚で、ひとまず「手打ち」となりました。

 

店長が困っている人の相談に引き続きのれるようになったのは良かったですが、ただ、非弁行為には注意してくださいね。

 

そしてなにより殿村弁護士! 守秘義務違反はだめですよ!

 

 

このドラマがこれで最終回となります。このドラマを通して、法律に少しでもおもしろさを感じてくださった方がおられればうれしいです。

 

また4月からの新ドラマでも弁護士ものがいくつかあるようです。このブログでもご紹介できればと思っています。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

 

2016.03.29

ドラマ「グッドパートナー」が始まります。

 2016年4月21日(木)21時からドラマ「グッドパートナー」

 

というドラマが始まるようです。

 

企業法務専門の法律事務所のドラマだそうです。

 

企業法務専門の弁護士は、企業法務は、企業に関する紛争解決や、危機管理、M&A等の

 

法律実務を扱い、ビジネス弁護士と呼ばれることもあります。

 

ドラマでは、元夫婦の弁護士が同じ事務所で、最強のパートナーとして

 

様々なドラマを繰り広げるようです。

 

刑事事件や離婚、金銭の貸し借り等の一般民事

 

事件を扱うドラマや映画はたくさんありますが、

 

今回のドラマのテーマは、珍しいと思います。

 

 

どのようなドラマになるのか、今から楽しみです。

 

 

*************

りんどう法律事務所

06-6364-7778

*************

2016.03.23

ドラマ「マネーの天使」第11話を観ました~労基署に相談できない場合~

ドラマ「マネーの天使」第11話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第11話を観ていない方はご注意ください。】

 

 

お笑い芸人のガルシアさんが、以前店長たちにお世話になったコンビ「サプライズ」さんに紹介されて、メキシコ料理店を訪れます。

 

店長、良かったですね。以前の依頼者から紹介していただけるというのは、この仕事をしていてすごくうれしいことです。

 

弁護士として依頼者と一緒に事件に取り組んでいるつもりですが、それでも一人よがりになっていないかなど不安になることもあります。

 

 

なので、以前の依頼者が、お悩みの方に当事務所を紹介してくださったりすると、なんか気持ちが通じ合ったみたいですごくうれしいです。しかも、その以前の依頼者の方とお話しし近況を教えていただければ、これほどうれしいことはありません。

 

 

 

ドラマに話を戻すと、聞けば、ガルシアさん、コンクールに優勝をし賞金10万円をもらったのに、所属事務所の社長は一銭も渡してくれないとのこと。その上、後輩の芸人よりも、ギャラが安いことも発覚。

 

労働基準監督署(労基署)に相談するも、ガルシアさんは「労働者」ではなく、所属事務所とマネージメント契約をしているだけだから、労基署の管轄外と言われてしまいます。

 

 

そこで、メキシコ料理店に相談にきたのでした。

 

 

所属事務所の社長は、外に対しては「自分は若手に優しい事務所。取り分は芸人が7割、会社は3割」と言っていたにもかかわらず、実態はそうではありません。

 

ガルシアさんは会社との間で契約書も作っていないそうで、その社長の発言を立証することはできません。

 

そこで考えた店長。所属事務所のオーディションを受けることにします。

 

問題は誰がオーディションを受けるか?ということになりますが、

 

竹内さんと・・・なぜか殿村弁護士。(殿村弁護士、引き受けたのですね!)

 

でもこの作成は失敗(当然ですが。笑)。

 

 

諦めたガルシアさんですが、後輩芸人で人気急上昇中の「アルミニウム・ゴーゴー」というコンビも社長のやり方に不満がある様子。その後輩らを助けてほしいと再度店長に相談にきます。

 

 

そこで円さんが作戦を思いつきます。

 

 

それは、アルミニウム・ゴーゴーの取材を利用して、社長の真の姿を公に晒すというものです。

 

 

円さんの読み通り、社長はカメラがあるとは知らずに社員に自分の横暴ぶりを得意げに話します。

 

 

これをきっかけに、事務所の社長が交代。

 

芸人さんの待遇が随分良くなったようでした。

 

 

 

 

 

今回は、法律とはほとんど関係のないお話しでしたね。

 

殿村弁護士との事件についての直接対決もなかったですし(笑)。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

 

2016.03.16

ドラマ「マネーの天使」第10話を観ました。~エステ、解約できますか?~

ドラマ「マネーの天使」第10話を見ました。

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第10話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

友人に連れられてメキシコ料理店を訪れた咲良さん。

 

話を聞けば、1か月前から通い始めたエステに行くたびに何かしらの商品を交わされ、困っているとのこと。

 

 

エステティックなどは、1か月を超える契約で金額が5万円を超える場合には「特定継続的役務」と指定され、特定商取引法の規制対象となります。

 

そして、特定商取引法48条により、法律で決められた書面を受けとってから8日以内であれば、書面により契約の解除をすることができます(これをクーリング・オフといいます)。

 

ところが、円さんが確認したところ、すでに1か月が経過しており、クーリング・オフを使うことはできません。

 

そこで、特定商取引法49条により、中途解約をすることにした店長たち。

 

 

クーリング・オフと中途解約の関係、皆さま、ドラマを見ていて分かりましたでしょうか。

 

 

ここで出てきた、クーリング・オフは「解除」ですが、中途解約はあくまでも「解約」です。

 

解除と解約は法律的には異なります

 

解除は原則として、「はじめから契約はなかったもの」となりますが、解約は「今後の分を解約する」というイメージです。

 

ですので、中途解約の場合は、クーリング・オフと異なり、業者側は、既に提供された役務の対価や損害賠償を消費者に請求できることとなります。

 

とはいえ、損害賠償として、たとえば一括で支払っている代金の返還を拒まれては中途解約の意味がありません。

 

このため、特定商取引法49条は、中途解約された業者側が、消費者に対して解約により請求し得る損賠賠償請求の金額の上限を定めることにより、消費者を保護しています。

 

たとえば、エステの場合、役務提供開始前であれば、損害賠償額の上限が2万円ですので、2万円を超える部分でエステ側がすでに受け取った金員があれば、それは消費者に返還する必要があります。

 

 

この中途解約を行い、未使用商品の代金の返還を受けようと考える店長たち。

 

 

ところが、エステ側の責任者は「商品については、エステとは関係のない商品だから、中途解約の対象とならない」と主張。

 

 

これに咲良さんが異論を唱えます。「これを使えば絶対痩せると言ったのに、全然痩せない。それでも解約できないっておかしくないですか」と。

 

 

ここで慌てるエステの責任者。「絶対痩せるなどとは言わないはずですが」。

 

 

特定商取引法9条の3は、不実のことを告げた勧誘を受けた、消費者がその内容を事実であると誤認し契約申し込みをした時、申込みの意思表示を取消すことができると定めています。

 

 

もし、エステ側が「絶対にこの商品を使って痩せる」などと述べて、咲良さんを勧誘し商品を購入させたのであれば、この9条の3に該当し、契約を取り消せることとなるのです。

 

 

エステシャンのこの発言を否定する責任者。

 

後日、咲良さんは、エステシャンの発言を録音したデータを示し、店側に責任追及。

 

エステの責任者は、驚き、咲良さんの主張をすべて認め、お詫びとして残りの商品をすべて無料で咲良さんに残していきます。

 

これで一件落着・・・。

 

 

かと思えば、実は、咲良さんは、録音データを編集する手口で、他のエステにもクレームをつけていたことが発覚。

 

咲良さんのこのような行為は、「証拠の偽造」であり完全な不法行為です。場合によっては詐欺罪を構成することにもなります。

 

店長らは責任を感じて、咲良さんを反省させるべく奮闘します。

 

円さんのアイデアで事実を認めた咲良さんは、きちんとエステ側に謝罪をし、なんとか事件化することはなかったようです。

 

謝罪が真摯なものであったためかエステ側の理解も得られたようですし、結果的には良かったと言えるかもしれませんが、実務で、もしこんなことがあれば一大事です。

 

個人的にはドラマを見ていてヒヤヒヤしました。

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.03.08

ドラマ「贖罪の奏鳴曲」を観ました。

 「贖罪の奏鳴曲」というドラマを観ました。

 

三上博さん演じる御子柴礼司弁護士は、刑事事件で、

どのような事件でも執行猶予を勝ち取るという凄腕弁護士ですが、御子柴弁護士は、過去にある罪を犯しています。

 

 

御子柴弁護士は、保険金殺人事件、しかも上告審からの国選弁護人を自ら進んで

受任することになります。

 

事件は、町工場の経営者の妻が、多額の保険金欲しさに入院中の夫の人口呼吸器のスイッチを切って

殺してしまったのではないかという事件で、

一審、二審では、無期懲役の判決でした。

 

ネタバレがありますので、ご覧になっていない方は、ご注意ください。

 

ストーリは、裁判の行方もどうなるのか、注目ですが、なぜ、御子柴弁護士が、

保険金殺人事件に興味を持ち、自ら進んで弁護人に就任したのか、そして、裁判中に起こった

殺人事件の犯人は誰かという謎が解明される流れになっています。

 

 

不敗の弁護士といえば、リーガルハイの古美門弁護士のドラマがありますが、

このドラマは、ギャグは、全くありません。

弁護人としての活動は、お見事でした。

 

また、三上博さんの演技力でしょうが、当初、想定していた御子柴弁護士の

キャラクターは、最後によい意味で裏切られた感じがしました。

 

4話ありますが、話の展開がはやく、一気に観ることが出来るほど、

良いドラマでした。

 

**************

りんどう法律事務所

06-6364-7778

**************

2016.03.07

ドラマ「マネーの天使」第9話を観ました ~ すごく身近な相続トラブル! ~

ドラマ「マネーの天使」第9話を観ました。

 

今回は、遺産相続トラブル。そうです。またまた、当事務所が積極的に取り組んでいる親族法分野・相続です。

 

【ネタバレがあります。ドラマ「マネーの天使」第9話をまだご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

父親が営むお好み焼き屋を手伝う次女・百合さん。父親のお好み焼き屋に愛情を注いでおり、父親との生活に充実感も持っていました。

 

そんな中、父親が急死。

 

 

父親の相続人として、長女・茜さん、百合さん、三女・えりかさんがいますが、えりかさんは長年所在不明の状態。

 

茜さんは、父親の住まい兼店舗であった不動産を売って、預貯金と不動産の売買代金を全てみんなで等分分割をしようと提案。

 

しかし、百合さんは、父親が守ってきた店を続け、思い出の詰まった自宅を残すことを希望。

 

 

でも子供の教育費のために現金が欲しい茜さんは、殿村弁護士のアソシエイト・郷原弁護士を頼ります。

 

 

郷原弁護士は、所在不明な三女・えりかさんについては、失踪宣告の申立をし、その上で長女と次女で等分分割をすることを提案。

 

余談ですが、この郷原弁護士の提案に、少なからず驚いてしまいました。

 

失踪宣告は、「不在者の生死が7年間明らかでないとき」に、利害関係人の請求により、家庭裁判所が宣告をすることができます(民法30条1項)。

 

ただの所在不明ではなく「生死が7年間不明」の時に行われるものです。家族としては、三女・えりかさんはどこかで元気に過ごしていると思っていたわけで、そんなところでいきなり「失踪宣告」というのは、少し違うような・・・。

 

所在不明な人と遺産分割をすることも決して不可能ではありません。家庭裁判所に審判を申し立て、分割をすることも可能です(分割方法が少し不自由な形になるかもしれませんが)。

 

なので、私だったら、まずは、家庭裁判所に遺産分割の審判を申立てることを考えるかなと思いました。

 

 

さて、ドラマに話を戻すと、今回は、分割方法について少し説明されていましたね。

 

分割の方法として、

 

①すべての遺産を現金化して現金を分割する方法

②不動産等は、共有状態として分割する方法

③だれかが不動産を取得し、不動産を取得する人が代償金を支払う方法

 

があります。

 

ただ、殿村弁護士の説明通り、②の共有分割は実務でもあまり推奨されておりません。裁判所も「乗り気の案ではない」という姿勢です。

 

一つの不動産を、遺産分割で話し合いがつかないからひとまず共有とするのは、結局「紛争を後回しにした」ことになります。なので、あまり②の方法は採用されていません。

 

残る①と③の選択については、相続人たちの希望によることになります。③の場合は、代償金の金額や支払い方法(一括払いか分割払いか)などでもめることもあり、①の方法が一番問題が発生しにくいかもしれません。

 

 

ドラマでは、③を主張する長女と郷原弁護士。

 

しかし、多額の代償金を用意できない次女。店長は、「寄与分を考慮すべき」と主張します。

 

寄与分については、民法904条の2に定めがあります。

「共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は・・・その他の方法により、被相続人の財産の維持又は増加について特別の寄与をした者があるときは」、

 

「被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から共同相続人の協議で定めたその者の寄与分を控除したものを相続財産とみなし」

 

「相続分に寄与分を加えた額をもってその者の相続分とする」。

 

つまり、例えば、3000万円の遺産のうち、300万円程度の寄与が次女に認められれば、3000万円から300万円を控除した金額(2700万円)を相続人(ドラマでは3人)で分けて(法定相続分であれば、一人当たり900万円)、分けた金額(900万円)に300万円を加えた金額が次女の相続分となることになります。

 

 

でも、この「寄与分」の主張はなかなか実務でも難しいところです。

 

 

ドラマでも、次女の労務によりお好み屋の継続に貢献したかもしれませんが、一方で次女の生活費の一切を父親が賄っていたとすれば、次女の寄与分がどの程度認められるのかは微妙なところです。

 

 

郷原弁護士の勢いに押されてしまいそうな店長。

 

そこに三女・えりかさんが登場。えりかさんは、お父さんの遺言書を持っていました。そこには「遺産はえりかに託す」との記載が・・・。

 

 

一同騒然としますが、その遺言書には、お父さんの三姉妹への暖かな父親ならではの想いが溢れていました。

 

 

その父親の想いを知った三姉妹。

 

長女は、不動産を次女に譲ることとし、次女と三女は、父親が三姉妹それぞれを受取人にしていた生命保険金を長女に渡すことにしました。

 

三姉妹が仲直りしてよかったです。

 

 

 

でも、最後に一言!

 

生命保険金は「遺産」とはならないため、受取人に指定されている人がそれぞれ受け取る権利を有することになります。

 

その生命保険金を、次女が長女にあげることについては、「代償金の支払い」ということで理由がありますが、

 

三女が長女にあげることについては、法的根拠は「贈与」となります。となると、贈与税が発生してしまいます。

 

贈与税って結構高いので、実務ではそこのところが気になります。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

2016.03.02

ドラマ「マネーの天使」第8話を観ました。~「日常家事債務」で夫も責任を負う?~

ドラマ「マネーの天使」第8話を観ました。

 

 

今回は「離婚問題」(ドラマの後半で、「離婚問題」と言っていいのか微妙になりましたが)。

 

 

当事務所の重点取り扱い分野の一つである離婚、夫婦問題ですので、今回も気合をいれてドラマを拝見いたしました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第8話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

1年半前に結婚した魚住さん。美人の奥さん・町子さんにメロメロです。

 

 

しかし、そんな魚住さんにも悩みが。町子さんの浪費です。

 

 

結婚前には1000万円以上あった魚住さんの貯蓄が、結婚後、家計の管理を町子さんに任せたところほとんど無くなっていることが発覚。

 

 

浪費について注意を試みる魚住さんですが、町子さんは「私を責める前に自分の収入を反省して」と言ってきます。

 

 

悩む魚住さんは、店長のアドバイスで、町子さんがこれまで使った金額を調べようと町子の部屋に入ります。

そしてそこで見つけたのは、魚住さん名義でローンを使って車を購入し、すぐにそれを売却した書類。どうやら町子さんは、ローンで車を購入しておきながら(つまり車の購入費用は直ちに支払っているわけではない)、その車を売却し売却代金を得た様子。しかも車のローンの債務者は、魚住さんになっています。

 

 

慌てる魚住さん。記憶喚起をしてみれば、確かに(町子さんに騙されたものの)ローンの契約書や売買契約書等に自分の署名をした記憶はあるとのこと。

 

店長さんは、それは「日常家事債務」ではないから、魚住さんが支払う必要はないと言いますが・・・。

 

 

この「日常家事債務」について定める民法761条は、

「夫婦の一方が日常の家事に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯してその責任を負う」と定めています。

 

この民法761条により、例えば、妻が「日常の家事」に関する買い物をしたとき、その代金の支払い義務を夫も負うことになるのです。

 

 

でも、逆に「日常の家事に関する」債務の負担でなければ、夫婦が他方の行った法律行為に責任を負う必要はありません。

 

 

どれが「日常の家事に関すること」かそうでないかは、当該の夫婦の経済事情やこれまでの状況などを参考にするとともに、客観的にその法律行為の種類、性質等も考慮して判断されると言われていますが、一般的には、不動産や車の購入等は「日常の家事に関する」もの判断される可能性は低いと言えます。

 

 

なので、もし仮に妻が勝手に妻名義でローンを組んで車を買ったりしても、それは「夫である自分が責任を負うことではない」と言ってしまうことは可能ですが、

 

 

しかし、町子さんは、魚住さん名義で色々と契約。浪費も、魚住さん名義のカードを使用。

 

なので債務者は全て魚住さんなのです。債権者との関係で「自分は知らない」と言うことはできません。

 

 

困っているところに、町子さんから離婚の申し出が。慰謝料請求までされてしまいます。

 

 

ただ、店長さんたちが色々調べたところ、町子さんは短期間に3回離婚をしていることが発覚。さらには、町子さんは前夫たちのお金をとり、マンションまで購入していたことが発覚(店長さんたちの相変わらずの調査力、感服です)。

 

これらがわかったところで、町子さん(及び殿村弁護士)と対峙する店長たち。

 

 

 

話し合いの席で、挙句に「夫のお金をとっても罪にならない」と開き直る町子さん。

 

 

確かに、町子さんの言うとおり、「夫のお金をとっても」刑事罰を課されることはありません。

 

正確には「罪にならない」わけでも、「犯罪にならない」わけでもなく、犯罪は成立するのですが「刑が免除」されるのです(刑法244条1項)。

 

ただ、処罰されないからと安心をしてペラペラしゃべる町子さん。しゃべり過ぎましたね。自分が過去にどんなことをして今回どうしたのかを饒舌に話す町子さんの会話を全て録音していた店長。

 

そうです。刑事事件にはならなくても、民事事件として損害賠償請求等は可能です。町子さんには不動産もあるとのこと。差押えだってできるのです。

 

 

店長、お見事でした。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.02.22

ドラマ「マネーの天使」第7話を観ました。~「大爆笑間違いなし」の芸人、笑えなければ支払不要?~

ドラマ「マネーの天使」第7話を観ました。

 

今回は、金銭相談アラカルトと言った感じでしたね。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第7話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

トラブル①

 お笑い芸人のサプライずは、イベントでネタを披露。しかし、イベント主催者は、「全くおもしろくなかった」と言ってギャラの支払いを拒否。

 サプライずが所属する事務所は小規模事務所なので、ギャラの未払いで経営が厳しい状態に。

 

 

トラブル②

 そんな中、サプライずの先輩芸人・樋口さんは、すでにコンビを解散して久しい元相方から、コンビ時代の「ギャラ折半」の約束により支払われるお金に悩み中。樋口さんにしてみれば、コンビを解散している以上、元相方のギャラの半分を受け取る権利もなく、むしろ自分がみじめになるだけで受け取りたくないのに・・・。

 

 

トラブル③

 一方、お笑い芸人コンビのサプライずの富田さんと織田さんにも悩みが。

 

サプライずの持ちネタは、富田さんのはげネタ。でも、息子が小学生になる富田さんは、この自分のネタのせいで息子がいじめられないかが不安。はげネタを封じること希望。しかしそれを了承できない織田さんと、ついに「解散」を考えるようになる・・・。

 

 

出演者の演技がおもしろくついつい笑ってしまいましたが、どれも立派なトラブルです。

 

しかし、トラブル①については、イベント主催者の言い分は法律的に無理があります。イベント主催者の代理人・殿村弁護士は「大爆笑間違いなしと言っていたのに、大爆笑はなかった。だから契約は取り消せる」と言っていましたが、取消事由はなんなのでしょうか?

 

 

「大爆笑間違いなし」といって出演の契約を取ったのであれば、場合によっては「詐欺」とかになったりするのかしら、と思ったりもしますが、事務所社長が「大爆笑間違いなしです」と言ったのは、出演予定確認のためにイベント主催者がかけてきた電話に対してです。なので、詐欺取消は難しそう。

 

イベントの出演契約は、基本的に、「出演をする」ことが債務であり、「大爆笑させる」ということが債務ではありません。なので、債務不履行ともならないですし・・・。

 

 

殿村弁護士は、顧問弁護士としてあらゆるところでご活躍のようですが、しかし、ちょっと毎回主張が厳しい内容のような・・・。(まあ、ドラマの話なんですが。笑)

 

 

結局、トラブル①は、お笑い好きのイベント会社の会長が登場。社長の無理やりな主張を一刀両断。無事解決。

 

 

トラブル②については、法律トラブルというよりは、お互いがお互いを気にし過ぎて話し合いをきちんとできなかったからこそのトラブルといった感じでしたね。樋口さん、きちんと思いを伝えることができて良かったです。

 

 

トラブル③については、一般的に、人を中傷するような発言の繰り返しは、慰謝料請求事由となり得ます。ただ、お笑いコンビの場合には、もちろん事情は異なると思います。それをネタにしようと二人で考えて発言し続けてきたものに「慰謝料を請求する」というのは難しいでしょう。

 

ただ、富田さんは「もうネタにしないでくれ」と要望をしていたのに、それでも執拗にネタにし続けるというようなことがあれば、その対応によってはなんらかの慰謝料事由は発生するのかもしれません。その態様や回数などが争点となる気がします。(もっとも、円さんの言うように、慰謝料の金額は「数万円」程度か、もしくは数千円程度の可能性があります。)

 

 

こちらの問題は、コンビでしっかり話し合い問題は解決。一安心。

 

 

話し合いができるのであれば、話し合いをとことんする。これって大切なことなんでしょうね。

 

 

メキシコ料理店のみなさん、お疲れ様でした。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.02.17

ドラマ「マネーの天使」第6話を観ました ~「養育費を請求しません」という約束はできるの?~

ドラマ「マネーの天使」第6話を観ました。

 

今回は養育費に関するトラブル

 

離婚案件を積極的に扱っている当事務所なので、今回はいつも以上に気合を入れて観させていただきました。

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「マネーの天使」第6話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

一年前に離婚をし、息子・勇樹君を育てる志織さん。パートを突然クビになってしまい、生活に困ってしまいます。

 

 

実は志織さん。離婚の際に、元夫との間で、元夫は志織さんに対して、養育費として勇樹君が二十歳になるまで毎月4万円を支払うという内容の公正証書を作成していました。

 

 

しかし、養育費が実際に支払われたのは最初の2か月だけ。

 

 

この養育費の未払いとこれからの養育費をきちんと受け取ることができれば生活もすこしは楽になるのに。

 

 

そんな中、たまたま訪れたメキシコ料理店のメニュー「金銭トラブルの相談にのります」という文言を見て、志織さんは店長に相談。

 

店長たちは「逃げ得は許さない!」と頑張りますが・・・。

 

元夫は、実業家の妻と再婚をし、妻は妊娠をしている様子。

 

元夫の現在の妻に現状を伝えお願いをしようと考えた店長。なんとか作戦は成功し現在の妻にお願いを記載した書面を渡すことができましたが、

 

妻は、その書面を見る前に入院をすることに。倒れた妻の横に落ちている書面を見つけた元夫は、妻に見せることなくその書面を自分が保管。

 

そして、(ここで登場)殿村弁護士に相談をします。

 

 

殿村弁護士は、「(現在の妻の)入院は、あなたたちのせい。あなたたちの書面が原因で入院することになった。慰謝料も請求できる」と猛攻撃。

 

殿村弁護士の主張は「こちら側は慰謝料請求ができるけど、それは控えるので、それと引換に、(志織さん側は)養育費を今後請求しないと一筆書くこと」という内容。

 

 

戸惑う志織さんと店長。

 

 

と、そこに現れたのが、(やはりこの人)まどかさん。

 

 

まどかさんと勇樹君が、現在の妻を連れてきたのです。

 

現状を知らなかった妻は、志織さんたちに謝罪。そして元夫(現在の妻にとっては夫なのですが)に離婚を突きつけます。

 

 

実業家の妻は、志織さんに未払い分の養育費の支払いを自分が責任をもって行うと説明、その上、自分の経営するネイルスクールで技術を習得することも勧めます。

 

 

随分前向きになった志織さん。良かったです。

 

 

 

あらすじはこんな感じでしたが、それでは、最後に、実務の観点からお話を。

 

まず一つ目。

 

ドラマでは、

 

殿村弁護士が、慰謝料を請求するのを控えるので、養育費を今後請求しないという書面を作成するように志織さんたちに詰め寄りました。

 

しかし、養育費の「放棄」というのは非常に問題が多いのです。

 

そもそも、養育費はだれの権利かというと、それはやはり「子ども」の権利と言えます。

 

ただ、子供は未成年者で法律的な約束もできませんし、結局、子供にかかる諸々の費用は子を養育している親権者が実際の支払いをすることになります。

 

そのため、養育費を請求する権利者は、子を実際に養育する人物(ドラマでは志織さん)ということになります。

 

 

なので、合意書面では、元夫から志織さんに対して支払う義務となっていますが、ただ、本質的には養育費は「子の権利」です。

 

そんな権利を、母親が勝手に放棄できるかというと、法律的に難しいと言えます。

 

 

なので、「養育費の放棄」については、裁判所も非常に慎重な態度をとっています。

 

 

例えば、離婚時に養育費を放棄するという合意が成立していたとしても、その後、子を養育している側が、他方に対して養育費を請求する審判を申し立てた場合、その請求は認められる可能性があるのです。

 

つまり、弁護士である以上、そう簡単に「養育費を放棄してください」とは言いません。

 

殿村弁護士がどういう考えだったのかは不明ですが、もし簡単にしか考えていないのであれば、殿村弁護士のあの発言には同じ弁護士として疑問を抱いたりもします。

 

 

そして二つ目。

 

元夫は、養育費の支払いを逃れるために、実業家の妻が経営するスポーツジムから給与を受け取っていませんでした。

 

しかし、実務では、給与を受け取っていない理由によっては、それは正当な理由とはならず、養育費の義務を免れる理由とはなりません。

 

例えば、養育費を支払いたくないがために、勤務していた会社を退職した場合。実際に退職をしていても、裁判所はそう簡単に「退職していて給与が0円だから、養育費を支払う必要はない」とは判断しません。

 

「養育費」は子供の生活費です。養育費という権利と義務について、裁判所も真摯に向き合うのです。

 

ドラマでの元夫の考えは「甘すぎ」たのではないでしょうか。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

2016.02.08

ドラマ「マネーの天使」第5話を観ました。~「悪質な訪問販売?」と思ったら毅然とした態度で!~

ドラマ「マネーの天使」第5話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第5話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

今回は、高齢者を狙った悪質商法の事案。

 

 

一人暮らしのサダさんは、訪問販売でついつい怪しげな商品を買ってしまいます。その回数も金額も多いので、一人息子夫婦や通いの家政婦も色々注意するのですが、家政婦が留守の時に限って訪問販売員はやってきて、商品をサダさんに売りつけていきます。

 

サダさんは見た感じもしっかりはしておられて、特に認知症等もなさそう。

 

 

訪問販売の中には、クーリングオフといって、申込書面や契約書面を受け取ってから8日以内であれば、一方的に(理由があるなしにかかわらず)契約を取り消すことができる場合もあります。

 

 

ドラマの中でもこのクーリングオフについて言及されていましたが、ただ、サダさんが受けた訪問販売には、商品や契約書面等に業者等の連絡先が記載されていなかったりで、クーリングオフの意思表示をしたくても、どこに意思表示をすればよいのか、そしてどこに「お金を返してください」と言っていいのかも不明な状態。

 

 

この時点で、訪問販売の業者は相当悪質な雰囲気が漂っています。

 

 

そこで、茂さんがサダさんの家で業者を監視することにしますが、そこは茂さんのこと。ついつい訪れた業者の口車に乗せられそうになってしまいます。

 

 

ドラマでは、円さんが、悪質な訪問販売業者に狙われそうな住まいをチェック

 

①高齢者の一人暮らしであることが窺われる表札

②居住者が知らないうちにつけられた落書き

 

なども改善し、知り合いが訪ねた際の合図(チャイムを連続して3回鳴らす)も確認。

 

これで、サダさんが一人の時でも、サダさんがうっかり訪問販売員に玄関を開けることはなくなった・・・はず。

 

 

でしたが、取り決めたはずの合図が鳴り、「知り合いが来た」と思ったサダさんが玄関を開けると、そこには、訪問販売員の姿が。

 

 

またも、高額商品を購入してしまうサダさん。

 

 

これらの状況を検討した円さんは、一案講じます。

 

 

その策に乗ってしまい証拠を押さえられた訪問販売員。そしてその訪問販売員と通じていたのは・・・。

 

 

サダさんに親身になっていた家政婦なのでした。

 

 

 

最後は、反省した家政婦さんが、サダさんや他の被害者たちにほぼ全額の被害弁償をするということで終わりました。

 

 

良かったですね。

 

 

ただ、

 

良かったのは確かですが、実務での本当の問題は、「被害回復」となります。

 

このドラマのように、きちんと被害金額が返ってくる場合ばかりではありません。

 

悪質な訪問販売の身元を特定できたとしても、被害回復となるとまた別の話

 

 

だからこそ、「被害に遭わない」ことがとても重要となります。

 

悪質な業者ほど、情報のやりとりをしている可能性があることもあり、一回悪質な訪問販売にひっかかると、立て続けに同様の被害を受けている事案も報告されています。

 

だからこそ、もし「あれ?この契約、本当に良かったのか?」と不安に思う点があれば、速やかに、弁護士や国民生活センターに相談をすることをご検討ください。

 

 

もし被害に遭ってしまった場合には、毅然とした姿勢で向き合うことが、次の被害を防ぐことにつながります。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2016.02.01

ドラマ「マネーの天使」第4話を観ました ~分割払いの合意には何が必要???~

ドラマ「マネーの天使」第4話を観ました。

 

 

今回は、正直、法律で解決したというものではなかったので、法律事務所のブログとして触れにくいところですが、お付き合いいただければうれしいです。

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第4話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

今回は子どもが通う幼稚園のママとの金銭トラブル。こう書くだけで、悩みは深刻であることが窺えます。

 

 

最近よく話題に上る「園ママとのトラブル」

 

 

みんな子育てや家庭のことを精一杯に頑張っているからこその悩みだとも思うのです。

大人同士だけの話であればもっとさっぱり行くものも、子どもの園生活がより楽しいものであるようにとの親心が、色々な悩みになってしまうのかもしれないな、と個人的に思うこともあります。

 

 

 

さて、ドラマの話について。

 

じゅん君ママは、同じ園のママ・りく君ママから、行事費や飲食代等の立替を頼まれ続け、その金額は20万円を超えますが、りく君ママはなかなか返してくれません。

 

相談を受けた店長は、早速解決しようと、じゅん君ママに「貸した金額を正確に把握し、りく君ママに説明をして返済を求めよう」と提案しますが、

 

 

じゅん君ママが保管していた領収書をまとめて資料を作成し、りく君ママに請求したところ、りく君ママは「こんなに借りていない、返したものもある」と主張。

 

りく君ママの否認(一部否認)を受けて、困る店長ら一同ですが、そこにりく君ママが登場。

 

りく君ママ「ごめんなさい。必ず返すわね。でも分割でいいかしら?」

じゅん君ママ「うん、うん、もちろん分割でもいいよ」

 

 

じゅん君ママは返済してもらえるということで安心しましたが、次の日、りく君ママから渡されたのは500円玉一枚。

 

りく君ママは「毎月500円ずつの分割でごめんね」と、さらりと言います。

 

困惑するじゅん君ママ。そりゃそうですよね、全額返済してもらおうとすると、400か月は超えるのですから。

 

 

りく君ママに返済の意思がないと思われても仕方のない提案と言えます。

 

 

りく君ママはじゅん君ママに「分割払いでも良い、ってあなたも言ったじゃない」と言いますが、

 

いやいや、

 

確かに分割払い自体は了承しましたが、じゅん君ママは、「月500円ずつ」という部分は了承していません。

 

法律的には、この返済方法についてはまだ両者の合意は成立していません!

分割払いの合意をきちんと成立させるためには、返済方法(例えば、毎月いくらずつ)を具体的に決めることが必要です。

 

正確に言えば、りく君ママは、場合によってはすぐにでも20万円を返さないといけない状況といえます。

 

 

 

が、そこは、なぜかスルーをして、ドラマでは、このりく君ママにどう対抗していくかを検討。

 

 

そして、店員たちの協力等もあって、りく君ママが、金銭的に困っていること、園のママ相手にしていた料理教室も、材料の産地等を偽り高額な会費を徴収していたことなどが発覚。

 

 

りく君ママは、夫の事業がうまくいっておらず、家計が厳しいことを告白。そしてじゅん君ママに謝罪。

 

 

結果的に、りく君ママは、持っていたブランド品等を売ったお金で、じゅん君ママに借りていたお金を返済したのでした。

 

 

こうやってドラマを振り返ると、

 

無事解決したのは、法律の力でもなく、もしかしたらメキシコ料理店のメンバーの力でもなく(店長、ごめんなさい。)、じゅん君ママの人柄だったのかもしれないな、なんて思ったりもしました。

 

 

 

このような金銭問題はともあれ、

 

お子さんが保育園、幼稚園、学校に通っているママさんたち、

 

子育てのこと、家庭のこと、仕事のこと、介護のこと、そのほか色々、悩みはたくさんあるかもしれませんが、今週も、ひとまず家族みんなが元気に過ごせたら、それは素敵な一週間だと思ったりします(というか、思うようにしています。笑)。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士の法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.01.26

ドラマ「マネーの天使」第3話を観ました ~「詐欺」だと契約は必ず取り消される!?~

ドラマ「天使のマネー」第3話を観ました

 

 

今回の案件は、「婚活サイト詐欺」

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「天使のマネー」第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

婚活サイトで知り合った女性から「気になるマンションのモデルルームを見に行きたい」と言われ、女性と一緒に出向くと、そこで女性から「こんなところで結婚生活を送りたい」となんとも思わせぶりな話が。

 

その女性と結婚する気満々で、マンションの売買契約を締結する男性。

 

しかし、売買契約成立後、その女性とは連絡が取れなくなる・・・。

 

 

こんな相談を受けたメキシコ料理店の店長は、竹内さんを囮(?)に調査を開始。

 

やはり同じ手口にあう竹内さん。

 

その手口とは、

 

マンション販売会社の営業マンが、自分の交際相手の女性を婚活サイトに登録させ、そこで出会った男性を女性が言葉巧みにその気にさせて、売れ残ったマンションの一室を購入させる、という方法です。

 

マンション販売会社が会社ぐるみでその手法を行っていました。

 

せっかく手口がわかった店長たちでしたが、あと少しのところでマンション販売会社を追い込むことに失敗します。

 

 

一方、マンション販売会社の営業マンは、計画が失敗したことから交際相手に別れを宣告。

 

 

交際相手である営業マンに裏切られた女性から真相の説明を受けた店長らは、詐欺の証拠を得たと考え、マンション販売会社と交渉に乗り出します。

 

 

この交渉の場には、殿村弁護士も販売会社代理人として同席。

 

 

店長らは、マンション販売会社は、結婚するつもりもない女性を使ってあたかも結婚し男性と一緒にそこで暮らすかのように欺き、男性にマンションを購入させたのだから、「詐欺にあたる」「契約を取り消す」と主張する。

 

他方、

 

販売会社側は、仮に女性の詐欺行為があったとしても、自分たちはそれを知らなかったのだから関係ないと主張。

 

 

この両者のやりとりを詳しく説明すると、

 

民法96条1項は、「詐欺」による意思表示は取り消すことができる、と定めています。

 

店長らは、女性の詐欺行為により男性はマンションを購入するという意思表示をしたのだから、この意思表示を取り消すと主張したのです。マンション購入の意思表示を取り消すことができれば、意思の合致が必要となるマンションの売買契約の効力はなくなります。

 

 

しかし、民法96条2項は、「相手方に対する意思表示について第三者が詐欺を行った場合においては、相手方がその事実を知っていた時に限り、その意思表示を取り消すことができる」と定めています。

 

 

これをもとに、殿村弁護士は、仮に女性が詐欺行為を行ったとしても、女性が勝手にしたことで、売買契約の相手方であるマンション販売会社は詐欺行為なんか知らなかったのだから、男性は意思表示を取り消すことはできない、と主張するのです。

 

つまり、民法96条2項によれば、女性の詐欺行為をマンション販売会社が知っていれば、男性は意思表示を取り消すことができるのですが、そうでない限り(マンション販売会社が女性の詐欺行為について知らなかった場合は)男性の意思表示を取り消すことはできないのです。

 

店長は、消費者契約法4条を根拠に契約の取り消しも主張します。

 

消費者契約法4条は、

 

①事業者が、事実と異なることを説明し(不実告知)、消費者がそれを事実と誤認した場合や

②事業者が、将来における変動が不確実な事項について断定的判断を説明し(断定的判断の提供)、消費者がその判断が確実であると誤認した場合、

③事業者が、消費者に利益となる事実を言い、不利益となる事実をわざと告げず(故意による不利益事実の不告知)、消費者がその不利益な事実が存在しないと誤認した場合

 

などに、契約と取り消すことができると定めています。

 

店長は、マンションが売れ残りであるにもかかわらず、相場より高い値段であったことを理由として、この4条による取消を主張するのですが、

 

不動産などの売買の場合、相場の価格がどうかという点だけでは、「不実告知」にあたると判断することは難しいところです。そもそも「このマンションであれば相場はこの金額です」と営業マンが説明していたわけでもないでしょうし、人によって、その不動産が持つ価値というのは変わってきます。

 

 

しかし、円さんが手配したインターネット動画により、他の被害者がたくさんいること、営業マンから良いように使われた女性がたくさんいることが明らかになり、

 

結果、マンション販売会社側は、店長らの要求を受け入れることとなりました。

 

 

この結末ですが、法律的に解釈すれば、

 

円さんが手配したインターネット動画(インターネット動画であるかどうかはともかく)により、会社が組織ぐるみで営業マンに指示をしそして詐欺行為が行われたいたということが明らかになりました。

 

そして、これにより、民法96条2項は適用されないこととなるため、96条1項に基づく詐欺取消が可能となった、ということだと思います。

 

 

円さんが手配したネット動画という手法は、実務ではあまりお勧めできるものではありませんが、ドラマとしてはすっきりした結果となったのではないでしょうか。

 

 

最後に、法律の豆知識を

 

民法96条1項は、詐欺による意思表示の他、「強迫」(民法ではこの漢字が使用されています)による意思表示も取消できると定められています。

 

 

しかし、96条2項は、詐欺の場合のみ、相手方がその詐欺を知っていた時に限り取り消すことができると定めており、つまり、意思表示の相手方が、第三者による詐欺を知らなければ、契約を取り消すことはできないこととなっています。

 

強迫であればこのような条件はありません。

 

この違いについて、一説では、詐欺は騙される方にも落ち度があるが、強迫は強迫された人には落ち度がないためと説明されています。

 

 

民法制定の際に、立法に関わった方たちは、こんなことを考えて詐欺と強迫のところで違いを設けたのかな、なんて思いを馳せるとなかなか楽しかったりしませんか?

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2016.01.19

ドラマ「マネーの天使」第2話を観ました。 ~動産執行の「衝撃」~

ドラマ「マネーの天使」第2話を観ました。

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「マネーの天使」第2話をご覧になっていない方はご注意ください】。

 

 

 

今回の案件は、男女トラブル

 

相手は、別の交際女性(しかもその女性と結婚を考えている)がいながら、相談者とも交際をし生活の面倒も見てもらっているという男性。

 

 

相談者は、相手の浮気を知り別離を選択しますが、それまでに相手方に融通したお金を返済してもらいたいという希望があります。

 

 

この相談を受けた殿村弁護士は、まあ、今回も嫌な感じの対応。たいだい、爪を人に磨いてもらいながら相談を受けるって、どんな弁護士なんだ!と個人的には憤慨・・・。

 

ただ、実際のところ、殿村弁護士の説明をそのまま捨て去ることができないのが残念なところです。

 

 

交際関係にある男女の間での金銭のやりとりについては、実務上、たくさんの問題があります。

 

例えば、

 

援助ないしプレゼントではないのか?金銭の貸し借りと言えるのか?という問題もありますし、

 

仮に金銭の貸し借りであったとしても、その立証ができるのか?という問題もあります。

 

交際関係にある男女で金銭の貸し借りをしたとして、借用書を書いているケースは少ないですし。貸す方としても、困っているパートナーの力になれるのであれば、との気持ちで渡している場合もあり、実際のところ、貸す時点で「きちんと返してもろう」と思っていないこともあったりするからです。

 

また、仮に金銭消費貸借の存在が立証できたとしても、相手の資力などによっては、結局貸していたお金が回収できないというリスクもあったりします。

 

なので、殿村弁護士の説明は「実務的」とも言えます。

 

とはいえ、

 

実務上の問題はあるものの、どう解決するかを一緒に考えているのも弁護士の仕事と言えるので、そういう意味では、殿村弁護士のやり方に違和感を覚えましたが。

 

さて、ドラマでは、

 

縁あって(いや、勧誘を受けて)、メキシコ料理店に来た相談者ですが、そこでも円さんから、殿村弁護士と同様の説明を受ける相談者。

 

でも、なぜが「ヒモねえ」と呼ばれるようになってしまって店長のアドバイスで、なんと、相談者は、相手方男性に金銭消費貸借の公正証書を作成させることに成功をします。

 

 

 

とはいえ、

 

うーん、弁護士としては、この公正証書作成を喜べないところです。作成に至る経過を見れば、書面の有効性さえ問題になるような気がします。「この書面は形だけのものだから」「これを元に返してほしいとか言わないから」といった趣旨の発言が相談者から男性にされており、書面作成の経緯に疑義があり過ぎで・・・。

 

 

正直、実際、ご依頼者から「なんとか嘘を言って相手方に公正証書を作ってもらってもいいですか」という質問を頂けば、後のトラブルにもなりかねず「やめるべき」と助言させていただきます。

 

ドラマでは、結局、この公正証書で動産執行までできているのですから、ストーリーとしては「すっきり」かもしれませんが。

 

実務ではこう上手く事が運ぶことばかりではなく、むしろ依頼者の方をトラブルに巻き込む可能性があるな、と思ったりしました。

 

 

 

さて、このドラマを見ていた方の中には、動産執行により溜飲を下げた方も多いかと思います。

 

 

実際、動産執行は様々な「衝撃」を生み出します。

 

執行を申立てる側にとっても、申し立てられる側にとっても強制執行の中では、一番「きつい」手続きとも言えます。

 

申し立てる側からすれば、

 

強制執行できる範囲に制限がありますし(ドラマでも、生活に必要なもの以外を対象としていましたね)、動産の換価価値というのは、通常は決して高いものではありません。

実際に差押えることのできる財産があるのか、差押える価値のある財産があるのかという点について、申し立てる側は検討が必要となります

 

申し立てられる側からすれば、

 

突然家(や店舗)に執行官たちがやってきて、ペタペタシールを貼り持っていこうとするのですから、いくら生活に必要なものは差押禁止物件であったとしても、なかなかの衝撃です。

 

 

もしかしたら、ドラマの円さんは、申し立てられる側の「衝撃」をも狙っていたのかもしれませんね。

 

結局、相手方男性は婚姻をしようと思っていた女性に振られ、挙句、子供の頃からの貯金の存在も暴露されたのですから。

 

 

なお、ドラマでは、途中、相手方男性の預貯金をどのように調べるかが一つの問題となっていました。

 

実務でも、請求する権利はあるけれども、どうやってそれを義務者に支払ってもらうかという点が問題となることは多くあります。

 

 

もっとも、大阪弁護士会では、各金融機関と協定を結ぶことにより、勝訴判決等を有している債権者の権利実現のためである場合、協定を結んでいる銀行に対して、債務者の預貯金口座の有無等を照会できるようになりました。(協定を結んでいない銀行に対しては無理ですが)。

 

 

この協定により、債権者の権利実現が達成しやすくなったと思います。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による男女トラブル相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2016.01.13

ドラマ「マネーの天使」第1話を観ました。 ~時効の「中断」ってどうなるの???~

ドラマ「マネーの天使」第1話を観ました。

 

 

メキシコ料理店の店主が弁護士を目指して勉強しながら「金銭トラブル無料相談」を行い様々なトラブルを解決しようと奮闘、というストーリのようです。

 

 

では、早速、第1話について。

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「マネーの天使」第1話をご覧になっていない方はご注意ください】。

 

 

第1話のトラブルは「給与未払い」

 

 

生活費に困ってしまった竹内さんは、以前勤めていた工場から給与が支払われていないことを思い出します。

 

法律事務所に相談に行きますが、嫌な感じの弁護士(殿村弁護士)に「弁護士費用が負担できるのか」と言われてしまい諦めモード。

 

しかし、メキシコ料理店店長と知り合い、店長が未払い給与の回収を尽力することに。

 

 

ただ、ここで問題なのが、給与が支払われなかった時からの期間

 

 

労働基準法115条は「この法律の規定による賃金・・・請求権は2年間」「行わない場合においては、時効によって消滅する」と規定しています。

 

あと数日で、竹内さんの賃金請求権は時効にかかってしまうことが発覚。

 

 

ここで補足です。

 

「時効」というのは、その時の経過だけで債権が消滅するものではありません。債務者からの「援用」、つまり「時効が経過したので支払いません」という表明が必要となります。

 

なので、2年が経ったら「請求できない」というわけではありません。

 

ただ、請求したものの、債務者(給与支払義務者)が、「時効なので払いません」と言ってくると、裁判で請求をしても負けてしまう、強制執行もできない、という結果になってしまいます。

 

 

なので、「時効」にかかっているか、かかりそうか、という点は、法律実務では非常に重要なことなのです。

 

 

「2年もあれば大丈夫」「そのうち請求する」と思っていても、就職活動や新しい環境に慣れることに頑張っていると、意外に2年というのはあっという間に過ぎてしまいます。もし、未払いの給与や残業代等があれば、早く弁護士に相談するようにしてください。

 

 

話をドラマに戻します。

 

 

竹内さんの賃金請求権があと少しで時効にかかってしまうことに気付いたメキシコ料理店の店長さん(いや、時効のことを気づいたのはアルバイト店員・円さんなのですが。)は、早速、請求をしようと内容証明を作成。

 

(この内容証明郵便の書面が、支払い方法や支払い期限の指定がなく、ただ「支払ってください」と書かれているだけでなんとなく心許ない内容でしたが。)

 

 

しかし、その内容証明郵便を債務者は受け取らず。

 

時効完成が近づくなか、店長は焦りますが、ここでまたまたアルバイト店員・円さんが一策講じます。

 

 

竹内さんは、何がなんだかわからないまま、店長さん(円さん)の指示で、工場の元代表者に会いに行きます。元代表者が「必ず支払うから」と言ったので安心する竹内さん。

 

 

しかし、約束の「翌日」に元代表者に会いに行けば、元代表者の態度は一変。時効の援用をされてしまいます。本来給与が支払われるべき時から、遂に2年が経過してしまったのです。

 

 

元代表者を信じていたので、ショックを受ける竹内さんですが、ここで、円さんが時効の「中断」を主張しました。

 

 

 

民法147条は「時効は、次に揚げる事由によって中断する」とし、3号で「承認」を定めています。

 

この「承認」があれば、一から(最初から)時効期間の経過が必要となるのです。

 

つまり、あと1日で時効完成という状況でも、その時に「その債務を承認した」場合は、またその日から2年(賃金請求権の場合。債務によって期間は異なります。)を経過しなければ時効の援用ができません。

 

 

元代表者は、前日に「必ず支払うから」と竹内さんに述べており、それがこの「承認」にあたるため、時効は中断。とういことで、竹内さんは、元代表者の時効援用を阻止できたのでした。

 

 

 

個人的には、

 

元代表者は、現在のラーメン店の従業員からも様々な請求を受けそうですし、竹内さんに対する債務といい、あの後どのように対応していったのか、

 

きちんと竹内さんやラーメン店の従業員のみなさんは支払いを受けることができたのか、非常に気になるところですが(実務では、ここがまた一つの山場だったりもします)、

 

 

竹内さんの様子を見ていれば、それはいらぬお世話かもしれませんね。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.12.21

ドラマ「遺産争族」最終回を観ました。~ タンス貯金には危険がいっぱい!~

ドラマ『遺産争族』最終回を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「遺産争族」最終回をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

会長の部屋から火の手が・・・。

 

育生の冷静な判断で河村家一同避難をしようとしますが、会長は、火元である自分の部屋に向かっていきます。避難を説得しつつ会長に付いていくと、会長が空けた金庫にお金が。

 

そのお金がどんどん燃えていきます。

 

 

会長はショックのあまり避難どころではありません。自分の80年の人生が消えたように感じ悲しむ会長の姿を見た育生。

 

 

無事二人が助かった後も、自分のこれまでの行動を後悔し続けています。

 

 

 

 

一方、河村家は、財産が燃えてなくなったことに深く落胆するものの、かえって吹っ切れたのか、もしくは自分たちのこれまでの愚かさに気付いたのか。なんだか家族の距離がぐんと近づいた感じです。

 

 

問題は、楓と育生。

 

 

心配した河村家のみんなは、一案講じて・・・。

 

 

 

 

育生の「家族が欲しかった」という心の訴え。ドラマでは感動するシーンなのでしょうが、個人的には、恒三氏のそれに対する言葉・「それは贅沢だ」に、なんだか胸に響きました。

 

 

「家族」って本当に難しいもんですよね。

 

 

河村家でも、夫婦の離婚話が出たり、姉妹の罵り合いがあったり、ちょっと他人からみればかなり深刻な状況であったにもかかわらず、それがすっと仲直りする。家族はそんなものかもしれません。

 

何で喧嘩をし、何で仲直りをするのか・・・。それは他人ではわからないところです。

 

 

でも、親からすれば、やっぱり「家族はなんやかんや仲良し」というのが一番有り難いことです。

 

 

会長の快気祝いでの会長の表情。心から安堵というものが滲み出ていたような気がします。

 

会長、そうですよね。

 

 

 

では、最後に、このドラマでは最後の「実務」のお話を。

 

 

会長は現預金を、ほぼすべて現金として自宅で保管していました。これが結局、火事で燃えてしまい、ほぼ「喪失」の状態に。

 

長引く低金利状況に加えマイナンバーの影響もあり、「タンス預金」を考える方も増えているようですが、

 

 

しかしこの「タンス預金」はやはり危険です。

 

 

ドラマのように火事により焼失する危険もありますし、

 

たまにある話ですが、実際、タンス預金をしていたご本人が亡くなり、のこされた家族はそれを知らずに亡くなった人が生活していた家を売却してしまうということもありますし、住まれていた方が亡くなってから何十年も経った後家を取り壊す際に現金が発見されるということもあります。

 

 

発見される時の状況によっては深刻なトラブルにもなりかねません

 

 

のこされた相続人が、意外に困るのが「相続財産の把握」です。

 

預貯金であれば、なんとなく取引のある銀行を知っているということもありますし、時折銀行から書類や通知が送られてくることにより相続財産が発覚することもありますが、

 

 

現金はそういうわけにはいきません。

 

 

タンス預金はあくまでも「現金」です。現金である以上、一旦手から離れてしまうと回収も難しいものです。

 

 

色々な理由によりタンス預金を選択される方もおられるかもしれませんが、リスクも踏まえた上での慎重なご判断をお願いいたします。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

2015.12.15

ドラマ「遺産争族」第8話を観ました。 ~ 預貯金が下ろせない!?~

ドラマ『遺産争族』第8話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「遺産争族」第8話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

 

河村家の雰囲気はさらに悪化。

 

楓は「遺産で豪遊する」と言い、育生は「病院を辞める」とまで言い出します。

 

 

 

育生が河村家の財産を手放すつもりがないと思った河村三姉妹は、会長を説得しようとしたり楓と育生を別れさせようとするも、奏功せず。

 

 

育生の豹変ぶりに、会長は弁護士に相談をしますが、弁護士が「遺言書を書き直す」方法を示しても、「なんども遺言書を書き直すわけにはいかない」と、それには抵抗がある様子。

 

 

弁護士に言われて、自分の楽しみに財産を使おうと考える会長ですが、長年無駄遣いせずに仕事に励んだ会長には、それもなかなか難しそうです。

 

 

 

ところで、相談に訪れた会長に対して、弁護士が「会長の委任状で、資産を調べさせていただきましたが、銀行に預貯金はありませんでした」と述べるシーンがありましたね。

 

それに対して、会長は、妻が亡くなった時に妻の預貯金が動かせなくなったので、自分の預貯金はほぼすべて出して現金を自宅で保管していると回答していました。

 

 

 

この部分を実務の観点から少し説明させていただきます。

 

 

まず、遺言書作成の依頼を受けた弁護士が、依頼者の了承を得ずに依頼者の財産を調査するかという点ですが、まずんなことはありません

 

ドラマでは、あの女性弁護士が「委任状を使って調べた」と言っていましたが、いくら委任状を事前にもらっていたとしても、依頼者の了承を得ずに調べることはありませんので、あのセリフは、ちょっと困惑しました。

 

次に、会長の「ばあさんが亡くなった時に預貯金が動かせなくなった」という言葉について。

 

ここは実務でもそういうことはあります。

 

銀行は、預金者が亡くなられたことを知ればすぐに預貯金を引き出されないような措置を取ります。預貯金は、預貯金名義者の財産なので、その人が亡くなった以上、その人が預貯金を出すことはありえません。

 

なので、ある意味、銀行のこの措置は当然と言えます。名義人以外の人がお金を下ろし後でトラブルになることを防ぐことになります。

 

例えば、亡くなられた方の家族が銀行に行き「この預貯金の名義人が亡くなったが、自分は家族で、葬儀費用のためにお金を引き出したい」と言っても、銀行は、その口座からお金を引き出すことができない措置を取ります。葬儀費用と説明しても引き出すことはできません。

 

 

とはいえ、ずっとその口座が使えないわけではありません。相続手続きが完了すれば、適宜の方法(銀行が定める方法)で、お金を下ろすことは可能となります。

 

 

なので、個人的には、「会長、永遠にお金が引き出せないわけではないので、安全のためには銀行に預けられた方がいいのでは・・・」とも思うのですが。

 

もし火事で燃えたりしたら、それこそそのお金はどうなるのか、難しい問題が残ってしまいます。

 

 

 

 

話を戻して、膠着状態の河村家。

 

恒三さんの提案で、弁護士立ち合いの元、家族会議が開かれます。

 

 

 

ここも個人的にはちょっと気になるのですが・・・。

 

弁護士である以上、依頼者の意思確認は大事です。もし、この話し合いが依頼者のためになると判断しても、それであれば事前に依頼者に確認をした上で話し合いの席を持つ必要があります。

 

弁護士は常に争っているように思っている人も多いかもしれませんが、話し合いによる解決も大切です。この河村家のような親族間でのもめごとが話し合いによって解決できるのであれば、それはとても望ましいことと言えます。

 

なので、決して話し合いが悪いこととは思わないのですが、話し合いの場に登場した会長の困惑した表情を思うと、弁護士としては「事前に確認をする必要があるのでは」と思ったりします。

 

 

とはいえ、ドラマの中では、この話し合いが依頼者のため、そして家族のためになったといえるので、結果的には良い話し合いだったのかもしれませんね。(もちろん、良い話し合いなったのは、育生のおかげなのですが・・・)。

 

 

せっかく会長の気持ちが家族に伝わったのですが・・・会長の金庫には火の手が。

 

 

どうなるのでしょう。次回最終回です。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2015.12.10

ドラマ「偽装の夫婦」第9話、最終話を観ました ~ 肉体関係がなくても夫婦です~

ドラマ『偽装の夫婦』第9話、最終話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「偽装の夫婦」第9話、最終話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

 

ついに終わってしまいました。

 

最終回、皆さまはどんな感想を抱かれたでしょうか。

 

 

保君やしおりさん、ゆいちゃんのことを思うと、切なかったり、辛かったり。

 

本当に恋愛って難しいものですよね。

 

 

ヒロと超治たちも、一緒にいることを決意したものの、「身も心も愛する」ということの難しさに戸惑うこともある様子。

 

 

 

ただ、それは、結婚生活の中で多くの人が時折感じることではないかな、と個人的には思ったりします。

 

同性を好きであろうと異性を好きであろうと、そして、無事パートナーになれたとしても、やはりその「パートナー」の関係を維持していくのは、だれしもが容易なことではありません。

 

超治のように同性を好きになる男性と、超治を好きな女性・ヒロというカップルでなくても、

 

たとえば、異性を好きになる異性のカップルでも、長い「パートナー」という生活の中では、相手を好きのままではいれないこともあるかもしれません。

 

 

そう考えれば、恋愛や信頼に、「性別」は関係がないのでは、とも思ったりします。

 

 

もっと言えば、これは恋愛に言えることだけではないのかもしれませんね。

 

友達や親友でも、ときに上手くいかないことも出てきたりするかもしれません。

 

 

それはある意味当然なのでしょう。人にはそれぞれ「個性」があるのですから。自分と全く同じではないからこそ、惹かれるところもあり嫌なところもある。

 

 

こういうことを考え始めると、人間とはまったく厄介な生き物だなと思うこともあれば、なんとも愛らしい生き物なんだろうと思うこともあります。

 

 

ドラマ「偽装の夫婦」に出てくる人物たちも、なんとも面倒くさい一癖ある人々ばかりでしたが、でも本当に愛されるキャラばかりでしたね。

 

 

最終回を迎え、愛らしいキャラたちにもうドラマで会えないと思うと寂しいところですが、これからも、ドラマの中のみんながそれぞれの幸せを求めて日々を過ごすことを想像しておきたいと思います(笑)

 

 

さて、最後に、法律的観点から一言を。

 

ヒロの心は愛せても、身を愛することは難しそうな超治。それでも二人は婚姻届を提出しました。

 

以前、このブログで、婚姻の際には、「真に夫婦になる意思」が必要と書かせていただきました。

 

この「真に夫婦になる意思」というのは、肉体関係の有無や意思とは関係はありません。

 

 

超治もヒロも、夫婦として互いを支えて思いあっていこうという気持ちは十分になるので、これは「真に夫婦になる意思」がある婚姻届出と考えることができます。

 

なので、二人の婚姻は、文句なく有効に成立しています!

 

となると、双方に「貞操義務」も負うのですが、ドラマの最後で、なんだか超治の不貞(?)も匂うコメントがヒロから出ていましたね。

 

それでも、最後はハグ。ヒロと超治それぞれの「愛」は健在のようでした。

 

二人に幸あれ。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2015.12.04

ドラマ「遺産争族」第7話を観ました ~自筆証書遺言の「押印」って必要???~

ドラマ『遺産争族』第7話を観ました。

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ『遺産争族』第7話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

会長の危急時遺言が、自筆証書遺言に書き変えられました。

 

 

ドラマの中で説明がありましたが、前の遺言と後の遺言とが抵触する内容である場合、「抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす」(民法1023条)ことになります。

 

つまり、「全財産を海外の医療活動に従事する団体に寄付する」という内容(危急時遺言の内容)と、「育生にすべて譲る」という内容(自筆証書遺言の内容)は、「誰に譲るか」という点で大きく抵触するため、前の遺言(危急時遺言)は新たに作成された自筆証書遺言によって効力を失うことになります。

 

 

ところが、第7話の終盤、この自筆証書遺言書が「有効か無効か」という問題が出てきました。

 

自筆証書遺言は、「その全文、日付、氏名を自書し、これに印を押さなければならない」(民法968条1項)ことになっています。

 

つまり、会長自らが「印を押さなければならない」のに、この自筆証書遺言の押印は、育生の手によってなされたのです。

 

このため、民法968条1項の要件を満たさず、この遺言書は無効となるのではという議論が出てくることとなります。

 

 

 

ところで、ちょっと脱線ですが・・・。

 

いやいや、まずこのやりとり、個人的にはとっても変な気がしました。

 

遺言書は「遺言者の死亡の時からその効力を生ずる」(民法985条1項)ので、会長がご存命の間は、遺言書が「有効」なのか「無効」なのかの議論は、なんか違うような・・・。

 

 

 

 

とはいえ、ドラマの話が進んでいくと、ドラマの流れとしてある意味納得。

 

会長は、「自分で印を押さなければ遺言書は有効とならない」と考えたうえで、自分の財産を欲しいといい始めて豹変(?)した育生の言う通りにならないよう、わざと遺言書の押印を育生にさせたのです。

 

 

その会長の真意を見抜いた恒三氏。すごいです!

 

 

とはいえ、育生は、「いいや。この遺言書は有効だ」と主張。

 

「入院している人の指示に従って押印しているのだから、無効とはならない」と述べるのです。

 

びっくりする一同!!!

 

 

確かに、

 

病床にあった遺言書の依頼で、他の人間が遺言者の前でなした押印も、遺言者自身の押印と同一視できる判断した古い判例もありますし、

 

遺言者の面前でなくても、遺言者の指示に従って他の人間がなした押印を、遺言者自身の押印と同一視し遺言書を有効と判断した判例もあります。

 

 

なので、実務上は、育生による押印が、「会長の指示による押印」であれば遺言書の効力は認められるということになる可能性が高いと言えます。

 

 

ただ、会長の驚いた表情をみれば、果たして「会長の指示による押印」と真の意味で言えるのかどうか・・・。

 

驚いた表情の会長。会長とすれば、また遺言書を書き変えた方が無難そうです。

 

 

となると、結局、話は前に戻りますが、会長がご存命なうちは、会長は自分で遺言書を何回でも書き変えることができるので、この遺言書が「有効」「無効」と今、争ってもあまり意味がないような・・・。

 

 

 

ドラマの方は・・・。

 

豹変した育生と、楓・・・。

 

 

二人の間にも「不信感」が生まれそうな描かれ方で終わった第7話。

 

次回、どうなるのでしょうか。楽しみです。

 

 

 

 

最後に、自筆証書遺言の「押印」について、実務の流れを書かせていただきます。

 

 

印鑑の文化というのはわが国特有のものとも言われており、特に欧米等では印鑑を使用する文化はありません。

 

また、日本でも、印鑑がなくても署名があれば、通常、合意書や契約書に記載されている通りの意思の合致があったと理解して基本的には問題ないと言えます。

 

 

となると、遺言書に「押印」を求める意義はあるのか?という意見がちらほらと法律の世界でも出てきています。

 

 

実際に、

 

遺言書に押印がなくても効力を否定しなかった下級審判例もあるようですし、

 

40年間日本に定住しつつも、押印という慣行のない欧米式の日常生活を送っていたロシア人が、日本に帰化してから作成した英文の遺言書に押印しなかったという事例で、最高裁昭和49年12月24日判決は、「特別な事情がある」とした上でですが、押印がなくとも遺言書は有効と判断しています。

 

 

とはいえ、

 

現時点では、法律上は「押印」が求められているので、せっかく遺言書を作る以上は、争いの火種を作らないという意味でも「押印」は忘れずしていたく必要があると思います。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

2015.11.27

ドラマ「遺産争族」第6話を観ました ~ 「動産」も相続財産です ~

ドラマ『遺産争族』第6話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「遺産争族」第6話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

ドロドロ具合が増している河村家。正直言えば、時々、このドラマを観ているのがしんどくなってしまいます。

 

 

弁護士という仕事をしていれば、色々な事情に直面しますし、多くの紛争を目にもしてきます。

 

 

こと親族間のトラブル、遺産トラブルとなれば、非常に揉めるケースもないわけではありません。

 

 

そのオンパレードをこのドラマで観ていると、思わず「ふう」とため息をついちゃいそうです。

 

 

ドラマで出てくるあの女性弁護士のようにドライに考えることはできなさそうです(笑)。

 

 

 

さて、ドラマの内容について。

 

 

会長の遺言内容を知って雰囲気が悪くなる河村家。まー君もどこかに行ってしまいました。

 

 

それに嫌気がさした育生は、会長に家庭内の状況を説明し、遺言内容を考え直すように話しますが、会長が出した答えは「みんなを呼んで。話せばきっとわかってくれるはず」というもの。

 

 

会長のお気持ちはよくわかります。でも、いまの河村家はそんな雰囲気ではないのですよね。

 

 

案の定、会長の目の前でもぶつぶつ言う家族たち。

 

 

会長がまだ生きているにもかかわらず、遺産の話をされ続ける会長の身になれば、会長の気持ちは痛い程よくわかります。

 

 

しかも、会長の財産は、会長が築いたもの。会長がきちんとした意思に基づき考えた財産の使い方に、たとえ推定相続人といえども、あそこまでの対応をとられると・・・。

 

会長も辛いですよね。

 

 

とはいえ、推定相続人としても「全額寄付」という遺言内容を聞けば、それは動揺すると思います(ただ、実際には遺留分減殺の制度があるので、推定相続人が何一つ得ることができないという事態になるとは限らないのですが)。

 

 

やはり遺言書の存在、そしてその内容が明らかになれば揉めることが多いのが実際です。

 

だからこそ、私たち弁護士は、できるだけ「万全な遺言書」を残していただくことをお勧めしています

 

会長の遺言書は、法律で定められた方式に則り作成されており、その意味では万全なのですが。

 

 

事前に内容が漏れたばかりに揉めまくり、会長の妻(三姉妹にとっては母親)の形見まで三女が持ち出そうとする騒動に発展。

 

 

ここで、実務の話ですが・・・。

 

「動産」も相続財産です。なので、会長の妻の形見ともいえる指輪や時計、着物も、妻の「遺産」なのです。

 

つまりこれは、もし遺産分割未了であれば、相続人らのもの(会長の妻の相続人・つまり、会長と三姉妹)となります。

 

 

なので、三女が勝手に持ち出そうとするのは、非常に問題があることと言えます。

 

 

 

とはいえ、実際、裁判所で遺産分割の事案を扱うと、余程のものでない限り、動産はあまり重視されません。

 

 

亡くなられた方の家にあったその方のテレビ、冷蔵庫その他諸々物は、厳密にいえば「遺産」と言えるのかもしれませんが、これらのものについては、実際市場に流通させるとそれほど大きな価値を有するものでもないので、それが大きな問題となることは滅多にありません。

 

 

ただ、会長の妻の指輪、時計、着物は、かなり価値のありそうなものだったので、「余程のもの」にあたるかもしれませんね。

また、物の価値以上に、相続人らにとって思い入れのあるものとも言えます。

 

なので、三女の行為はルール違反であり、長女が怒るのももっともかなと思うのですが・・・。

 

 

無断で動産持ち出しなどもあり、さらには長女夫妻の離婚話まで・・・。

 

 

それを見た育生は、会長に「遺産は全部ぼくにください」と発言。

 

 

 

どうなることやら。どきどきしながら次回を待ちたいと思います。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による相続相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

2015.11.26

ドラマ「偽装の夫婦」第8話を観ました ~ ついに「離婚」!離婚に必要なことって???~

ドラマ『偽装の夫婦』第8話を観ました。

 

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「偽装の夫婦」第8話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

ヒロと郷田家のみんなとが「家族」に大きく近づいたこと、本当に良かったです。

 

 

もちろん、両親に関する真実は、ヒロにとって大きな衝撃となったことだと思いますが、それでも、今、この世にいる人の中で自分のことを大切に思ってくれる人がいるということは、人にとって大きな糧となるはずです。

 

 

郷田家のみんなもヒロも、不器用な「家族」ですが、家族に器用も不器用もないですよね。家族だからこそ不器用になってしまうこともたくさんあります。

 

 

涙を垂れ流しながら気持ちをぶつけるヒロや郷田のおばさんの表情に、安堵さえ覚えたのは皆様も同じではないでしょうか。

 

 

 

さてさて、ヒロと超治の関係ですが・・・。(超治の「ヒロ」仕様。かなり完璧にコピーできていましたよね(笑)。ほんと沢村一樹さん、すごいです)。

 

 

ついに離婚と相成りました。

 

互いにとって「前向き」の離婚。

 

 

いつも弁護士という仕事をしていて思うことは、「前向きの離婚」となるかどうかは、離婚の時どう思うか、そして離婚後の生活をどうするか、つまり自分次第で決まって来るような気がします。

 

 

弁護士である限り離婚の相談を積極的に伺っていきたいと思う中で、いつも自分に何ができるかを考え続けています。

 

そんな中で、最近の私の頭によぎる一つの「答え」は、

 

所詮、自分は人間で、そしてただの弁護士に過ぎません。だから、自分ができることはただがしれている。

 

でも、これまでのかなりの件数の離婚の相談を伺ってきたという経験だけは、弁護士業をされていない方よりは多いはず。

 

「だから、私がこれまで携わってきたその経験だけは、出来る限り皆様にお伝えするようにしよう」ということです。

 

 

そんな中で、私がお伝えしたいことの一つが、「前向きの離婚」にするために、今たくさん悩み考えて、そしていよいよ離婚をする時には万全の気持ちで迎えていただきたい、離婚後の生活に向けて「あらゆるシュミレーション」をして、そして離婚前に悩んで出した答えに向かって進んで頂きたい、ということです。

 

 

ヒロも超治も、将来の自分をきちんと想像し「幸せ」を目指して離婚をしました。

 

 

第8話最後には一年後の二人の様子も少し描かれていましたが、どうか、二人の「結婚」と「離婚」が、二人の人生にとって意味のあるものとなっていますように。

 

 

二人の幸せを願いながら第9話も楽しみにしています。

 

 

さて、最後に余談ですが、「離婚届出」の意味について少し触れておきたいと思います。

 

 

相変わらずドラマと全く関係のない法律知識で申し訳ないのですが・・・。

 

 

以前、このドラマのブログで、婚姻届出をしても「真に婚姻する意思」がないとその婚姻は無効、という話を書きました。

 

 

では、離婚届出の場合はどうでしょう?

 

 

婚姻届出と同じように考えれば、「真に離婚する意思」つまり、本当に夫婦という関係をやめるという意思がない場合には、その離婚は無効となります。

 

 

このことが問題になるのは、例えば「偽装離婚」などの時です。本当は夫婦の関係を解消するつもりはないけれど、何らかの目的で離婚したことにするというような場合。生活保護受給のための離婚などがその例です。

 

 

この問題について、判例は、離婚の届出をする意思があればよいとしています。つまり、夫婦の関係を真に解消させる意思がなくても、「法律上の婚姻関係を解消する意思の合致」があれば離婚は無効とならない、としているのです。

 

 

婚姻届出の場合と、離婚届出の場合とで異なるのです!

 

 

個人的にはこのあたりなかなか興味深いところですが、皆様はいかがでしょうか。

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による離婚相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.11.24

ドラマ「遺産争族」第5話を観ました。 ~ 危急時遺言って??? ~

ドラマ『遺産争族』第5話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「遺産争族」第5話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

会長が・・・もしや・・・と思いましたが、まずは落ち着かれた様でなによりでした。

 

 

しかし、持病もありますし、依頼を受けている弁護士は「危急時遺言」を作成することにしました。

 

 

 

危急時遺言とは、民法976条に定めのある「特別の方式」による遺言です。

 

民法976条第1項は以下の通り定めています。

 

①疾病その他の事由によって死亡の危急に迫った者が遺言をしようとするときは

②証人3人以上の立会をもって、

③その一人に遺言の趣旨を口授して、これをすることができる。

④この場合、その口授を受けた者が、これを筆記して、遺言者及び他の証人に読み聞かせ、又は閲覧させ、各証人がその筆記の正確なことを承認した後、これを署名し、印を押さなければならない。

 

この条件を、ドラマにあてはめてみたいと思います。

 

 

会長は、

 

①について

 

あの時点で「死亡の危急に迫って」いると言えなくもない状態でした。実務では、この「死亡の危急に迫って」いたかどうかの判断は、主治医の意見を参考にしながらすることになるかと思います。

 

②について

 

証人として、弁護士と医師2人の計3人が立ち会いました。実務でも、状況が状況ですので、後日に遺言能力等が問題とならないよう医師が立ち会いすることが多いと言えます。

 

③について

 

会長が遺言の内容を口で説明していました。ドラマではビデオ撮影もしていましたが、このビデオ撮影自体は必要要件ではありません。ただ、後日に遺言能力等が争われないためにも、また遺言内容自体が争われないためにも、あのようにビデオ撮影等をしておくといいでしょう。

 

④について

 

弁護士が筆記し、その内容を証人である医師2人に確認してもらっていました。

 

 

こんな形で会長の遺言書は完成いたしました。

 

 

 

会長の遺言書は、推定相続人間で揉めないよう、内容までは明かされなかったものの、「みんなが揉めない内容にした」という会長の言葉に安堵する一同。

 

 

しかし、まー君が、病室を盗聴していたことから、遺言書の内容が明らかに・・・。

 

ちょっと、まー君。盗聴はいけません。だいたい盗聴したからって、その遺言内容が覆るわけではありませんし・・・。会長が生きている間も揉めてしまうという結果を導くだけです。

 

実際、またまた騒動を引き起こします。

 

 

会長の遺言内容は、

 

海外で活動する医療団体に寄付する。その寄付先を決めるのは、育生。という内容。

 

 

 

この内容を聞いた、推定相続人は、やはり揉めに揉めます。

 

「育生が全ての遺産を好きにできるも同然」という声もありました。

 

 

実際のところ、医療団体に寄付するという内容なので、育生が好きにできるわけではないのですが・・・。

 

長女、二女、三女は「何もかも失う」と絶望状態。

 

 

 

でも、そうとは限りません。

 

 

まー君の言う通り、会長が作った危急時遺言は、あくまで「危急時」のみの場合に認められた遺言です。

 

「遺言者が普通の方式によって遺言することができるようになった時から6ヶ月間生存するときは、その効力を生じない」(民法983条)のです。

 

なので、会長が元気になって6ヶ月過ごすことができれば、この遺言書は効力を生じません。

 

家族として、遺言書どうこうはともかく、なにより会長には元気になって欲しいところですし、長女たちも父親の体調の回復を願って欲しいところです。

 

とはいえ、会長の意思は固そうですので、元気になって6ヶ月過ぎたところで、その気持ちが変わらなければ、普通の遺言書で同内容が作られる可能性は十分高いといえます。

 

 

もし、会長に万が一のことがあったり、または元気になってから同内容の遺言書を作成した場合には、どうなるのでしょうか。

 

 

その場合には、民法では遺留分制度があります。

 

なので、長女たちは、それぞれの法定相続分の2分の1は、それぞれ取得することが可能と言えます。

 

 

会長の財産を考えれば、それでもかなりのものになると思うのですが・・・。

 

 

 

でも、「全部を山分け」と思っていた3人からすれば、「ほとんどなくなる」というのと同じなのでしょうか。

 

 

この辺りが、相続の根の深いところだったりするものです。

 

 

 

さてさて、物語は本当に泥沼状態。

 

 

育生はどんな決断をするのでしょうか。次回を楽しみにしています。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

 

 

2015.11.19

ドラマ「偽装の夫婦」第7話を観ました

 ドラマ「偽装の夫婦」第7話を観ました。

 

 

ネタバレがあります。まだドラマ「偽装の夫婦」第6話をご覧になっていない方はご注意ください

 

 

 

 

 

ついに別れを選択したヒロ。

 

 

女性を好きにならない超治を好きな自分の気持ちが募るからこそ、一緒に暮らすのは、きっと、辛いことですよね。でも、きっと離れるのも辛い。切なすぎる展開でした。

 

 

 

超治のことも心配です。

 

 

超治のことをずっと好きだった幼稚園の先生が行った「園長代理はゲイ」との書き込み。

 

 

これをきっかけに保護者から「退職要求」が出てしまった超治。超治も辞める覚悟の様子ですが、本当にそれでいいのでしょうか。

 

今後どうなるのか不安ですね。

 

 

 

 

 

ところで、今回は、ドラマから話が大幅に逸れますが、

 

 

随分と報道もされている同性同士のカップルにも婚姻と同程度の結びつきを認める、東京都渋谷区の「パートナーシップ証明書」ついて触れたいと思います。

 

 

東京都渋谷区では、同性同士のパートナーを、区が認めるという「同性パートナーシップ条例」が施行され、今年11月5日からは、「パートナーシップ証明書」が交付されることとなりました。

 

 

まだこの日本では、同性同士の婚姻が認められていませんが、この「証明書」により、同性同士のカップル、パートナーにも、婚姻と同程度の結びつきを、区が「公認」するものとなるそうです。

 

 

例えば、治療についての同意書に親族の署名・押印等が必要な時

 

 

婚姻をしているカップルであれば、夫の治療について、妻が同意書を作成することが可能です。妻は法律的に「親族」ですから。

 

 

でも、同性のパートナーは婚姻ができません。となると、法律的に「親族」となりません。結果、親族の同意が必要な重要な局面でも、そのパートナーがその書類を作成することはできないことになってしまいます。

 

 

これって、あまりにも歯痒いことですよね。

 

 

もし、こんな時にも、この証明書を見せることにより病院が「親族」もしくは「親族と同程度のつながりがある人」と認めてもらえる世の中になれば、二人は、将来も安心して過ごせるのではないか。そう願ったりします。

 

 

 

とはいえ、「婚姻と同程度」の関係を認めようという制度ですので、この証明書を取得することは容易ではありません

もっとも、結婚も、交際とは違い、重い効果、責任が伴うものですので、慎重に判断される人が多いでしょうし、そういう意味では、この証明書取得が、結婚以上に難しいものというわけではないのかもしれません)。

 

 

 

報道による情報では、この証明書を取得するためには、渋谷区の住民であることなどの他、

 

①「配偶者がいないこと、相手方当事者以外の者とのパートナーシップがないこと」といった条件が必要だそうです。まあ、婚姻についても、「重婚」はできないのですから、婚姻と同じ条件と言えますよね。

 

この他にも、②「任意後見契約に係る公正証書」と③「合意契約に係る公正証書」を作成していること等が原則必要となるそうです。

 

 

このうち②については、つまり、当事者双方が、将来自分の判断能力が不十分となった時に、それぞれ相手方を任意後見人とすることを合意しておく公正証書を作成しておく必要があるということです。

 

また、③については、渋谷区のホームページを確認したところ、共同生活を営むに当たり当事者双方で、

 

 ・両当事者が愛情と信頼に基づく真摯な関係であること

 

 ・両当事者が同居し、共同生活において互いに責任を持って協力し、及びその共同生活に必要な費用を分担する義務を負うこと

 

という内容の合意をしている公正証書を作成する必要があるということのようです。

 

 

つまり、お互いに「病めるときも、健やかなるときも」互いに思い遣り、互いの将来に責任を持つという約束を「固く」交わす、ということなのでしょうね。

 

 

 

 

話をドラマに戻して・・・。

 

 

ヒロとの別れで超治は何を思うのでしょうか。

 

 

ヒロと超治の二人の幸せを願い、次回も楽しみにしたいと思います。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

2015.11.13

ドラマ「遺産争族」第4話を観ました。~ 「生前贈与」は争いの種? ~

ドラマ『遺産争族』第4話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ『遺産争族』第4話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

話はかなりドロドロしてきましたね。

 

 

 

今回、三姉妹から「生前贈与」の話が出ました。

 

 

実務でも、この「生前贈与」が行われる事案はありますが、ドラマの中で三女が提案した内容は、まさに会長の財産をほぼ(?)全部生前贈与するような内容でした。

 

 

このような生前贈与、つまり財産の全部を対象とする生前贈与をするケースは、実務で、よほど特別な事情が無い限り、行われていないのではないか、というのが私の感想です。

 

 

人はいつまで生きるのか分からないものです。

 

会長だって病気を抱えていますが、まだ10年、20年と生きる可能性は十分にあります。それなのに財産を全部、子たちに譲ると言うのは、さすがに心理的抵抗もあるでしょう。

 

 

また、税金のことをみても、贈与税と相続税では、贈与税の方が税率が高いので、普通は、相続により取得する方が税金は安くなります。

 

 

なので、推定相続人らに「全部贈与する」というメリットは、普通の事案では低いと言えます。

 

 

それでも、生前贈与を提案したのは、すぐにでも現金が欲しい三女や、育生に財産を取られるのかもと不安を抱いた三姉妹だからなのでしょう。

 

 

また、生前贈与は、会長の死後遺産分割の争いになった際、それらを遺産と同視して、遺産分割や遺留分減殺請求を検討することになる可能性もあります。

 

 

なので、仮に育生と会長の養子縁組が成立し、もし育生も会長の遺産取得を主張することになれば(ちょっとドラマではそんな事態は想定できない感じですが)、三姉妹はすでに受けた生前贈与をそのまま自分のものとして主張できるかどうかは微妙となってしまいます。

 

 

生前贈与は、実務でも、「争いの種」となるケースが多くあるのです。

 

 

 

ドラマでは、また決定ではない「生前贈与」の財産の分け方で、三姉妹が分裂!

 

 

まだ会長はご存命なのに・・・。

 

 

 

カワムラメモリアルの株式取得等も絡み、河村家は、内も外もドロドロの状態です。

 

 

 

次回、遺言状の内容が明らかになるような予告でしたが、どうなのでしょうか・・・。

 

 

会長の体は?そして、遺言書の内容は・・・?

 

 

 

次回を楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.11.12

ドラマ「偽装の夫婦」第6話を観ました ~ 弁護士登場!でも、その話ってどうなの???~

ドラマ『偽装の夫婦』第6話を観ました。

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ『偽装の夫婦』第6話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

超治、ついに告白しましたね。弟子丸君はだいぶ戸惑っている様子でしたが。

 

 

でも、個人的には、超治が「想いを伝えることができて良かった」と思っていることがうれしかったです。

 

今回の話の最後で、弟子丸君は、性別にとらわれることなく超治と向き合おうとしている様子が描かれていました。超治のうれしそうな表情から、これまでの超治の恋愛の難しさが感じられました。

 

 

 

 

さて、今回の話。弁護士としてはかなり放っておけないお話でした。特に離婚事案を積極的に扱っている私たちとしては、これを触れないわけにはいきません!

 

 

しおりさんの夫について、です。

 

 

しおりさんの夫、弁護士だったんですね。弁護士なのに、あんな意味のわからないことを言って、個人的には腹も立ってしまいました。

 

 

たしかに由羽ちゃんと夫は、夫婦が離婚したとしても親子であることに変わりはありません。

 

でも、離婚の際に、由羽ちゃんの親権者はしおりさんに決まっているはずです。離婚後の監護(養育)もしおりさんがずっと行ってきました。

 

 

そんな中で、夫の実母が幼稚園から連れ帰り、そして、親権者であるしおりさんの要求にもかかわらず由羽ちゃんを帰らせないというのは、非常に問題のある行動です。

 

 

夫側から「由羽ちゃんは喜んでついてきた」「帰りたくないと言っている」という主張もありましたが、そんな言い訳はこの時点では許されません。たとえ、本当に「喜んでついてきた」としても、一旦、由羽ちゃんを帰らせる必要があると言えます。

 

それを平然と、さも「何の問題もない」と述べる夫(しかも弁護士)。問題がありすぎです。

 

なんだか、弁護士である夫が、法律的に無茶苦茶な話をしていて、とってもムカムカしてしまいました。

 

 

まあ、そこは、ヒロがさらなる勉強をし、「撃退」したので、ドラマの話としては良かったのですが(笑)。

 

 

 

最後に、細かい話で恐縮ですが。

 

しおりさんの接近禁止命令住民票の移動等についての説明に補足があります。

 

しおりさんは、夫の暴力を原因として接近禁止命令を取得し、そして、その命令発動中に住民票を移動させた、と説明していました。

 

 

まず、しおりさんのいう「接近禁止命令」とは、一方配偶者(相手方)から暴力等を受けた他方配偶者(申立人)が裁判所に保護命令の申立をして、一定期間(ドラマでもあった様に、ほとんどのものが6ヶ月間です)、「電話をしてはいけない」「つきまといや住居や勤務先等の付近を徘徊してはいけない」などの命令を相手方に出してもらう手続きです。

 

この申立の中で、子への接近禁止命令を申し立てることもできます。

 

 

この申立自体は、書式自体が出来る限り書きやすいように工夫されているので、御本人で行うことも決して難しいものではありません。

 

 

もっとも、この申立が認められる為には、事前に相談機関(警察署や子ども家庭センター等)に相談をし、「相談をした」という証明書を受け取っておく必要があります。

 

 

このため、もし配偶者から暴力を受けた時には、できれば警察等に相談だけはするようにしていただきたいと思います。速やかに安全を確保するために必要となるのです。

 

 

そして、この接近禁止命令が発令された後、通常は、離婚調停や訴訟等を行うこととなります。(離婚協議をする場合もありますが、当事者同士での話し合いは接近禁止命令も出ていますしし、心理的にも法律的に難しい状態です)。

 

 

いつ住民票を移動するか?ということも、実務ではしばしば重要な検討事項となります。

 

 

現在、各役所では、DV事案等については、住民票の閲覧等を制限しています。本来は、まだ夫婦である以上、命令を受けている配偶者が、保護されている配偶者の住民票や子どもの住民票を取得できてしまいます。

 

ただ、DV事案等については、保護されている配偶者がその旨の申告をすれば、役所は、夫からの住民票の閲覧等を制限してくれるのです。

 

 

もっとも、役所の方から、「閲覧制限はするが、ただ、人の作業になるので、万全を期すけれども、もし不安だったら離婚が成立していから住民票を移転した方がいいのでは」とアドバイスを受けられた方もおられます。

 

より慎重に、より厳格に手続きを進めていくに越したことはない、ということだと思います。

 

 

子どもの転校等を気にされて住民票の移動を急いだ方が良いと考えられる方もおられますが、DV等の事案では、転校先の学校も配慮をしてくれるはずです。

 

 

弁護士が、「依頼者の方は、このような状況で今、離婚係争中です。係争中に住民票を移すことは難しい状態です」などという書面を役所宛に作成し提出することもあります。

 

 

実務ではこんな風に進めているので、しおりさんの「接近禁止命令中に住民票を移動した」という言葉には、すこし引っかかってしまいました。(ドラマの話なので、こんな細かいことを言って恐縮です。)

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

  

2015.11.06

ドラマ「遺産争族」第3話を観ました ~破れた婚姻届用紙は受理してもらえるのか?~

ドラマ『遺産争族』第3話を観ました。

 

 

【ネタバレ要素があります。まだドラマ『遺産争族』第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

会長の口から出ましたね。養子縁組の話。

 

 

弁護士の立場から言えば、育生に縁組の申出をする際には細心の注意を払って欲しいところなので、あんな状況、つまり、みんなが揃っているところで、当事者である育生さえ了承していない話を切り出すのはやめてほしいなと、依頼人に願うところです。

 

 

実際、養子縁組の話は揉めることが多くあります。ドラマでも推定相続人たちがざわついていましたね。

 

 

ところで、会長のこの申し出に楓たちもびっくりしていましたが、

 

育生が会長の孫である楓の夫であっても、会長と育生の養子縁組は可能です。親族なのに縁組ができるのか?と思われる方もおられるかもしれませんが、できるんです!

 

 

ただ、気をつけていただきたいのは、離婚と縁組は全く別の手続きだということです。

 

つまり、万が一、楓が育生と離婚をしてしまったとしても、会長と育生の縁組にはなんの影響もありません。たとえ育生の浮気が原因で楓は離婚をすることになり(そんなことはないと思いますが)、それを会長が激怒したとしても、「楓と育生が離婚=会長と育生が離縁」とはならないのです。

 

このような場合は、別途「離縁の手続き」が必要となります。協議で「離縁」できなかった場合には、裁判をする必要も出てきます。

 

もし縁組を検討されている方がおられましたら、この点も含めて検討をするようにしてください。

 

 

 

 

ところで、楓の父・恒三も楓の母・陽子と結婚するときに、会長との間で養子縁組の話があったそうでした。

 

ただ、恒三の母が寂しがって、縁組はしなかったとのこと。

 

 

気持ちの上で、縁組をしてしまうと、なんだか実の親とのつながりがなくなったような気がするかもしれませんが、法律的には、そんなことはありません。

 

通常の養子縁組であれば、実の親との親族関係はそのままです。つまり、二人の親がいる状態となります。

 

とはいえ、法律的にそうであったとしても、感情は別ですもんね。

 

 

 

 

 

話をドラマに戻します。

 

 

ドラマでは、育生と楓が入籍をしていなかったことが楓らに発覚。

 

 

恒三からネチネチと嫌がらせ(?)されていた育生も、さすがに怒って、楓と家を出て行ってしまいました・・・。

 

ドラマはさらにドロドロしていく様相です。次回、事がどう動くのか、楽しみにしています。

 

 

 

最後に、育生と楓の婚姻届提出のシーンについて。

 

 

真っ二つに敗れてしまった婚姻届用紙を、テープで張り付けて強引に提出した育生。ドラマでは、その用紙を無事受け取ってもらえたのかもしれませんが、

 

 

実際には・・・

 

婚姻届出には二人の証人による署名等が必要ですが、あそこまで真っ二つになってしまえば、本当にこの二人の婚姻届出に証人が署名等したものかが明確とはいえなくなります。

 

 

民法739条2項は

「(婚姻の)届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で・・・しなければならない」と定めています。

 

 

つまり、証人2人の署名は、法律上必要な要件となります。

 

 

ここに疑義が生じる書面を受理してもらえる可能性は、極めて低いのではないか。個人的にはそう思いました。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.11.05

ドラマ「偽装の夫婦」第5話を観ました ~「幸せ比べ」より自分を大事にしましょう!~

ドラマ『偽装の夫婦』第5話を観ました。

 

 

 

【ネタバレ要素あります。まだドラマ『偽装の夫婦』第5話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

超治への想いが一方通行確定で、切なさに戸惑いながらも、ついつい超治を助けてしまうヒロ。

 

 

他人のトラブルに巻き込まれることを極力避けているはずなのに。やっぱり周りの人を「見て見ぬふり」はできないようです。

 

 

それぞれ一方通行の想いを抱えるヒロと超治ですが、二人が揃えば、周りの人を幸せにする力が備わります。

 

 

今回は、八重子ちゃんの様子を心配する二人。

 

 

聞けば、八重子ちゃんは、夫から離婚を切り出されているとのこと。でも、夫とは離婚をしたくない八重子ちゃんは、必死で夫にすがりついてしまいます。夫は、そんな八重子ちゃんにもう懲り懲りなのか、八重子ちゃんの姿を見た途端逃げ出す始末。

 

 

そんな自分の姿をヒロに見られた八重子ちゃんは、ヒロにこれまでの自分の気持ちをぶつけますが、ヒロから返ってきた言葉は、「幸せ比べはしない」

 

 

 

 

この言葉、八重子ちゃんの心にも響いたようですが、私の心にも結構響きました。

 

 

ほんと、考えてみたら、自分はこの世で一人だけ。この世界、同じ人間なんて一人といません。それなのに、全く異なる人と自分を「幸せ比べ」しても、そもそも比べられるものではないですよね。

 

 

辛い時ほど自分の気持ちを見落としがちですがm

人と比べてどうかではなく、自分がどうしたいのか、どう思っているのか。

改めて考えると大切ですよね。

 

 

 

弁護士とし相談を伺っていると、中には、

「離婚なんて人には言えない。絶対に離婚したくない」と話される方もおられたりしますし、「破産するって言えば、父に勘当されます」ということを言われる方もおられます。

 

 

確かに法的な手続きはひとつひとつ重大な結果も生じますし、楽観視することはできません。だからこそ、離婚や破産等について周りの目を気にされる方の気持ちもよく分かります。

 

 

でも、長い人生、やっぱり自分が笑って過ごすことが大切ですよね。

 

 

ドラマでも、八重子ちゃんは、子供達の笑顔をみて吹っ切れた様子。

 

 

 

「ドラマだからあんな簡単に話が進む」とお思いでしょうか?

いえいえ、実際の事案でも、そうだったりします。

 

 

気持ちが切り替わる瞬間って、案外、普通のことだったりするのかもしれません。

 

 

さてさて、ヒロと超治に関しては、

 

せっかく気持ちを告げようと思ったヒロですが、逆に超治が弟子丸君に告白をする決意をしてしまい・・・。

 

沢村一樹さんの演技についつい和ませていただいていますが、ヒロの気持ちを思うと切ないですよね。

 

 

次回も、どうなるのか楽しみにしています。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

2015.10.30

ドラマ「遺産争族」第2話を観ました。~ 妻の姓を名乗れば「婿養子」???~

ラマ『遺産争族』第2話を観ました。

 

今日は、ドラマの事例に当てはめながら相続手続きについて説明したいと思います。

 

 

【ネタバレ要素があります。まだドラマ『遺産争族』第2話をご覧になっていない方がいたらご注意ください。】

 

結婚により育生はこれまでの「佐藤」姓ではなく、「河村」の姓を名乗ることになります。

 

 

たまに、男性側が、結婚により妻側の苗字を名乗るようになると、それを「婿養子」と表現する方がおられます。

 

しかし、養子と、妻側の姓を名乗るのとは、法的意味が全く異なります

 

養子となれば、妻側の両親等と夫が養子縁組をすることであり、つまり妻側の両親等の「子」となります。

一方、妻側の姓を名乗るだけでは、妻側の両親等との間で法的な「親子」関係はできません。

 

ただ妻側の「姓」を名乗るだけでは、「養子」ではないのです。

 

 

 

 

河村会長と女性弁護士との話から、楓の父も、楓の母との結婚により、「河村」姓を名乗るようになったけれども、養子にはなっていないことがわかりましたね。

 

 

つまり、婚姻により、夫側が妻の姓を名乗るようになっても、相続手続きの中では、妻の親族とは「他人」のままなのです。(これは妻が夫側の姓を名乗るようになっても、妻と夫側の親族とは、相続手続きの中では他人と同様であることは同じです)。

 

 

なので、河村家の遺産については、楓の父も、そしてもちろん育生も、現在の状態では相続権はありません。

 

 

にもかかわらず、会長は、育生に「すべてを託したい」と発言。動揺する親族。

 

 

ここで、河村会長が亡くなられた場合の相続人および法定相続分を確認しておきましょう。

 

河村会長の妻はすでに亡くなっていますが、会長には3人の娘がいます。被相続人(相続される人)に配偶者がおらず子のみがいる場合、子のみが相続人となります。そして、法定相続分は、子であれば同列。つまり3人の娘の相続分は三等分ということになります。

 

 

「遺産」を期待していた娘たち。にもかかわらず、育生に「全てを託したい」という会長。

 

でも、たとえ、会長が「娘には一文もやらない」という内容の遺言書を作成しても、娘たちには「遺留分」という権利があります。

 

 

これは、遺言書等でも奪うことはできない権利です。

 

そしてこの遺留分は、被相続人の子どもたちの場合、法定相続分の2分の1まで(つまり河村家3姉妹の場合は、それぞれ6分の1の割合で)「保証されている」ということができます。

 

 

困った会長に、女性弁護士は「育生と会長が養子縁組をする方法がある」と提案しますが・・・。

 

 

ちょっと待って!!

 

 

それでも子どもたちの遺留分権を奪うことになりません

 

 もっとも、もし会長が育生と養子縁組をすれば、会長の子供は4人(育生と娘3人)とういことになります。

となると、子それぞれの法定相続分は4分の1となり、さらに遺留分割合はその2分の1ですから、つまり8分の1となる、つまり娘3人がそれぞれ主張できる遺留分権が、育生との養子縁組により「減る」という効果は期待できます。

 

 

次回はこの養子縁組をもきっかけに更なる波乱が生まれそうですが・・・。

 

 

さあ、どうなるのでしょうか。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.10.29

ドラマ「偽装の夫婦」第4話を観ました。 ~この結婚、動機となる部分に誤りがあったので無効?~

ドラマ『偽装の夫婦』第4話を観ました。

 

 

 

【ネタバレ要素があります。まだドラマ『偽装の夫婦』第3話をご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

ヒロの悩みは尽きません。

 

 

超治の母の病気が嘘であることが分かっても、超治の母と超治の関係を気にするヒロ。

女性との結婚を考えるようになった従兄弟のことも心配。

 

その上、ヒロには、まだ自分でもはっきり気付いていない「想い」を感じはじめ・・・戸惑っているようですね。

 

 

個人的には、妊娠が事実ではなかったことを超治の母に伝えることができて安堵しましたが、でも、それでまたヒロは悩みを抱えそうな感じでした。

 

 

ヒロの超治への気持ち、超治の保への気持ち。

 

 

沢村さんの演技に時折笑わせていただきながら、でも、その人の立場になって考えると、切ないななあ、としみじみ思ったりします。

 

 

今後、ヒロと超治の関係はどうなるのでしょうか。次回も楽しみです。

 

 

 

 

最後に、またまたドラマから話がはずれてしまいますが。婚姻に関する法律豆知識を。

 

前回の最後で、ヒロは、超治の母の病気が嘘であることを知ります。

 

ヒロと超治の結婚は、そもそも超治の、「病気の母を安心させたい」との気持ち(動機)から始まったのですが、では、この動機となる重要な事実に誤りがあった場合この婚姻はどうなるのでしょうか?

 

 

まず、婚姻ではなく、一般的な法律行為(例えば売買契約)の時の話をします

 

例えば、この土地の近くに駅ができるので、この土地を購入しようという場合。

 

買主が、売主に「この近くに駅ができるんですね。だからこの土地を購入します」と明確に説明をした上で土地を買ったが、結局、その土地の近くに駅ができなかった場合、買主は、この契約が無効であると主張できる可能性があります(民法95条参照。なお、この例のような錯誤を「動機の錯誤」と言います)。

 

 

 

では、ヒロと超治の結婚はどうでしょうか?

 

二人の間では、「超治のお母さんが病気だから安心させてあげたい」という明確なやりとりがあり婚姻届出に至りました。

 

であれば、先の売買契約と一緒で、この結婚は「なかったことにしよう」と言えるように思えますが・・・。

 

 

でも、婚姻に関する場合は、この動機の錯誤による無効というのは基本的に認められません。

 

もしこれが認められてしまえば、「この人はすごく優しいから結婚したのに、実際は全然優しくないから、この婚姻は動機の錯誤で無効だ」なんて言えるようになってしまうかもしれませんので、ある意味当然といえば当然なのですが。

 

 

ということで、超治のお母さんの病気が「嘘」だったとしても、それにより互いにこの婚姻は動機の錯誤により無効だと言うことはできないと考えられます。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

 

 

2015.10.23

ドラマ「遺産争族」第1話を観ました ~遺言書は作成しておくべきです!~

ドラマ「遺産争族」第1話を観ました。

 

 

なんだか怖いことが起こりそうなナレーションから始まりました。

 

 

 

でも、このナレーション、脅しばかりではないのです。

実務でも、本当に、相続って大変な時は大変なのです。

 

 

 

 

【ネタバレ要素があります。ドラマ「遺産争族」第1話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

カワムラメモリアルの創業者兼会長の病状が一時悪化したことから、体調を心配するとともに亡くなった後の「諸々」を気にし始める、会長の親族たち。

 

 

会長は無事退院しましたが、親族間で、会長の財産を「推測」し始めたり、「遺言状の有無」を探り始めたり。

 

 

会長は「遺言書はない」と言ったものの、実はすでに作成しており、今回、その遺言書を親族に秘密で作り直す様子。

 

 

 

そこで出て来た、遺言書専門の女性弁護士

 

 

随分仕事の出来そうな弁護士でしたね。

 

遺言書作成「専門」の弁護士というのは、大阪ではあまり耳にしませんが、当事務所でも遺言書の作成のご依頼を受けておりますし、遺言書作成を業務としている法律事務所は多いと思います。

 

それはやはり、遺言書が、亡くなられた方が、自分の死後、自分の財産について希望を通す「最大かつ最重要な手段」だからです。

 

 

もっとも、遺言書を作成したから「必ずトラブルが回避される」というわけでは、残念ながらありません。

 

 

私自身、ただ作成しただけの遺言書がトラブルとなるケースはこれまでたくさん見てきました。

 

 

だからこそ、折角遺言書を作成する以上は、法律を熟知し手続きを熟知している弁護士にご相談いただきたいと思うのです。

 

 

そういう視点で考えれば、ドラマで出てきた弁護士は、非常に頼れそうでしたね。

 

 

 

相続争いは、決して他人事ではなくなってきました。

ドラマのナレーションでもあったように、相続争いは、遺産の大・小に関わりません

 

 

相続争いは、被相続人の死亡後に発生することになるので、被相続人そのものの気持ちがついついないがしろにされてしまいます。

 

 

そんな中、きちんとした遺言書は、被相続人の気持ちを相続人に伝える最大のツールとなるのです。

 

本当に、一言「相続争い」と言えども、争点は多岐にわたり、場合によっては、家庭裁判所にも地方裁判所にも調停や審判、訴訟が係属するという事態が生じてしまいます。

 

 

しかし、「きちんとした遺言書」があれば、そのような事態を回避できる可能性が高まります。

 

 

 

このドラマを楽しみながら、このドラマが、皆様にとって、ご自身やご自身の親族の「相続」について色々考えていただく機会になれば、将来の紛争が減るかもしれない、そうなれば良いなと思います。

 

 

 

さて、会長はどんな遺言書を作成するつもりなのでしょう。

 

ドラマ「遺産争族」第2話を楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

 

 

 

 

 

 

 

 

2015.10.22

ドラマ「偽装の夫婦」第3話を観ました。~図書館館長が、この結婚に「待った!」をかけられるの?~

ドラマ「偽装の夫婦」第3話を観ました。

 

 

 

【ネタバレがあります。まだドラマ「偽装の夫婦」第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

ついに婚姻届出をしたヒロと超治。

 

 

ヒロ自身、超治と同様、結婚披露宴や婚姻届出については、断固拒否であったはずなのに。なぜが、婚姻届出等を拒否する超治とそれを推し進める超治の実母の板挟みになるヒロ。

 

パートナーの実母の気持ちや、パートナー自身の気持ちを慮るヒロ。それは超治とて同じ様子ですよね。

 

 

もうこれは立派な「理想の夫婦」と言えなくもありません(笑)。

 

ヒロの気持ちにも、何かが芽生え始めている様子?でしたね。

 

 

 

個人的に、沢村一樹さんの演技も、とても楽しませていただいています。

 

 

 

 

 

ただ、このドラマの第1話について書いた当ブログ(平成27年10月8日のブログ)でも記載したように、婚姻届出をしても、当事者に「真に夫婦になる」という意思がないと、婚姻無効事由ありとなってしまいます。

 

 

このドラマの中の話に限って言えば、仮に、この婚姻届出には「真に夫婦になるという当事者の意思がない」、つまり無効事由があるとしても、一体だれが、「この婚姻は無効だ」と訴訟等を起こすのかと考えれば、訴訟等を提起するような人はいない様子ですが。

 

 

・・・ん? ヒロとの再婚を夢見みる須藤さん(ヒロが勤める図書館の館長)は、この婚姻、どう思うのでしょうか?

 

 

 

 

ドラマからは脱線しますが、当ブログは法律事務所のブログ

 

 

ということで、ここはもう一歩、この問題に踏み込むことにしたいと思います!

 

 

ドラマの中の超治とヒロの様子からは、当事者には、「真の夫婦になろう」という気持ちは「まだ」あまりなさそうでした。(これから話がどうなるかはわからないですが。)

 

 

とすると、やはり無効事由があるということになります。

 

 

そして、婚姻の無効事由がある場合、判例は、当然に当該婚姻は無効になると考えています。

 

つまり、判決等を得なくても「当然に無効となっている」ということです。この婚姻が無効であると主張するために、わざわざ「この婚姻は無効である」という裁判等をする必要がないということなのです。

 

つまり、超治とヒロの婚姻届出は、「当然に無効」。つまり結婚していない状態といえます。

 

 

 

もっとも、そうはいっても、どこかでこの婚姻が無効と判断されない限り、基本的には戸籍の上では夫婦ですので、実務では、結局「婚姻無効の訴え」等を起こすこ場合が多くなります。

 

 

では、「超治とヒロのこの結婚は、無効だ」と主張できる人はだれなのでしょうか。

 

 

この婚姻が「当然に無効」である以上、全くの第三者も主張ができそうに思えますが、ただ、訴訟の大原則として、訴訟を起こすには「訴えの利益」というものが必要です

 

つまり、訴訟をする「利益」がある人しか、訴訟を起こすことはできないというものです。

 

 

夫婦当事者は当然主張できるでしょうが、この他、これまでの判例では、当事者の両親や子、相続人などが、主張する権利を有すると判断されています。

 

 

もっとも、「この婚姻が無効だ」と主張する利益は、感情的なものではいけません。「当事者の一方のことが好きだから」という理由で「この婚姻は無効だ」と主張することはできないのです。

 

 

なので、ヒロとの再婚を夢見ている須藤さんは、ヒロと超治の婚姻を「無効だ」と主張するのは難しそうです。

 

須藤さん、残念ですが・・・。とはいえ、ドラマの披露宴では、ヒロの結婚を須藤さんなりに祝福している様子でしたね。良かったです。

 

 

 

さて、(婚姻無効事由があるものの、)戸籍の上でひとまずは「夫婦」となったヒロと超治。二人の婚姻生活はどうなるのでしょうか。

 

 

 

随分ドラマの話から脱線してしまい恐縮ですが、次回もお付き合いいただければ嬉しいです。

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18

06-6364-7778

2015.10.15

ドラマ「偽装の夫婦」第2話を観ました ~ 「DV」を見逃さないでください ~

ドラマ「偽装の夫婦」第2話を観ました。

 

 

いつものように、このブログの最後に少し実務について書いています。ドラマと関係はないことかもしれませんが、最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

【ネタバレがあります。まだ「偽装の夫婦」第2話をご覧になっていない方はご注意ください。】

 

 

 

 

 

しおりからのプロポーズに戸惑いまくるヒロ。超治からの「偽装夫婦」の申出も収まる気配はありません。超治の母の怒涛のアプローチにも困惑。

 

 

 

できるだけ人と関わりたくないヒロ。

 

 

 

でも、超治は、そんな「自分を抑えるヒロ」を見逃すことはできず、もどかしさや怒りさえ覚えるのですが・・・。

 

 

 

あまりに頑ななヒロ。

 

 

 

それでも、超治が、ヒロが大切にしている家族の写真を必死で探してくれたことを知り、何かを感じるヒロ。ヒロの心が少しずつ開かれていくようです。

 

 

超治の「片手では拍手が出来ない」という言葉。本当にそうですね。

うれしいことでも興奮することでも、やはりパートナーの存在が、それを何倍にも素晴らしいものに変えてくれるのかもしれません。

 

 

ずっと一人で頑張ってきたヒロですが、超治との掛け合いの合間に人間らしさが垣間見られる様子が描かれていました。

 

 

今の日本では、戸籍上の性別が異性同士でなければ婚姻はできません。

 

 

でも、自分を支えてくれるパートナーは、きっと「異性」に限られる話ではないはずです。そして、さらに言えば、そのパートナーは、世界中で一人だけではないのかもしれません。

 

仕事のパートナー、趣味のパートナー、子育てのパートナー、相談相手・・・。

 

恋愛関係に関わらず、良きパートナー、そして、良きチームメイトがいる有難さ。人はそういう人々に支えられているのかもしれませんね。

 

 

女性(しおり)からの告白に戸惑い、対応しきれずしおり親子から逃げ姿勢のヒロですが、超治とのやりとりの中で、「親友」や「友達」の存在の素晴らしさを心で感じ取り始めた様子。

 

 

そんな超治を、親友として認めたのか(?)、今回、超治との「結婚写真の撮影」と相成りました。

 

 

 

 

次回は、「婚姻届出」についてのやりとりも描かれそうです。

また次回、このドラマ第3話についても書かせいただきたいなと思っています。

 

 

 

さて、最後に離婚実務に関する話

 

 

今回、しおりの前夫との離婚原因が明らかになりましたね。しおりの脚があのような状態になったのも、前夫のDVが原因ということでした。

 

実際の離婚事案でもDVの態様は様々ですが、しおりが受けたDVも相当酷いものであったことが窺えます。

 

パートナーからのDVに苦しんでおられる方の中には、家庭という限られた空間の中で、何が是で何が非がかも判断できなくってしまう方もおられます

 

 

実際、私たち弁護士もそういう方からのご相談を受けて、「もっと早く相談に来てもらえていたら」と思うこともあります。

 

でも、その渦中にある方は、それさえ判断し辛い状況にある場合があります。

 

 

どうか、もし皆様の周りでパートナーからのDVに悩んでおられる方がおられましたら、皆様は、じっくり、ゆっくり、少しずつでも、その方と外の世界とをつなぐ道になっていただきたいと思うのです。

 

 

そして、役所の相談機関や、弁護士事務所等に相談に来られるところまで見守っていただきたいと思います。

 

 

各機関との連携、接近禁止命令の取得、離婚手続き等、法律も色々な制度を設けています

 

 

実際、DV被害者の方の多くは、友人やご親族などの第三者と話をすることから道が開いています。

ゴールを見ると果てしない道のりに思うことも、まず目の前の状況をどうするかのみを考えることに絞って行けば、気付けばゴールなのです。

 

その最初の一歩が、相談機関への相談や弁護士事務所への相談である場合もたくさんあるのです。

どうか諦めないでください。 

 

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

2015.10.08

ドラマ「偽装の夫婦」第1話を観ました ~ 「婚姻の意思」がなければ結婚は「無効」?~

ドラマ「偽装の夫婦」第1話を観ました。

 

 

「夫婦もののドラマ」となれば、離婚問題に積極的に取り組んでいる当事務所のこのブログでも書かないわけにはいかない!(当事務所のこのブログに期待されている方はおられないとは思うのですが・・・苦笑)と思い観てみると、

 

 

天海祐希さんのさすがのオーラ―と、沢村一樹さんのお姉キャラの演技に、今後も楽しませていただけそうと思いました。

 

 

これから、「偽装の夫婦」になっていくのか・・・どうなのか、楽しみです。

 

 

 

【ネタバレ要素があります。まだドラマ『偽装の夫婦』を観ていない方はご注意ください。】

 

 

 

主人公のヒロ(天海祐希さん)は、何でも出来すぎるばかりに辛い気持ちを味わい過ごしてきて、今は本当の自分を出すことなく淡々と日々を過ごしています。

 

そんな中、偶然、学生時代に交際をしていた超治と出会い、そして超治(沢村一樹さん)から結婚を申し込まれます。

 

 

実は、超治は、男性が好きなのですが、病気の母親を安心させるため、ヒロに結婚を申し込んだのです。

 

 

ヒロは、学生時代に自分を振り、「男性を好き」と言う目の前の超治の申出を断りますが、

運悪く、自宅であった賃貸住居を追い出されたり、賃貸住居の修理費を請求されたりと困ったことに・・・。

 

 

ヒロの現状を知った超治は、ヒロを助ける代わりに、「偽装結婚」を求めます。

 

 

断り続けるヒロですが、超治が園長代理を務める保育園の園児らとの交流の中で、超治との距離も縮まって行きそうな気配。

 

 

第1話の最後には、保育園児の母親であるしおり(内田有紀さん)からの告白も受けるヒロ・・・。

 

 

これから物語はどんな風に展開するのでしょうか。しおりさんからの告白はかなり意外な展開でした。

 

今後も楽しみですね。

 

 

 

ところで、当事務所は法律事務所なので、このドラマの話に関して少し法律の豆知識を披露したいと思います。

 

 

民法742条は

「人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき」、婚姻は無効となると定めています。

 

つまり、当事者に婚姻をする意思がなければ、たとえ婚姻届出をしても、その婚姻は無効となるのです。

 

 

では、この「婚姻をする意思」とはどのようなものでしょうか。

 

 

婚姻届出をしようとする意思で良いのか真に夫婦となるとする意思が必要なのか?

 

 

もし婚姻届出をしようとする意思で足りるのであれば、仮に、ヒロが超治の申出を受け入れ二人で婚姻届出をすれば、その結婚は無効とはなりません。

 

 

しかし、判例は、「当事者間に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思が必要と解する」としています(『新家族法実務体系①』)。

 

 

つまり、超治とヒロがともに「真に夫婦となろう」という気持ちがなければ、婚姻届出がされたとしても婚姻の「無効事由」があるということになるのです。

 

 

 

 

あまりドラマと関係のある話ではなくて恐縮ですが、「へえ~」と思って頂ければ嬉しいです。

 

 

 

 

りんどう法律事務所(女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

 

2015.10.02

ドラマ「遺産争続」が始まります。

「遺産争続」というドラマが始まるそうです。

相続で争いになるのは、相続財産の多寡とは関係がありません。

争いになる時は、なります。

ドラマでは、向井理さんが演じる佐藤育生が葬儀会社の代表取締役の

娘と結婚し、その娘の祖父にあたる人物の相続争いを巡って、

ドラマが展開していくのではないかと思われます。

ドラマでは、何が問題となり相続争いが生じるのか分かりませんが

相続には、さまざまな法律の問題があります。

相続税法の改正もあり、相続に関心を持たれている方もいらっしゃると思います。

相続のことで、疑問がある時には、早急に専門家に相談されることをお勧めします。

ドラマの放送が始まったら、ドラマで問題となったことについてブログで

触れてみたいと思います。

*りんどう法律事務所 06-6364-7778*
 

2015.08.28

ドラマ「偽装結婚」が10月から始まるそうです。

 10月から始まるドラマに天海祐希さんが主演の「偽装の夫婦」

 

というタイトルのドラマがあるそうです。

 

45歳の独身女性の主人公が、元恋人と再会し、

 

偽装夫婦を演じることになることからドラマが展開する様です。

 

偽装夫婦とは、婚姻生活の実態のない夫婦で、夫婦というからには

 

婚姻届は提出されています。

 

 

婚姻には、婚姻の意思が必要です。婚姻の意思を欠く婚姻は、

 

無効となります。

 

 

婚姻の意思とは、社会生活上夫婦と認められる関係を作ろうとする意思と

 

婚姻届を提出しようとする意思であるといわれています。

 

 

偽装結婚は、やはり、婚姻の意思を欠くので、無効でしょう。

 

しかし、届出時に婚姻意思が存在しない無効な婚姻でも、

 

当事者間に夫婦としての実質的生活関係が存在し、かつ、

 

のちに届出の事実を知ってこれを追認したときは、

 

追認によって、届出の当初に遡り有効とするという判例があります。

 

 

ドラマがどのような展開になるのか、楽しみです。

 

*******************

りんどう法律事務所(女性の弁護士事務所)

大阪市北区西天満3丁目13番18号

06-6364-7778

*******************

2015.07.23

HEROのドラマが再放送されていますね。

HEROの映画が公開されました。

映画公開の併せて、関西では、ドラマの再放送がされているようです。
先日、偶々そのことに気が付き、ドラマを観始めると、おもしろい!!

私の世代には、雨宮事務官と久利生検事のコンビがしっくりくるな・・・
と思います。


HEROは、型破りな検事ということで注目されたドラマでしたが、
検察には、検事だけではなく検察事務官という職種の人がいることも
知ることができるきっかけになったのではないかと思います。

ドラマで観かけることはあまりありませんが、裁判所には、裁判所書記官、事務官という職種の人がいます。
ニュースの映像で法廷の場面で、裁判官が坐っているところの一段低いところに坐っている人がいると思いますが、その人が裁判所書記官です。
ドラマでも、法廷のシーンでは書記官が坐っていることもあります。

これらのドラマでは、検察事務官、裁判所書記官に注目されてもよいかもしれませんね。

**********************
りんどう法律事務所(大阪の女性弁護士の事務所)
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
**********************
 

2015.06.29

映画「HERO」の前作の法廷シーンは重みがありましたね。

ドラマや映画の法廷シーンを見ると、よく「わ~この法廷、格好いいな」「ステキだな」「渋いな」などと感想を抱くことも結構あります。

映画「HERO」・前作の法廷もそうでした。

渋みのある裁判官に、重厚感のある法廷。大物証人が出てくるシーンに華を添えていたと思います。

実際の法廷は、基本的に窓もありません(窓がある法廷があるのかもしれませんが、私は見たことはありません)。とはいえども、もちろん照明もきちんんと整備されており、明るいです。

彫刻が施されたような椅子や机もありません。

このように書くと、実際の法廷に重厚感がないように感じられるかもしれませんが、そこはやはり数々の裁判を行ってきた場所です。

実際に、刑事裁判などで裁判官が席に着き、被告人が入廷してきたときなどは、かなりずっしりとした気持ちになります。

傍聴席には、事件関係者の方もおられますし、裁判官も検察官も、私たち弁護人も、生半可な気持ちでは向き合っていません。

学生時代、初めて刑事裁判を傍聴した時には、じわっと体中に汗が滲む感覚になったのを覚えています。

夏になると勉強のためか法廷傍聴に来られる学生さんをよくみるようになります。

実際の法廷は淡々と進んでいるように感じる方も多いかもしれませんが、多くの人の人生に関わる大きな瞬間であることに違いはありません。

もし傍聴される機会があれば、法廷が、関係者にとって大きな意味を有する場所であること忘れず、その裁判の「立ち合い人」になるという気持ちで臨んで頂ければと思います。

りんどう法律事務所(大阪・女性弁護士による法律相談)

大阪市北区西天満3丁目13-18 

06-6364-7778

2015.06.26

映画「HERO」が公開されます

 映画「HERO」が7月18日に公開されます。

 
 
昨年のドラマでは登場しなかった松たか子さん演じる雨宮舞子が
検事となって登場します。
 
 
雨宮検事は、大阪地方検察庁難波支部に所属しています。
現実に難波支部はありませんが、親しみのある地名です。
 
久利生検事の所属する東京地検城西支部のメンバーも変わらず
出演されるようです。
 
 
映画では、治外法権が問題となり、久利生検事の捜査を妨げます。
治外法権は、簡単にいうと外国人がその国の法律にしたがわなくてもよいという特権のことで、HEROでは、大使館への捜査が治外法権によって阻まれます。
 
映画では、どうやって久利生検事が真実を追求するのか、そして、久しぶりに
登場する雨宮検事とのやり取りがとても楽しみです。
 
 
**********************
りんどう法律事務所(女性弁護士の法律事務所)
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
**********************  

2015.02.20

ドラマ「リーガルハイ1」第6話を観ました。

関西地方では、リーガルハイの1シーズンが再放送されています。
昨日の第6話は、「離婚」がテーマでした。

芥川賞受賞作家の夫と元フリーキャスターである妻は、おしどり夫婦を演じていましたが、
とうとう離婚することになります。

夫側を古美門弁護士、妻側を古美門弁護士の元妻である圭子・シュナイダー弁護士が務めることになります。
夫は妻の浪費と暴力的な行動を指摘し、妻は夫の浮気を主張し、慰謝料3億円の支払いを求めます。

夫の浮気相手は、覚えているだけでも18人!!ということでしたが、
夫は、破綻後の抗弁を主張しますが、裁判は泥沼化します。

ドラマでは、調停のシーンはなく、法廷での尋問シーンがありました。
妻の尋問途中で夫と言い争いをしていましたが、
双方に代理人が就いている場合、法廷で夫婦が話をすることは原則ありません。
ましてや言い争いをしてしまうと、場合によっては退廷を命じられることもあります。


最終的に、圭子・シュナイダー弁護士からヒントをもらった黛弁護士の起点で裁判は大きく動き、黛弁護士が目指していた、円満な離婚(何が円満な離婚か定義することは難しいのですが)となります。
古美門弁護士と圭子・シュナイダー弁護士の掛け合いは息が合っていて、お似合いでしたし、お互いを思いあっているようなシーンもあり、この夫婦の離婚も円満な離婚だったのかなと想像させられました。

********************
りんどう法律事務所(大阪の弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
********************

2015.02.19

ドラマ「全力離婚相談」第7話(最終回)を観ました ~ 夫、妻、そして子ども ~

ドラマ全力離婚相談第7回(最終回)を観ました。

【ネタバレがあります。ドラマ「全力離婚相談」第7回をご覧になっていない方はご注意ください。】

佳苗ちゃんの苦しみ、竹内弁護士の苦しみ、稲垣さんの苦しみ。それぞれが表現されていました。


10年前に佳苗ちゃんが書いた「ママには会いません」という内容の手紙。


ても、今の佳苗ちゃんは、「10歳の子が書いた手紙をそのまま信じるなんて」「お父さんに気を遣って書いた」と話します。

佳苗ちゃんは、お父さんにも「母親の悪口をずっと言われて苦しかった」と感情を爆発。


実際の離婚事件でもいつも思うことですが、離婚事件の当事者は、夫と妻だけではないのです。その間にいる子どもにとっても大切なことが決まることがたくさんあります。


離婚をすれば夫婦ではなくなりますが、でも、子どもの父親と母親であることには変わりがありません。


そこを当事者のお二人の中でどう理解し整理していくのか、非常に難しい時もありますし、事案によっても様々です。

ただ、夫、妻にとってこの離婚が決してマイナスになることのないように願うのと同じく、その間の子どもにとってもマイナスにならないような離婚になればよい、そう思っています。


佳苗ちゃん、竹内弁護士、そして稲垣さん。それぞれにとってこの10年はたくさんの苦しみを感じながらの生活だったのかもしれません。

でも、それぞれに話し合う機会を設け、そして相手の立場を考えることが出来た結果、ドラマでは、改めて親子の一歩を始められそうでした。

佳苗ちゃんにとっては、竹内弁護士は、恋しい恋しいお母さんということなのでしょう。

そして、それは決して、稲垣さんが「良くない父親だった」ということではないのです。

つまるところ、佳苗ちゃんは、お父さんもお母さんも大好きだったということなのだと思います。

*************************

離婚事件では、多くの事情を依頼者の方から伺い、それをどう捉えて行くのかを検討する必要があります。

それには莫大な時間を要する時もありますし、圧倒的な感情にどう対応していけば良いのか難しい時もあります。


そして、時に弁護士は、依頼者でない子どものことや、相手方の今後を考える必要もあります。


そう意味では、法律問題でない部分も非常に大きいのです。


このような離婚事案は、弁護士によっても対応はまちまちです。積極的に取り組みたいと思う弁護士もいれば、そうではない弁護士ももちろんいるでしょう。


弁護士のやり方もそれぞれですし、そこには、依頼者の方との相性というものもあるかもしれません。


ただ、竹内弁護士のように、「離婚事案」への並々ならぬ思い入れがあるのであれば、それは代理人活動の原動力になるはずです。

少し意味は違うかもしれませんが・・・。「好きこそ物の上手なれ」。


今後も離婚事案への熱い気持ちをもって、一つ一つのご相談に取り組んでいきたい。そう思ったドラマでした。


りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2015.02.13

ドラマ「全力離婚相談」第6話を観ました ~夫婦そろっての相談の場合~

ドラマ「全力離婚相談」第6話を観ました。

竹内弁護士の離婚の際の出来事も明らかになりました。

夫婦の間では、つい感情的になり互いに言い過ぎてしまうことがあります。そのことが、それからの10年、ずっと影響を与えてしまう。言われた方からすれば、それは当然かもしれませんが、言った方からすれば本心というものではなかったのに・・・。

そういうことって、皆様も経験したことありませんか。

ただ、言われた方からすれば、言った方の本心であろうとなかろうと、心に残り続ける言葉があるのも事実です。


【ネタバレがあります。ドラマ「全力離婚相談」第6話をご覧になっていない方はご注意ください】


今回の相談者は妻と離婚をしたい男性です。ただ、この男性の相談に妻が同行します。
妻は「絶対に離婚はしない」とのこと。離婚したい夫と、離婚したくない妻。二人の相談を一度に聞き、どうしようかと悩む竹内弁護士。


実際、弁護士が依頼者の夫と、相手方である妻から、このような話を聞くというのはちょっと考えられません。依頼者の夫の代理人として妻と協議をするというのであればあり得ますが、まさにこの事案は「利益が対立している」のです。双方が依頼者となり得ないのです。両方の願いを叶えようとすると「利益相反」となり、弁護士法で禁止されている状態となります。


それぞれ二人の話を聞いていくにしたがい、竹内弁護士は、夫婦の間の長女が亡くなったことから夫婦仲がおかしくなってしまったことに気付きます。そして、夫が主張する妻の「浪費」は、長女を失った悲しみから出たものであると考えた竹内弁護士は、妻とじっくり話をする方法を選択。


この竹内弁護士の妻に寄り添うやり方は、残念ながら、弁護士としては難しいところです。依頼者である夫に、事の状況を説明することなく進めて行くことには、弁護士としては抵抗を感じる部分でもあります。


ただ、夫もしくは妻の話をそれぞれじっくり聞いていくと、離婚ばかりがこの夫婦にとっての解決ではないと感じるケースがあるのも事実です。


弁護士は、弁護士法によって、双方の代理人になったり相談を受けることは禁止されていますが、例えば自分が離婚したくない当事者の代理人になった場合には、どうして相手が離婚を考えるようになったのかを、一緒に依頼者と考えるところから始めます。そして、どうして依頼者が離婚したくないと思うのか、そこについてもじっくりと考えます。


離婚事案というのは、決して法的問題ばかりではないのです。調停や訴訟でやりとりをする以外にも話し合わないといけないことはたくさんあります。


そういう意味では、依頼者に寄り添おうとする竹内弁護士の姿勢は本当に素晴らしいと思います。


竹内弁護士自身の問題、つまり佳苗ちゃんのことですが・・・。

父親と一緒に東京に帰った佳苗ちゃんでしたが、竹内弁護士と向き合うため名古屋に戻ってきます。

そして、竹内弁護士から聞いた「真実」。つい言ってしまった、決して言ってはいけない言葉に苦しみ続けた竹内弁護士。佳苗ちゃんは、この「真実」にどう向き合うのでしょうか。

次回、最終回を迎えます。


りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2015.02.04

ドラマ「全力離婚相談」第5話を観ました ~相談者と事案当事者が異なる場合~

ドラマ「全力離婚相談」第5話を観ました。今回のタイトルは「娘の決断」。

【ネタバレがあります。まだドラマ「全力離婚相談」第5話をご覧になっていない方はご注意ください】

今回の相談者は、娘を心配した女性です。仕事を転々とする夫と別れたいと言っている娘のために相談に訪れたと、竹内先生に説明します。


早速ですが、ここで少し実務での話を。

事案当事者本人ではないご相談でも、場合によっては相談のみの対応はさせていただくことがあります。ただ、本格的に受任するということになると、やはり事案当事者御本人からのお話を聞かずして進めることはできません。

弁護士が事件を受任する際には、特別の事情が無い限り委任契約書を作成する必要がありますが、その委任契約書の作成は、弁護士と事案当事者御本人となります。そして、委任契約締結の際には、原則としてご本人に契約内容等の説明をしご納得いただくことが必要となります。


この意味でも、弁護士は事案御本人と面談をさせていただきます。


また、事案についての内容をご説明いただくのは、はやり御本人からが一番分かりやすくもありますし、なにより、離婚等については御本人に意思が一番重要です。


このため、弁護士は、御本人からのお話を聞かずに処理方針を定めたりすることはできないのです。

ということで、ドラマでも、竹内先生は相談者の娘さんに直接お話を聞くことにしますが・・・


約束の日に相談室を訪れた娘さんに同行している相談者。娘と相談者の話を聞きながら竹内先生は複雑な表情をしていましたね。


もちろん、身内の方や親しい友人が同行されることに問題はありません。場合によっては、同行者がいていただいた方が、御本人も話がしやすいとも思います。法律事務所というものに、敷居の高さ感じておられる方もまだまだおられるようですし、もし同行者がおられることで落ち着いてお話ができるのであれば、むしろ同行者の存在は有難い場合もあります。


ただ、弁護士としては、何より御本人からのお話を聞きたいのです。

御本人よりも積極的に話される同行の方がおられる場合は、事案の把握が難しくなってしまうこともあります。


事案の把握こそ事案解決に不可欠なのです。御本人に心からのお気持ちを聞かずして取り組むことはできません。


ということで、やはり竹内弁護士は、御本人だけで話をきくことにこだわります。


そのことを理解できない佳苗ちゃん。竹内弁護士と佳苗ちゃんの間での過去の出来事が壁となって、佳苗ちゃんは余計に竹内弁護士の考えを否定してしまいます。


佳苗ちゃんと竹内弁護士の「過去」がだいぶ明らかになってきましたね。親と子、それぞれの想いを想像すると、切ない気持ちになってしまいます。


10年もの間面会交流さえ行われていなかった様子。一つの事実が、長い月日の断絶により、それぞれにとって異なる側面を持つようになっているのかもしれません。

10年間母親と交流をしなかった佳苗ちゃん。母親が自分を「捨てた」との考えをますます頑なにする期間だったのかもしれません。一方、竹内弁護士は、10年間、娘が自分を拒絶したと思い続いていたのかもしれません。

10年間面会交流なし。この事実だけでも、見方によっては全く異なる印象を持つ可能性は十分にあります。


色々思うところがあった佳苗ちゃんですが、それでも佳苗ちゃんは、竹内弁護士との「親子の絆」を感じた様子。

佳苗ちゃんの尽力で、竹内弁護士は相談者の娘から直接話をきくことだけ可能になります。

そこで知った相談者の娘(依頼者)の気持ち。


最後、夫婦が諦めずお互い想いった答えを出したことは、とてもうれしいところでした。


相談者(娘の母親)の胸中は複雑でしょう。でも「初めて娘が私に逆らった」「潔く」との言葉。その時の表情。

もしかしたらお母さんは、娘がそれほどに想う人と出会えたこと、そして夫婦になれたことをうれしく思うのかもしれません。

親の気持ちを考えれば、きっとそうだ。そう信じたいです。


りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

2015.01.29

ドラマ「全力離婚相談」第4話を観ました。 ~モラハラが問題となる事件では~

ドラマ「全力離婚相談」第4話を観ました。

 

竹内弁護士自身の離婚の事情も明らかになってきましたね。

 

 

 

【ネタバレがあります。ドラマ「全力離婚相談」第4話をまだご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

 

今回の竹内弁護士の依頼者は男性。「あなたと離れたい」との置手紙を残し家を出た妻を、夫は、周りの評判も気にして自分で探そうとはしません。

 

竹内弁護士への依頼は、妻の居場所を探してほしいというもの。聞けば、依頼者は「妻と会いさえすれば、自分が話して連れ戻せる」とのこと。

 

妻が出て行った事情もわからずどうすれば良いのか悩む竹内弁護士。一先ず妻の実家をあたることにしますが・・・。

 

 

 

 

一方、妻は、従前から夫の言動を記録し、離婚の準備をしていた様子。妻の代理人は、竹内弁護士が最近まで所属していた水野法律事務所の杉浦弁護士です。

 

どうやら妻は、夫の「モラルハラスメント」により離婚を決意した様子。

 

 

ここでも出てきました「モラルハラスメント」

つい最近報道された芸能人夫婦でも一部報道ではこれが問題となっているようですね。

 

最近この「モラルハラスメント」が主張される事案は、実際にも増えています

 

ただ、「モラルハラスメント」という法律用語はありません。

 

実際の離婚事件で重要なことは、夫もしくは妻の言動が「モラルハラスメント」にあたるかどうかということではなく、その言動がどのようなもので、どのような状況で行われ、そしてどのような苦痛を受けたのか、それを深く理解し、これが婚姻継続にあたってどれほどの事情になるのかを検討することです。

 

そういう意味では、「モラルハラスメント」を主張する、もしくは主張される事案は、各弁護士が、これまでの離婚事件の経験や家庭生活での経験を総動員し、対応しなければなりません。弁護士自身が独りよがりになってはいけない、私もそう思いながら、事務所の弁護士と検討を続けています。

 

 

 

ドラマでは、妻が取っていた記録の内容の一部が明らかになっていました。仮にあのようなことが頻繁にあったのであれば、妻も大変だったと思います。離婚を考える妻の気持ちもよくわかります。

 

ただ、ドラマでは、あくまでも一部のみが明らかになっていただけなので、実際の事案で検討した場合、これは裁判で離婚が認容される程度の離婚原因にあたるかどうかは不明でした。実際の事案では、全ての証拠を精査し検討していくことになると思います。

 

 

とはいえ、これはあくまでも裁判になった際に「離婚が認容されるかどうか」という視点での話です。妻が離婚を決意するという事情は、妻側の気持ちもあるので、また別の話なのかもしれません。

 

 

妻の思いを、偶然夫婦が営む店の従業員の話から感じ取った竹内弁護士。

 

ドラマは、最終的に、竹内弁護士が依頼者にも言わずに提案した離婚協議案で話がまとまります。決して離婚事案は、離婚だけが解決ではない、まさにそれを形にした結論とも言えました。

 

 

実際にも、離婚事案が、別居の合意等で解決するケースはあります。夫婦は本当に様々なのです。

 

水野弁護士が言っていた弁護士の仕事のやり方に、絶対的なハウツーはない」「特に離婚事案ではという言葉。本当にその通りなのです。

 

 

だからこそ、離婚事案でお悩みの方は、「相性」も考えながら代理人を選んでいただきたいと思っています。代理人とよく話をして、一緒に事実と向き合えるのか、この視点は、どの弁護士に依頼されるかを考える場合、非常に重要と思います。

 

 

 

 

ところで、最後に、ドラマのことで少しだけ。

 

竹内弁護士の提案する協議書の内容に、依頼者もびっくりしていましたね(笑)。依頼者のこと、妻のこと、みんなのことを考えれば一つの立派な解決方法ではありますが、さすがに依頼者と検討することなく協議案を相手方に提案することはまずあり得ません。

 

やはり、弁護士は依頼者と一緒に解決をみつけていくのが仕事なのです。

 

 

 

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)

大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

06-6364-7778

 

 

続きを読む

2015.01.26

ドラマ「最後の証人」を観ました。

 ドラマ「最後の証人」を観ました。

殺人の裁判がテーマのお話でした。

被告人は、裁判で無罪を主張しています。
しかし、客観的証拠は、被告人が犯人であることを示す物ばかりです。被告人の弁護人に就任した佐方弁護士は、元検事で
法律家として自分の信念にしたがって弁護人としての活動をします。


そして、佐方弁護士は、検察側の証人の証言から、一見、事件と関係がなさそうな
ことから事件の真相を解明するための重要な事実を突き止めます。
被告人は無罪となりますが、事件の背景に潜む隠された事実は、
とても悲しいものでした。

佐方弁護士が弁護人に就任したのは公判の前日でした。
裁判員裁判では、公判の前に公判前整理手続というものがあり、被告人が無罪を
主張しているならば、被告人が逮捕された後からこの手続の間のもそれを立証する証拠を集めることになります。
この準備期間無く、いきなり公判から弁護人になり、無罪を立証することは、
現実には、とても困難ことです。

上川隆也さん、大杉漣さん、石黒賢さん、松下由樹さん、紺野まひるさん、倉科カナさんら豪華な出演者の演技はさることながら、ストーリーも見ごたえのあるお話でした。

原作本があるそうなので、一読してみたいと思います。

********************
りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
********************

2015.01.23

ドラマ「全力離婚相談」第3話を観ました ~夫の秘密は離婚原因???~

ドラマ「全力離婚相談」第3話を観ました。

今回のタイトルは「夫の秘密」

夫婦といえども、配偶者に対する秘密は多かれ少なかれあるでしょう。その秘密の内容、程度によっては、離婚原因になることもあります。

たとえば、妻に隠れて、自分のギャンブルなどに使うために行った借金。
これも程度によっては、離婚原因となり得ます。

さてさて、ドラマで問題となった「秘密」とはなんだったのでしょうか・・・。


ネタバレがあります。まだドラマ「全力離婚相談」第3話をご覧になっていない方はご注意ください。】

開設した竹内美晴離婚相談所法律事務所に、初めての相談が。

相談者は、結婚1年の女性。夫に女性の影がある。もし夫に女性がいるのなら、別れようとも思っているとのこと。

聞けば、女性の夫は、女性より10歳年下のイケメンさん。女性は、職場でそのことをやっかまれたりもしており、女性自身、少し感情的いなっている様子です。

女性の依頼は素行調査。竹内弁護士は悩みながらも、テツさんの力を借りて調査に乗り出します・・・。


何度もこのブログで書いているのですが、実際のところ、弁護士自身が素行調査を行うことはまずありません。そもそも、スキルがないですし、他の依頼事案にも携わっている中で、尾行調査など現実的にも厳しいところです。

ドラマでよく弁護士自身が調査をしているシーンが描かれますが、このような業務が弁護士の本来の仕事ではないのです。

確かに、探偵業者等に依頼すると金額もかかりますし、「自分でできたら、依頼者の費用負担も少しはらくになるかも」と思うことはあるのですが、未熟なスキルで自分が調査を行えば、かえって依頼者に迷惑にかかることにもなりかねません・・・。

なので、弁護士自身が素行調査するということは、まずないのです。


そして、探偵業者へのご依頼などは、依頼者自身で行っていただく必要があります。もっとも、探偵業者も様々です。依頼者のほとんどが探偵業者に依頼した経験がなく、どのような業者が良いのかわからないことが多くあります。

このため、実際、弁護士事務所が探偵業者を紹介することもあります。

話がそれてしまいましたが(いつものことで、申し訳ありません)、もし探偵業者への依頼等を検討されている方は、事案によってはその前に弁護士にご相談いただいた方が良い時もあると思います。


さあ、話をドラマに戻します。


夫の素行調査を始めた竹内弁護士たち。そして、夫の秘密・・・・・・・・「女装」に突き当たります。


困惑する竹内弁護士たち。しかし事実を正面から受け止めなければ事案が前には進みません。

頑張って、「女装」(竹内弁護士にもこの言葉があたるのかは不明ですが。笑)までしてサロンに乗り込む竹内弁護士たち。

そして、夫の気持ちを知ります。

竹内弁護士は、そのまま、つまり真実のまま、依頼者に説明をしめす。女装した夫の写真付です。

このことをすぐには受け止めきれない妻。妻の困惑も理解できます。

多くの人は、夫婦である以上、相手の「秘密」をなかなか許容できません。例えば、「今日はどうして帰りが遅かったの?」という質問に「別に・・・」という回答だと、それだけで不安や猜疑心を煽ります。


その秘密が「夫の女装」となれば、どうなるのでしょう。

こればかりはその人、ご夫婦によりますので、難しい判断です。もうこれは法律でというより、まさに個々の夫婦による事情となるのでしょう。

竹内弁護士が出したアドバイスは、「とにかく話し合うこと」。

そうですね。依頼者の話を聞いていると、話さずに結論を出すことが望ましくないのがひしひしと伝わってきます。


話し合った夫婦が出した結論は、婚姻関係の継続。なによりも依頼者のすっきりとした気持ちがうれしい竹内弁護士なのでした。


もし、「夫に女装趣味がある」「離婚したい」という事案があれば、どうなるのか。

弁護士として色々と考えましたが、多分、女装趣味だけではなくご夫婦のこれまでの話をもっと詳細に伺ってから検討することになるのだろうと思います。

夫婦には夫婦の事情がある。そして個人には個人の事情がある。そのことを忘れることなく業務に励む必要がある、改めてそう思いました。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

続きを読む

2015.01.15

ドラマ「最強の法廷」を観ました。

ドラマ「最強の法廷 裁判官桜子と10人の評決」を観ました。

殺人事件の裁判員裁判がテーマでした。
裁判員が選任されるところから、公判、評議、判決言渡しという流れで話が展開していきます。

弁護士は、就任禁止事由にあたるので、裁判員に選任されることはありません。
そのため、評議を経験したことも今後することはないので評議でどのような話し合いがされているのか興味深く観ました。

検察官は、殺人罪で起訴し、弁護人は、傷害致死を主張していました。
評議では被告人に殺意があったかなかったかとことが争点となりました。
最初は、被告人は殺意があったという話になるのですが、ある一人の
裁判員の発言により殺意というよりも、被告人は犯人でないのではないかという
疑いが生じます。

評議では、公判中、被告人の妻が「最後にするといっていたじゃない」と被告人に向かって叫んだ言葉が、計画的な殺人を示す発言か単純に終わりにすると言っていただけなのかが話し合われます。
1つの言葉や発言の評価によって、結論が大きく変わってくる可能性があります
これは、刑事裁判、刑事事件だけでなく民事事件でも同じだと思いますし、
家事事件でもそうだと思います。

最終的に、被告人は、犯人ではなく無罪が言い渡されます。
そして、真犯人も逮捕され事件は解決して終わりました。

*******************
りんどう法律事務所(大阪・女性弁護士)
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
*******************

2015.01.14

ドラマ「全力離婚相談」第2話を観ました ~親が離婚するとき姉妹ばバラバラに?~

ドラマ「全力離婚相談」第2話を観ました。

今回のタイトルは「男と女のプライド」。男性であろうと女性であろうと、もちろん人にはプライドがありますよね。でもプライドより守るものがある時は、人はどうしたら良いのか。

自分のことでも振り返って考える時、「あの時どうして些細なことに拘ってしまったのか」ということもよくあります。

相談者の話を聞いて竹内弁護士にある気持ちが芽生えてきます・・・


【ネタバレ要素があります。まだドラマ「全力離婚相談」第2話をご覧になっていない方はご注意ください】


事務所を退職した竹内弁護士に、前の離婚案件の相手方が相談者を連れて訪ねてきます。


相談者は、中学生の双子の女の子。母親が離婚を求めるようになり、自分たちの今後が心配とのこと。


これに対して、竹内弁護士は「あなたたちの年齢では、親権について意見が通らないこともある」「姉妹が離れ離れになる可能性もある」と説明をします。


早速、親権の話です!


いや、相談の本題は離婚回避なんですが・・・。
親権は離婚相談の中で重要な部分を占めるところですので、親権の話を少しさせていただきます。


実際、裁判所の手続きで親権等が問題になった時、その問題となっている子どもが15歳以上であれば、裁判所は子どもの意見を聞くことになっています。

14歳以下だと、必ずしも子どもの意見を聞くことにはなっていませんが、ただ、その子どもの発達状況などに応じて適宜裁判所は子どもに意思を聞くことがあり、実際、14歳以下の子でも意見を聞く場が設けられることが多くあります。


とはいえ、厳密には、必ずしも子どもの意見通りに親権者が決まるというわけでもありません。子どもの意思も一つの事情として、裁判所が他の事情と加味して親権者としては父と母どちらがふさわしいかを決めて行くことになります。

それから、

裁判所は、基本的に「兄弟姉妹を分離はさせたくない」と思っています。事情があれば別ですが、裁判所が兄弟姉妹の親権者を父・母に積極的に分けるという判断はあまりしないと思われます。


つまり、ドラマの相談に話を戻すと、姉妹ともに「母と暮らす」と言い、母も子どもを引き取ると述べており、その他の事情を見ても母が親権者になることに問題がなければ、姉妹は母と一緒に暮らすことになる可能性が高まります。


とはいえ、ドラマでの子どもたちの願いは、きっと離婚回避にあるのでしょう。


竹内弁護士は妻から話を聞き、妻が婚姻前は夫と同職にあったこと、出産に伴い妻は仕事を辞めたこと、リストラの対象になった夫を不甲斐なく思っており、自分が働いていれば良かったと思っていることなどを知ります。


そんな妻の話に過去の自分を思い出す竹内弁護士。
なんであの時「ありがとう」という言葉を夫に言えなかったのか・・・。そんな苦い気持ちから、この家族に全力で取り組んでいく竹内弁護士。


竹内弁護士は夫とも接触を試みます。

夫も夫で「プライド」故に家族に弱音を吐かず頑張っているのですが、その頑張りを家族に理解してもらえず苦しんでいる様子。それもそのはず。夫は家族にリストラされて減った収入をアルバイトで補っていることを話していなかったのですから、家族が夫の頑張りや苦悩を理解することはできません。


そんな夫婦を他人事とは思えない竹内弁護士。妻に自分の後悔を話し、家族に夫のアルバイトの姿を見せます。


そこでプライドを超えるものを見つけた家族。

大きな案件ではなくても、相談者の心からの笑顔が見れることにうれしさを感じた竹内弁護士。

そして、離婚案件への熱い思いに気付いて「竹内美晴離婚相談所法律事務所」という事務所を開設します。

さて、初めての依頼者は、どんな方なのでしょうね。次回以降も楽しみにしています。

************************************************

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2015.01.07

ドラマ「全力離婚相談」第1話を観ました ~子どもを連れ去れば刑事罰?~

昨日のブログで書いたドラマ「全力離婚相談」の第1話が、1月6日に放送されました。

主役が弁護士、そして、題名が「全力離婚相談」となれば、離婚案件を積極的に扱っている当事務所も見ないわけにはいきません。

それでは、早速、第1話について。


【ネタバレ要素があります。まだドラマ「全力離婚相談」第1話をご覧になっていない方はご注意ください】

主人公は企業法務をバリバリこなしている竹内弁護士。そんな竹内弁護士に離婚案件の声がかかります。

これに対する竹内弁護士の言葉は、「私に離婚(離婚案件をしろってこと)?」「なんかのイジメ?」「やる気も出ない」etc.

なかなかのお言葉です。

実際、離婚案件をあまり扱いたがらない弁護士がいるのも事実です。弁護士にも興味がある分野とそうでない分野もあります。

大企業をクライアントにして企業法務をばりばりこなし、大きな経済的対価をもたらしていた竹内弁護士からすれば、一つの家族の離婚案件に「やる気も出ない」というのもあり得る話ですが。

ただ、そのまま竹内弁護士の言葉を聞いていると・・・。どうやら弁護士として以外にも、「離婚案件」をしたくない理由がありそう。

竹内弁護士には、離婚経験があり、その上その離婚の際にとても辛いことがあった様子。


しかし、竹内弁護士はあくまでも水野法律事務所のスタッフです。水野法律事務所の中で力のあるクライアントからの御指名とあれば、引き受けざるを得ないところでしょう。


竹内弁護士の依頼者は、夫側。聞けば、妻が、一人息子を置いて1ヶ月前に家を出たとのこと。依頼者の希望は、親権を取得し、妻と離婚をすること。

依頼者から妻が家を出た理由を聞くことはできないまま、竹内弁護士は妻側から話を聞きます。

妻の主張は、「離婚は避けたい」「離婚となっても親権を取得したい」といった内容。家を出た理由については、やはり妻も話したがりません。

そんな妻に対して、竹内弁護士は、「仕事もない、収入もないあなたでは親権の取得は難しい」と話します。

これを聞いた妻は不安に駆られて、一人息子を幼稚園から「連れ去り」ます。

竹内弁護士の妻に対する交渉の仕方がまずかったためこのような事態になったと、依頼者も困惑、事務所内の弁護士も竹内弁護士を責めます。

竹内弁護士は、妻に連絡を試みて「母親でも子どもの連れ去りは刑事罰の対象になります」との留守番メッセージを残しますが・・・。

ちょっと待った!!!


実際のところ、この時点で「刑事罰の対象」とはいかがなものかと思います。子どもの「連れ去り」は確かに問題のある行為とも言えますが、それは子供の福祉の観点からの問題です。

法律的に厳密に言えば、親権者が夫と定まっているわけでもなく、離婚するまでの間の監護者が正式に決まっているわけでもありませんし、嫌がる子供を無理矢理奪取したわけでもないので、警察に相談をしたところで、まだ警察が動く可能性は低いです。「刑事罰の対象」とまでは言い過ぎです。

ただ、実務でも、「連れ去りは何ら問題なし」というものではなりません。監護者を定める時や親権者を定める時に、問題のある「連れ去り」がもしあるのであれば、それは一つの考慮要素に成り得るとされています。

また、ハーグ条約を批准した今は、海外で暮らしていた子どもを日本に連れて帰ったり、その逆があれば、一旦は、生活をしていた国に子どもを帰すように命じられる可能性が高くなります。

子どもの監護者、親権者が絡む問題は非常に難しいものです。できれば、このような問題が発生しそうな場合には、弁護士に一度ご相談していただきたいと、日々強く願っています。


話をドラマに戻します。


「全力離婚相談」第1話の題名は「母の涙」。その言葉が納得できる展開で、物語は進んでいきます。


子どもを何よりも優先する妻。それに苛立ちを覚えながらも、竹内弁護士の弁護対応に触れながら色々なものに気付き始める夫。


竹内弁護士の妻に対する態度に、依頼者側は「依頼者はだれなんだ!」と怒りをみせ、依頼者である夫の父親は、会社と事務所の顧問契約の解除を通告してきます。

でも竹内弁護士は自分の気持ちを優先させます。この背景には、竹内弁護士の離婚の時のことが影響しているようです。

物語の終盤、さらに意外な事実が発覚しますが、離婚に直面した夫婦が出した答えに、一つの解決の形が見えました。

離婚には様々な解決方法があります。それについて、依頼者の利益を追求することはもちろん大事です。ただ、依頼者の利益は様々です。第三者が「勝った」と思うことがそうでないこともあり、その逆もあります。

子どもの笑顔に、依頼者である夫も確かな「満足」を得たのではないでしょうか。

もしそれであれば、竹内弁護士の進め方は、本当に素晴らしいものだったとも思うのです。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2015.01.06

今年もドラマの紹介をします。

昨年は、ブログでドラマの紹介と感想を綴ってきましたが、今年も続けていこうと思います。

1月から始まるドラマで気になるのが、NHKで放送される「全力離婚相談」です。

タイトルだけでインパクトがありますが、真矢みきさん演じる女性弁護士が
離婚相談室を立ち上げ、さまざまな夫婦間の問題を解決していくそうです。

離婚相談室ということなので、法律事務所とは違うのかどうか
わかりませんが、女性弁護士自身も離婚の経験があるそうで
自分の問題も解決していくようです。

離婚は、法律の争点は、親権、財産分与、慰謝料と類型化できますが、
具体的事実は夫婦、家庭それぞれ全く異なります。
ドラマでは、どのような夫婦が描かれるのか注目したいと思います。

******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************

2014.12.25

ドラマ「女はそれを許さない」を観ました

ドラマ「女はそれを許さない」最終話を観ました。

今回は、前回の続きで、交通事故案件でした。
当初、事故原因は運転手の居眠と言われていましたが、民事裁判では、運転手が過去に危険ドラッグを使用し交通事故を起こしていたことが発覚し、今回の危険ドラッグを使用したのではないかとの疑いが生じます。

☆☆ネタバレがありますので、ご注意ください☆☆

結局は、運転手が運転していた車のブレーキがきかなくなることがあるという車の欠陥により起きた事故でした。
被告(運送会社)の代理人弁護士は、リコール隠しをするために本当の事故原因を隠ぺいしようとしたのです。


麗弁護士のボス弁である忠守弁護士が過去に運転手の刑事弁護を担当していたことが分かり、民事事件の遺族家族(依頼者)からの信頼を失いますが、忠守弁護士は、運転手の家族から、運転手は更生し危険ドラッグはしていないと聞き、その言葉を信じ、事故の真相を解明したいと遺族側に申し出て、代理人を続けることになります。


今回は、法廷のシーンで、期日に突然証人申請をしていましたが、通常の民事事件で証人を追加することは、ありません。
リコール隠しがわかった経緯も現実には、あそこまでスムーズにはいかないな・・・と思いましたが、それはドラマですからよいとして、
麗弁護士の人を信じて信じぬくという弁護士としての姿勢をすがすがしく感じました。


******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************
 

2014.12.24

ドラマ「ビンタ!」最終回を観ました ~ 愛が事件を解決する? ~

ドラマ「ビンタ!」最終回を観ました。


【ネタバレ要素があります。まだドラマ「ビンタ!」最終回をご覧になっていない方はご注意ください】

箕輪さんが工藤弁護士と田島一馬の策略により逮捕され、箕輪さんを救おうと孤軍奮闘する高田弁護士。

箕輪さんのために奔走しますが、「これ以上関わると、君も弁護士として仕事ができなくなる」ということを工藤弁護士から言われてしまい、ピンチを乗り越える手段さえ思いつきません。


ところで、ドラマの内容から話が外れますが。

よくドラマなどでも、警察に捕まった人と接見(面会のようなもの)をするシーンが描かれています。

この接見。もう御存知の方も多いかもしれませんが、

通常の接見は、時間も決まっており(結構短いものです)留置所の人が立ち会います。つまり話の内容は全て聞かれます。

しかし、弁護士接見は、制限時間もなく、また立会もありません。つまり会話の内容を誰に聞かれることもなく接見ができるのです。

このような接見は弁護士にのみ認められており、弁護士はそれを活用しながら、被疑者、被告人の弁護活動にあたります。

ドラマでも、高田弁護士と箕輪さんとの接見には立会人がいませんでしたね。余談ですが、接見室がとてもきれいな広い印象でした(実際は、あそこまで広くないことが多いです)。


ところで、一つ気になるシーンが

高田弁護士が箕輪さんと接見中に、携帯電話で会話するシーンがありました。あれは実際にはなかなかないのではないでしょうか。携帯電話で会話ができるのであれば、被疑者は被告人が弁護士の電話を通して立会人なく会話が出来る可能性も出てきてしまいます。

そんなこともあって、拘置所では、弁護士に対しても、接見室での携帯電話の持ち込みを禁止しています。ちなみに、ドラマの接見室は、警察署内の留置所だと思われます(拘置所と留置所は違うんですが。このことについてはまた機会がある時に書かせていただきます)。


八方塞がりの高田弁護士が思いついたのは、なぜがお酒の飲み比べ。なぜなのか・・・なぜなのでしょう・・・?

ただ、それが二転三転した結果、上手く事が運んで、箕輪さんは無事釈放。

工藤弁護士にも、人としてのプライドがあるということなのでしょうね。そもそも、弁護士として工藤弁護士がやったことはどうかと思いますが(苦笑)。


問題の田島一馬も、箕輪さんの愛が通じたということで、無事ドラマは進みました。


何度も「愛」が全面に出ていたドラマでしたね。箕輪さんの「愛」という表現に、安っぽさを感じたり、くだらなさを感じたりということもあったかもしれません。

ただ、お互いに色々な意味での「愛情」があれば、解決する事件は結構多いのではないかとも、この仕事をしながら思うことはたくさんあります。周りの人を大切にする気持ちは大切ですし、もちろん自分を大事に思うことも大切です。自分の大切さをわかるからこそ、周りの人の大切さを理解することもあると思います。


「愛情」を侮るなかれ、ですかね。


結構、色々な愛情をもってこの仕事をしている弁護士って多いんですよ。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2014.12.18

ドラマ「女はそれを許さない」第9話を観ました。

 ドラマ「女はそれを許さない」第9話を観ました。

今回は、トラックが小学生の列に突っ込み、小学生が亡くなった事件の民事事件(損害賠償請求)がテーマでした。
麗弁護士は、被害者遺族の代理人を務めることになります。

トラックの運転手は死亡していますが、運転手を雇っていた会社に対して使用者責任を追及します。

会社は、多額の和解金を支払うことで示談を成立させようとしますが、被害者遺族は、真相を究明したいと裁判を提起することになります。

裁判では、被告代理人弁護士の裏工作もあり、原告側の証人が証言を翻します。
しかし、原告代理人も新たな証人の証言を得ることができます。
そのような中、トラックの運転手が過去に危険ドラックを使用し交通事故により
人を死亡させた事実が判明します。
その弁護人を務めたのが、麗弁護士のボス弁である忠守弁護士でした。
忠守弁護士は、運転手が結婚して氏が変わっていたので、気が付かなかったようです。
この事実を知ったマスコミは忠守弁護士を非難する報道をします。

弁護士は、弁護士法に基づき仕事をしています。
忠守弁護士の行為は、弁護士法に反することではありませんが、
誤解や不信を抱かれる可能性があるかもしれません。

裁判は、次回まで続いています。
はたしてどのような結末を迎えるのでしょうか。楽しみです。

*****************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
*****************

2014.12.15

ドラマ「ビンタ!」第11話を観ました ~ 「正義が勝たなきゃいけない」~

ドラマ「ビンタ!」第11話を観ました。

 

いよいよ次回は最終回のようです。箕輪さんが「愛」の力で解決できるのか!?応援したいと思います。

 

 

 

では、ドラマ「ビンタ!」第11話を観た感想です。

 

 

 

【ネタバレ要素があります。ドラマ「ビンタ!」第11話をまだご覧になっていない方はご注意ください】

 

 

 

今回の案件は、真犯人に正当な裁きを願う被害者からの依頼です。

 

 

実際には、弁護士や法律事務所事務員が捜査のようなことをすることはあまりありませんが(というか調査能力に限界があります)、ただ、証拠収集というのは弁護士の仕事の一つです。関係人から話を聞くということは、必要で可能な場合には実際にも行っています。

 

これがなかなか容易ではないのですが、箕輪さんのようなフットワークの良さがあればなと思いながら、毎回ドラマを観ています(笑)。暴走されると困るのですが・・・(笑)。

 

 

ただ、今回ばかりは箕輪さんの行動力をもってしても難しそうです。

 

被害者の供述があるにもかかわらず、警察はあっさりと別の人間を犯人と判断。他に目撃者は現れず・・・。

 

信念を貫き依頼を引き受ける高田法律事務所の二人ですが、そこに加害者側から依頼を受けた工藤弁護士が現れて、500万円を呈示。「これだけあれば十分でしょう」との口ぶり。

 

工藤弁護士は、高額なお金を示して、それでもって取引しようという考えなのでしょうが、

 

態様が極めて悪い故意ある不法行為ですし、結果も全治1ヶ月の重傷と甚大です。入院を要していますし。詳しい傷害程度(後遺症が残るのか、傷害部位がどこなのか)までは明確には分かりませんでしたが、被害者の気持ちを思うと、「はい、じゃあこれで」ということにはならないのも良くわかります。

 

ただ、ドラマの中で、高田弁護士と箕輪さんが、工藤弁護士の申し入れを即刻拒否するシーンがありましたが、

 

弁護士はあくまでも依頼者の代理人です。最終的な決定、判断を依頼者に説明し検討を促さずに、自分で判断することはできません。

 

もちろん、ドラマの中の依頼者は、きっと、相手方代理人からこんな申し入れがありましたと説明をしても、「断ってください」と言うのでしょうが。

 

この仕事をしていて時に感情的になることもありますが、でもやはり事件一つひとつは、良くも悪くも依頼者に関するものです。弁護士が、自らをコントロールできないほど感情的になることは控えなければならないとも思うのです。

 

なので、依頼者のことを思うと、工藤弁護士の申し入れに怒りを覚える二人の気持ちは十分にわかるのですが、そういう申し入れがあったことをなんとか資料に残し、依頼者にも説明をする、自分だったらそうするかなと思いました。

 

 

さて、ドラマでは、その後も困難が続く箕輪さんと高田弁護士。

 

最後の最後に、「正義は勝つ!」 のでしょうか?

 

 

箕輪さんの「正義は勝つ、勝たなきゃいけないんだ」という言葉。ズシンと胸に響きました。

 

かなちゃんの養子問題も気になりますね。

 

最終回が楽しみです。

 

 

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)

大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

06-6364-7778

 

 

 

 

2014.12.10

ドラマ「女はそれを許さない」第8話を観ました。

ドラマ「女はそれを許さない」第8話を観ました。

今回は、同性のカップルの婚姻(養子縁組)の話でした。
同性のため、現行の民法での婚姻は認められていませんが、
養子縁組という形で親族関係を形成する方法はあります。

ドラマでは、この養子縁組が財産目当て無効であるとして
親族から訴訟を提起されます。

最終的な裁判所の判断はわかりませんでしたが、
原告(無効と主張した人)は、養子縁組をした当事者の意思を尊重した
ようでした。

法廷では、財産目当てではないから、相続放棄をしますという発言がありましたが、
相続が発生する前に相続放棄はできません。
相続放棄を約束する合意書を作成しても意味がありません。

相続が発生する前にできることは、遺留分の放棄です。
遺留分を放棄するには、家庭裁判所の許可が必要になります。
相続が発生した後、遺留分を請求しない場合は、裁判所の許可は、必要ありません。

ドラマでは、相続放棄をするだけではなく、過去に養子縁組をしていた人
から相続を受けたお金の受け取りを拒んでいたけれど、結局受け取り、
全額寄付したという事情がありました。

******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************

2014.12.09

ドラマ「ビンタ!」第10話を観ました ~嫁姑問題と離婚原因~

ドラマ「ビンタ!」第10話を観ました。


今回は嫁姑の問題でしたね。


【ネタバレ要素があります。まだドラマ「ビンタ!」第10話をご覧になっていない方はご注意ください】


姑との不仲が離婚原因になるのか?今回のメインの法律問題はそこでした。


実際に、姑など夫(もしくは妻)の親族との不仲を理由に離婚に悩む方は結構おられます。ただ、高田弁護士が言っていたように嫁姑問題が「直接の離婚原因」とは、なかなかなりません。

問題は離婚原因を法定している民法770条1項5号の「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」にあたるかどうかでしょうが、あくまでも、「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、原則「夫婦間で」の話です。お姑さんとの関係がいくら不仲でも、夫婦間に特に問題がなければ離婚理由とはなりません。

ドラマの中で、夫が妻の悩みをきちんと聞かないところがありましたが、あの程度で離婚が認められることには、やはりならないでしょう。最終的には程度問題ですが。

ただ、親族との不仲が影響して離婚が認められるケースはあります。高田弁護士も話していましたが、「姑の嫁いびりに夫が加担した」といったケースは、それはもう集団いじめとも言えなくもなく、夫に離婚を導いた原因があった評価される可能性は十分にあります。

毎回同じ話になって申し訳ないのですが、肝心なのは「程度」の問題なのです。一律に嫁姑問題は離婚原因になる、ならないという判断ができるものではないのです。


離婚問題でやはり気になるのが、夫婦の間の子どものことです。

今回も、結局は子どものメッセージが大人たちに届いた結果の解決でしたね。

実際にはなかなか子どもメッセージがきちんと出てこないケースが多いですし、子どものことを想ってもそれでも離婚を決意しなければならないケースがあるのも事実ですので、ドラマのような解決ばかりとは行かないのですが・・・。


離婚事件。漠然と夫婦間の問題と考えられる方も多いのですが、実際には、夫婦の他に、子どもやお姑さん、お舅さん、その他の御親族といった、夫婦以外の方の思いが強く関わるケースも多いものです。みなさんがみなさんなりにそれぞれの感情を持たれているのは当然であり、その分、ご相談者はご自身にとって何が必要なことなのか、考えるのもしんどくなっておられる方も中にはおられます。

そんなところから、一緒にお話させていただく必要がある。私たちはそう思っています。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2014.12.04

ドラマ「女はそれを許さない」第7話を観ました。

ドラマ「女はそれを許さない」第7話を観ました。

今回は、二つの話がありました。
一つ目は、ママ友いじめの話でした。
二つ目は、老舗のお菓子屋の相続の話でした。

有名なお嬢様学校に通う中学校に学費の捻出さえ大変なサラリーマン家庭の子供が通います。子供の間で些細なトラブルがあり、サラリーマン家庭の子供は退学させられてしまいます。
麗弁護士は、退学処分は、PTA総会の承認が必要と主張し、PTA総会を開催します。

PTA総会では、学校へ多額の寄付金を支払っているママカースと上位の家庭の寄付金の出所が夫の会社のお金を横領しているのではないかと指摘します。そして、総会では退学させないということになります。
お金を横領しているかどうか事実は不明ですが、このような事実を大勢の前で指摘することは、名誉棄損になる可能性があります。
内容がたとえ真実であってもなくても、多数の人の前で発言することは、名誉棄損にあたります。

今回のドラマでは、高岡早紀さんも女性弁護士として出演され、
女性弁護士三人シーンは、とても華やかでした。

******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************

2014.12.01

ドラマ「ビンタ!」第9話を観ました ~本当のことを言ってても名誉棄損になるの?~

ドラマ「ビンタ!」第9話を観ました。


【ネタバレがあります。まだドラマ「ビンタ!」第9話をご覧になっていない方はご注意ください。】

高田先生が箕輪さんに激しく怒っている様子からドラマが始まります。聞けば、箕輪さんが、法廷の傍聴席から野次を飛ばしたとのこと。

それはだめですよ。箕輪さん。

法廷の傍聴席で野次を飛ばせば、裁判官から注意をされたり、退廷を命じられる事態です。そのようなことを、代理人の事務所の事務員がするということは、高田先生の指導監督不足ということになってしまいます。

箕輪さん、気を付けましょうね。


さて、今回のドラマの本筋は、万引き事件です。


書店での万引きを疑われた箕輪さん。書店に、箕輪さんの写真(目の部分だけ黒塗り)が掲示されます。

万引き犯の写真の公開予告というのは、少し前に実際にありましたね。店側の対応が少々行きすぎではないかという議論もあり、警察からの申し入れもあって、この写真公開は中止されたように記憶しています。

万引きはもちろん犯罪ですし、ドラマの中でも万引きに悩まされている店主の気持ちが描かれていましたが、でも、一方で、万引き犯の写真を公開するというのも、プライバシー侵害や名誉毀損行為に当たるのも事実です。


時折、「真実を話しているだけなのに、名誉毀損ってことになりますか」と質問を受けることもありますが、原則としては「名誉毀損」となるのです。

最近、SNS等が発達し、名誉毀損トラブルも増えて来ています。一度拡散した情報を消し去ることは非常に困難です。

「本当のことを言っているのだから名誉毀損とはならない」という気持ちで、公開した情報が思わぬトラブルになることも多くあります。


人の情報というものが、どれほど重要なものなのか、今一度みんなで考えてみる時かもしれませんね。


さて話をドラマに戻します。

ドラマでは、「弁護士事務所の事務員である箕輪さんが万引きをした」という情報が独り歩きし、そして、高田弁護士への批判も出てきます。工藤弁護士が高田弁護士を心配して、「弁護士会が問題視している」「箕輪さんを雇い続けるのはいかがなものか」と述べるシーンもありました。

実際のところ、弁護士会が、法律事務所事務員の万引き(万引きが本当であったとしても)を問題視するかどうかは疑問ですが、ただ、確かに、法律事務所の事務員が犯罪を行ったと言うのは望ましい事態ではありません。高田弁護士は箕輪さんのことを人として信頼もしていたでしょうし・・・。


そんな中、高田弁護士は真犯人を見つけます。以前、箕輪さんに万引きしようとしたところを見られて注意を受けた学生でした。箕輪さんを逆恨みして、万引き犯に仕立て上げたとのことでした。

その学生の独りよがりな言い分に、高田弁護士のお怒りはMAXに。

時折、少年の間の犯罪は「お咎めなし」と思っている人もおられますが、全てがそういうわけではありません。

場合によっては、学校を休んで鑑別所に入らないといけないこともあります。そうなると、学校に犯罪のことが知られてしまうかもしれません。学校によっては、それを理由に一定の処分を行う場合にもあります。

少年だから「お咎めなし」、何の問題もないというものではないのです。


箕輪さんは、少年を想い説いたのでしょう。万引きの罪を擦り付けられたにもかかわらず、箕輪さんの、この少年のことを最後まで自分で引き受けようとする姿、格好良かったですね。

少年に、箕輪さんの深い愛が、きちんと伝わることを願っています。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2014.11.27

ドラマ「ビンタ!」第8話を観ました ~「婚約」の事実が認められる場合~

ドラマ「ビンタ!」第8話を観ました。

最近このブログでドラマの記載が続いていますが、お付き合いいただけるとうれしいです。


【ネタバレがあります。まだドラマ「ビンタ!」第8話をご覧になっていない方はご注意ください】


今回は婚約不履行の事案でした。

高田法律事務所に相談に訪れたのは女性側。相談内容は「婚約を破棄された。結婚を強制することはできないから諦めるつもりだが、前に進むために相手の男性に損害賠償を請求したい」というものでした。

女性の話を聞いた箕輪さんと高田弁護士は、女性の気持ちを理解し、受任しようと請求相手となる男性を確認します。

するとその相手は、箕輪さんの友人・もんじゃ店を営む吾郎君だったのです。


早速、吾郎君に会いに行き抗議する箕輪さんたちですが、吾郎君の言い分は「婚約していない」「ちゃんと別れた」というもの。箕輪さんたちは吾郎君の言い分を信じることにしますが・・・。

後日、協議の場となった高田法律事務所に訪れたのは、その女性と工藤弁護士(相変わらず工藤弁護士とは縁がありますね)。そして、高田弁護士は吾郎君側の代理人として協議を進めて行きます。

うん?ちょっと待ってください!


高田弁護士は、なぜ吾郎君の代理人になっているのでしょうか。高田弁護士は、すでに女性の相談にのり吾郎君に交渉に行っている立場なのです。にもかかわらず、高田弁護士が、今度は女性が損害賠償を請求する相手の代理人になるのは、問題が多いです。


「利益相反」というのは、弁護士が受任等にあたって最も気にしなければならない事柄の一つです。なので、ついついドラマを観ながらいつもこのことを気にしてしまいます。


********************

話をドラマに戻します。

吾郎君は「婚約はしていない」と主張。

一方、女性は婚約を窺わせる事情を挙げて行きますが、以前吾郎君が「(その女性が作った)味噌汁を飲みたい」と言ったことや、「ずっと一緒」と言ったことなどから、婚約を推認するのは厳しいと思います。夜店で買った指輪を婚約指輪と評価するのも厳しいところです。指輪の値段だけで婚約指輪かそうでないかを判断するわけではありませんが、指輪の購入の経緯や、その時の状況をみると、やはり婚約指輪を考えるのは難しそうです。


工藤弁護士は「婚約の成否は当事者の気持ち」と言います。もちろん、そうでしょう。婚約とは一種の契約です。当事者の「結婚しよう」という意思の合致さえあれば成立するものと言えます。

ただ、問題は、一方当事者が「婚約をしていない」と主張した場合の証拠です。互いが主張する事実に相違があれば、どうしても証拠の問題になってしまうことは避けられません。

そして、そんな場合、実際の訴訟等では、
・結婚式場を予約していたとか、
・親族に結婚の挨拶をした、
・婚約指輪を買った、
・上司に婚約者として紹介したetc. 
このような事実があれば婚約の存在が認められる可能性は出てきます。もちろん他にも色々な事情があります。

ただ、ドラマで出て来た事情を検討すると、「婚約」の事実を認めるのは難しそうです。

仮に、婚約の存在が認められたとした場合、次に問題になるのは、高田弁護士が話したように、婚約破棄の正当な理由があるかどうかということになります。

この点については、吾郎君の「彼女が怒りやすくなった」という言い分は、婚約破棄として正当な理由とは認められにくいと思います。もちろん、程度の問題ですから、一概には言えませんが・・・。


**************************


ドラマはこの後少し変わった展開に。

箕輪さんの言葉(本当はカナちゃんの言葉ですが。笑)で吾郎君が女性と結婚する気持ちになり、その想いを吾郎君は真摯に女性にぶつけます。

しかし、なんと女性は詐欺師だったという事実が発覚。女性の請求は不当請求だったのです。

女性の請求は取り下げられ、結果、吾郎君は損害賠償する必要はなくなりました。

でも、吾郎君の心は、まだ解決まで時間がかかりそうです。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

2014.11.26

ドラマ「女はそれを許さない」第6話を観ました

ドラマ「女はそれを許さない」第6話を観ました。

今回は、刑事事件の裁判でした。
ストーカーに悩まされている女性が、以前ストーカーをしていた男性にまた付きまとわれていると感じ帰宅途中、その男性が待ち伏せをしており女性が男性の腕をほどき転倒し、怪我をしてしまいます。
 後日、女性が警察署に行くと、女性に対して傷害罪の逮捕状が出ており、そのまま取り調べが始まります。

 ☆☆ネタバレがありますので、ご注意下さい☆☆

女性は起訴され、公判が始まります。
 
 結局、怪我をした男性はストーカーではなく、女性の会社の上司がストーカーでした。
 そして、その上司が、転倒した男性をさらに殴り、怪我を負わせていたことが分かり、女性は無罪となりました。

 当初は、女性に不利な証拠ばかりのようでしたが、またまた凛香弁護士がもたらした情報によって女性に有利な証拠が集まります。
 凛香弁護士の情報収集の方法は、現実の弁護士が行っていたら問題があります。
 修習生が「地味な作業」と言っていましたが、証拠を精査や書面作成等は、法廷に比べたら地味なイメージがあるのでしょうが、重要なことですので、修習生の発言を受け、忠守弁護士が修習生を叱ったのは、ごもっともと感じました。

******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************

2014.11.25

スペシャルドラマ「リーガルハイ」を観ました ~医療訴訟の特色~

平成26年11月22日に放送されたスペシャルドラマ「リーガルハイ」を観ました。

何やら「白い巨塔」を彷彿とさせる始まり。これまでとは違う重厚な雰囲気。さすがスペシャルとも思いましたが・・・
古美門先生を始め古美門法律事務所の面々は相変わらずで、うれしい気持ちにもなりました。


【ネタバレ要素があります。まだスペシャルドラマ「リーガルハイ」をご覧になっていない方はご注意ください。】

*******************


今回は医療訴訟案件

これが普通のドラマであれば、患者側に就いた弁護士が、強大な権威に立ち向かうという筋書きになりそうなものが、さすがはリーガルハイ、そして古美門先生。金の亡者の様相の大病院院長の依頼を受ける弁護士が主役なのです。

古美門先生は病院の顧問弁護士もしていたのですね。しかも大病院。

ドラマでも言われていましたが、医療過誤訴訟は、相当に高度な専門知識が必要となります。また裁判に必要な専門知識、資料等は、ほぼ全面的に病院側(医師側)に存在するため、訴訟をするにあたって患者側は注意しなければならないことがたくさんあります。もちろん、足りない専門知識を補完するために、医師等への協力を求めることが必要な場合があり、そういう意味では医療そのものに関する以外の知識や経験等が必要となることもあります。

そして、一般的に、医療訴訟は、弁護士の立場が固定化していると言われています。つまり病院側(医師側)に就く弁護士は他の事件でも病院側に就くことが多く、患者側に就く弁護士は他の事件でも患者側に就くことが多いということです。一方の事件では患者側に就いていて、他の事件では医師側に就くというのはあまりありません。

通常の損害賠償事件などの場合は、加害者側、被害者側の区別なく受任する弁護士が多いことと比較すると、医療訴訟はこの意味でも少し特殊な事件と言えるのかもしれません。


古美門先生は、一般的には「病院側に就く弁護士」ということなのでしょう。

*******************************************

冒頭から、なかなか嫌な感じを醸し出す病院側の代理人になるとは、「リーガルハイ」らしいと言えばらしいのかもしれません(笑い)。


医療訴訟ということで、黛弁護士は勉強を開始します(なぜか、古美門先生の教科書は「ブラックジャック」)。

しかし、黛弁護士の予想とは異なり、訴訟は中傷合戦へ。院長も、そして患者側も深刻な傷を負ってしまいます。

法廷で患者側の代理人・九條弁護士が、病院側の申請証人として出てきた看護師長のプライベートを写した写真を法廷でばら撒きますが、実際には、さすがにあんなことはあり得ません。証拠は余程のことがない限り尋問前に提出する必要があります。尋問の途中で、写真をばら撒くなんてことは法廷の中では許されません。裁判所から厳しい注意がなされるはずです。


ドラマは、遂にマスコミをも巻き込んだ誹謗中傷。まさに「場外乱闘」とも言える状態です。そして担当医師が法廷で患者に対して非を認め謝罪までし古美門先生はピンチに。


院長の解任や古美門先生の代理人解任など事態は動きますが、そんな中、服部さんの一言で見方が変わる黛弁護士。そして、古美門先生が動き出します。


最後は古美門先生の熱弁で、九條弁護士も圧倒されます。古美門先生の弁論(?。手続き的には不明です。院長の証人尋問期日だったようですが、院長が出廷できず、結果手続きとしては何になっていたのでしょうか)は、科学的なデータに基づいたもの。そこに古美門先生の熱い魂が吹き込んであの弁論は行われたのでしょう。

なんだかんだと言って、古美門先生は、院長を人として尊敬していたのかもしれません。


一つの事実といえでも、見る人が異なれば、それは別の意味を持つことは多くあります。そこに光を当てるのが弁護士の仕事の一つとも思うのです。


裁判は相手あってものなので、どのように進むのかについて見込があるようでないものとも言えます。そんな中で、どのように依頼者が見て感じた事実を第三者に伝えるか。慎重に対応していく必要があります。


古美門先生の弁論は、いつも情熱的で、そして力強い。古美門先生を通して聞くストーリーは、第三者に「そうかもしれない」と思わせます。結局弁護士という仕事に「熱意」があるのでしょう。

つまり、古美門先生は、人が好きで、そして弁護士と言う仕事が好きなんだろうな。いつもドラマを観てそう思います。

************************************************

最後に、報酬の話を。

今回訴訟で争われた金額は2億を超えていました。被告側の代理人である古美門先生は「原告の請求を棄却する」との判決を得たので、被告が得た経済的利益は約2億。
これを基準に、旧弁護士報酬規程で報酬金額を算定すると、1000万円を超えてしまいます。盲腸で入院していた古美門先生が「そろそろ大きい事件をやりたいと思っていたところです」と言うだけありますね。

ただ、着手金や報酬は、委任契約で定めることになっています。この旧弁護士報酬規程を参考に報酬を決める事務所も多いですが、訴訟の労力などによって異なる可能性もあります。

なので、古美門先生が報酬として1000万円を超える金額をもらったのかは不明です(笑)。


りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階

2014.11.20

ドラマ「女はそれを許さない」第5話を観ました。

ドラマ「女はそれを許さない」第5話を観ました。

今回は、10歳の子供が母親に対して精神的苦痛を受けたこと(虐待)
について損害賠償請求をするという話でした。

麗弁護士は、子供の代理人となります。

子供の代理人は、通常、親権者である母親となりますが、今回、
母親は子供に対する虐待で刑事責任を負い、刑期を終えて出所してきます。

このような場合、親権停止の要件に該当していますので、子供自身が家庭裁判所に申立てをすれば認められるでしょうが、子供自身がそのような手続きを知っていることは稀です。

親権が停止または喪失されていないのに、子供が親権者である母に損害賠償請求が出来るのか?という疑問があります。

家事事件手続法では、子供自身に訴訟を遂行する能力を与える制度があります。しかし、民事の損害賠償請求はでの訴訟能力まで与えていないので、
やはり、親権者の停止または喪失をして、未成年者後見人を選任してから
の話になります。
ドラマでも親権停止の後、施設の人が未成年者後見人に選任し、調停を申立てていました。

だんだん、忠守法律事務所のメンバーの結束が強くなっていくように感じます。
次回のドラマが楽しみです。

******************
りんどう法律事務所
大阪市北区西天満3丁目13番18号
06-6364-7778
******************

2014.11.19

ドラマ「ビンタ!」第7話を観ました ~境界を越えてきた枝や根っこ、勝手に切っていいですか?~

ドラマ「ビンタ!」第7話を観ました。

今回は近隣トラブルの案件。ドラマ「リーガルハイ」でも近隣トラブルを題材にした回があり、このブログで書きましたが、近隣トラブルは意外に身近だったりします。

トラブルの大小はそれぞれとしても、お隣さんとのトラブルは精神的に堪えるものです。


【ネタバレ要素があります。まだ「ビンタ!」第7話をご覧になっていない方はご注意ください。】


今回のお隣とのトラブルの発端は、依頼者の話では、「お隣さんの庭の木の枝が、こちらの庭に入って来て邪魔になったので、勝手に切りました」ということでした。「お隣さんは、それが気に入らなかったらしく、それから嫌がらせが始まった」とのこと。


ところで、お隣さんの庭の木の枝が境界線を越えてこちら側に伸びてきたとき、この枝をこちらで勝手に切れるでしょうか?


答えは、「できません」


民法は、「隣地の竹木の枝が境界線を越えるときは、その竹木の所有者に、その枝を切除させることができる」「隣地の竹木の根が境界線を越えるときは、その根を切り取ることができる」と定めています(233条)。

つまり、枝について、その木の所有者に切除を請求できるとする一方で、根について、こちらで切除できると定めているのです。

木の根っこか、枝かによって異なるのです。興味深いですよね。

学生時代、枝は個人の切り方などに趣向があるため勝手に切ったらだめなのかしら等と考えたりもしましたが、これはあくまでも個人的な覚え方で、この法律の制度趣旨を調べたわけではありません。


話をドラマに戻すと、つまり、依頼者が木の枝を無断で切ったのは、良くないことということになります。

ただ、きっかけは依頼者が悪かったとしても、依頼者の話が本当であれば、お隣さんのやっていることも大問題です。中傷するビラが撒かれたり放火までされており、間違いなく「違法」の域になっています。


ここまでの事案になれば、さすがに警察に被害届を提出するなどの対応が必要となると思います。


高田弁護士は「張り込み調査」を箕輪さんに指示していましたが、弁護士や法律事務所事務員が自ら「張り込み調査」をするということは、基本的にありません。そんな技能訓練などしていませんので、弁護士や法律事務所事務員だからこそ上手にできるというものでもありません。

ドラマで、張り込み調査をすることになった箕輪さんが「ようやく俺も法律事務所事務員らしくなってきた」などと話していましたが、「それはどうかな~」などと突っ込みながら観てしまいました(笑)。


もっとも、近隣トラブルのご相談の際、弁護士が事実確認をする必要があるので、場合によっては、弁護士がご自宅を伺ったり、ご相談者において録音をビデオの撮影をお願いすることはあります。証拠がない中で相手方に追求していくと、かえって相手方から「名誉毀損」などを追求されご相談者の不利益になる場合もあるからです。


今回のドラマでは、どこまでのトラブルがそうだったのかはわかりませんが、少なくともビラや放火の件は、依頼者の子供がやっていたということが明らかとなります。


念願のマイホームに夢中になり母親(高田弁護士の依頼者です)が家のなかでピリピリしていたことや、両親の夫婦喧嘩が増えたことに、子供は「元の家に戻りたい」という想いを抱えるようになり、その結果のこのような行動を取ってしまったということでした。


「家」というハード面ではなく、「家族」というソフト面が大切、そういうことなのでしょうね。

りんどう法律事務所(大阪・弁護士事務所)
大阪市北区西天満3丁目13-18 島根ビル3階
06-6364-7778

2014.11.14

ドラマ「女はそれを許さな」第4話を観ました</